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襲われる恥ずかしさに思わず離してしまいそうになる手が、ぎゅっと強く握り返されて、
「……離さないで」
真っ赤になった耳へ告げられる。
「……達かせてください……」
重ねたまま摩る手の中に、脈打つ感覚がドクドクと伝わる。
「……んっ…あ、イッ…く…！」
果てて迸る瞬間に、唇が押し当てられ口づけられると、
自らの下腹部からも、耐えられない官能の証しがとろりと垂れて内腿を流れた。
我慢できない厭らしさを彼に知られたくなくて屈めた身体が、腕の中にぐっと抱えられ、
「……快感には、素直でいればいいんです」
濡れそぼった合わせ目がつーっと指でなぞり上げられた。
「……ここ、」
くちゅっと秘芯が撫でられ、「……イジってほしいのでしょう？」くちゅくちゅと湿った音が響く。
「いやぁ…あ、ん……」
「嫌だと言ってはいけないと、いつも言っていますよね？」
言い聞かせるように話して、
「……いいと、言いなさい」
中へずくりと指が押し込まれた。
「ふぅっ…んっ…やぁ…」
溢れる粘液が膝裏まで伝い落ちる。
「やっ…もう、だ、めっ…」
「……いいと言えるまで、やめてはあげませんので」
責める悪魔が顔を覗かせて、もう逃げられないとわかる。
「言いなさい。さぁ…」
指が二本に増やされて、肉壁を掻き回すように蠢く。
「…………んっ…」
羞恥が先立って感じていることを口に出すのは簡単にはできなくて、涙が溢れそうになると、
濡れた舌先が、目をなぞるように這わされた。
そんな感触さえ身体を追い上げ、追い詰められて行くようで、
息をふぅーっと吐いて、それから、
「…………感じる、一臣さん…………いい…」
小さく声に出すと、
「……ああ、私も……智香…ん…いい…」
喘ぐように切れ切れに返されて、片腕に痛いくらいに抱き締められた……。
「……ねぇ、もう……」
「……もう、何ですか？」
「……ぅんっ…も、う…」
もうやめてほしくて、だけどやめてはほしくない気持ちもあって、
どうしたらいいのかがわからなくなる。
シーツの上を逃げかける半身が、両腕に抱き竦められて、
「……そんな顔をしないで」
泣きそうになっている私の瞼に、そっと唇が寄せられた。
「いいと言えたので、これ以上はしませんから……」
「……だけど、先生はもう……」
やめてもいいんだろうかと思う。自分の中にもまだどこか燻る気持ちを感じるように、きっとまだ彼だって……と、思う。
「……いいんです。今日の私は、歯止めが効かなすぎて……あなたに、負担をかけるばかりなので」
言って、ちゅっと軽くキスをすると、
「このまま、抱いて寝てあげますから」
彼の胸に、私の唇が押し付けられるように抱えられた。
肌に沁み付いたアンバーの蜜のような香りがふわりと漂って、鼻腔をくすぐる。
「……それに、」
間近に聴こえる心臓の音が俄かに高鳴った気がして、抱かれている胸からふと顔を上げると、
「……私は、あなたの泣き顔には、弱いんですよ…」
仄かに赤らむ目元が見えて、
「……好き。……抱いて、寝て…」
自分からも、彼の背中にぎゅっと腕をまわすと、
「ええ、こうして抱いていてあげますから。大好きなあなたを……」
抱き合ったまま、二人で眠りについた……。
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