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藤澤 side …
今、僕はスタジオの廊下を走っている。時刻は20時15分ほど。ディレクターさんの話は以前にも話されていた内容で、僕からの返事が遅かったため、ディレクターさんが心配して声をかけてくれたのだった。
10分程度の話なら元貴達に待ってて貰えばよかった。今頃2人はもうどちらかの家に着いたぐらいかな?2人はどんな会話をしたのだろう。もしも若井が元貴に告白してたら?もしも2人だけの秘密が出来ていたら?いらない事ばかり考える頭をブンブンと振って、頭を切替える。
「はぁッ、…まだ間に合うかも」
もしかしたら、まだ2人を追いかけることが出来るかもしれない。個人的には体力に自信はあるし…僕は片方の肩にかけていたリュックを背負い直し、全速力で走って2人を探した。
どれくらい時間が経っただろうか。どれだけ走っても、もう2人の姿はどこにも見当たらなかった。
「…もう行っちゃったよね、」
赤信号を待っている時に、膝に手を着いて呼吸を整える。僕は何を悔しがっているのだろうか。2人と一緒に帰れなかったこと?それとは別で、若井に元貴を取られるかもしれないという焦り?それともディレクターさんの話をほったらかしていた自分への怒り?なんだか色々な感情がぐちゃぐちゃになっている気がする。視界の端で信号が青へと変わる。姿勢を整え、歩き始めようとしたその時。ビルの角を曲がる元貴と若井の姿があった。
「…ぁ!」
声をかけようとした時にはもう遅い。2人はビルの角を曲がって、見えなくなってしまった。僕は2人の曲がったビルの角へと走った。
…でも、ここら辺って若井の家でも元貴の家の近くでもない。何のためにここら辺に来ているんだ?少しだけ違和感を持つ。不思議に思いながらも、僕はビルの角を曲がっていった。
「若井ー!元貴ー!」
2人の名前を呼びながらビルの角を曲がったその時だった。目の前には想像もしていなかった景色が広がっていた。
1件のマンションの前で抱き合いながら互いを見つめる2人。この時点でもう分かってしまった。2人はもうとっくに”そういう関係”だったのだということに。
だけど、それ以上に僕を傷つけるものが目の前にはあった。小さな風が吹き、2人の髪が靡いた時に見えたのだ。2人の耳に付けられた”あのイヤリング”が。紫色の小さなアメジストは、月明かりで美しく、偉大に輝いていた。
「…嘘」
僕は目の前の光景に、完全に立ち尽くしてしまった。
逆に今度はめっちゃ内容濃かったですね…笑
まぁまぁ、いいじゃないですか🙄
次回は第15話と第16話をふたつ合わせて
♡2,000になったら更新しようかな!
つまりどちらも♡1,000になったら
次回更新しますのでよろしくお願いします🙌🏻
ではまた次のお話で^^
コメント
4件
この作品めっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます!
おぉ、涼ちゃんこれは結構辛いかも...?涼ちゃんも涼ちゃんで結構耐えてたのかな?🤔