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藤澤 side …
時計の針が20時を回り始めた。段々とレックは終盤へと差し掛かり、気がつくと僕と若井のレックは終わっていた。
「じゃあ元貴、僕たち先に楽屋で待ってるねー」
「あーずるい〜!俺もすぐ終わらせる!」
元貴が子供のように足をじたばたさせながら、唇を尖らせる。若井が、元貴のこだわりが生んだことだからさ、と笑いながら返す。ふはっと僕が笑うと元貴は、うるさいなー!集中できないでしょ!とまるで八つ当たりのように僕たちに言いつける。そして僕と若井は、見かねたマネージャーに強制退出をくらったのだった。
「…終わったよ」
30分ぐらい経った頃、元貴が疲れきったような声色で楽屋に入ってくる。お疲れ様と僕が笑いかけると、へへっ、と少し恥ずかしそうに笑ってくれた。なんだかこっちまで恥ずかしくなる。
「じゃ早く帰ろー、俺お腹減った〜」
若井が荷物を肩にかけ、ドアノブに手をかける。元貴は、待って!と急いで自身の荷物をまとめ始める。今日は若井と元貴、2人で帰るのかな。じゃあ今日は一緒に帰れないか。少しだけ心の中がモヤっとした。今日、僕は元貴と2人で一緒に帰るためにレックに来たと言っても過言では無いのに。
「ほら!涼ちゃんも早く支度しなよ!置いてくよ!?」
ボーッとソファに座る僕に元貴が声をかける。
「ぇ?いいの?」
突然のことと嬉しさについ聞き返した。すると元貴は、当たり前じゃん、と荷物を整理しながら呟いた。その言葉に少しだけ心が晴れた気がした。僕も急いで荷物をまとめ、2人と帰る準備をする。
「2人ともできたー?遅すぎなんだけど」
若井が不機嫌そうな退屈そうな声色で呟く。僕が、ごめんねー、と荷物を持って若井の元へ駆け寄ると元貴もそれに合わせて、おまたせー、と小走りでこちらに来る。3人で楽屋から出て、明るい廊下を通って行くと、途中で後ろから声をかけられた。
「藤澤さん!ちょっといいですか?」
「え?あ、はい…?」
振り返るとそこにはたくさんの資料を抱えたディレクターさんがいた。あー、これは少し話が長くなりそうな予感。
「忙しいとこすみません、ちょっといいですか?」
「あ、はい!…ごめん2人とも、先行ってて!」
元貴と若井は、そっかー、またね、と手を振って2人並んで廊下を進んで行った。2人の背中はまるでカップルのように見えて、またしても胸が締め付けられるような気がした。だけどこれも仕事、仕方がないこと。僕はディレクターさんと共に、空き部屋へと足を運んだ。
なんかちょっと今回内容薄いですね…
物足りないので追加で
もう1話出しちゃいますか!!!
少々お待ちを〜😽
コメント
2件
わぁ!最新話だ!待ってました🥹 涼ちゃん、結構悩みが深いのかな? 展開が楽しみ!