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みぃ
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『誰も覚えていない夜』
「決まらない一票」
【投票を開始します。】
35人の前に、投票画面が表示された。
画面には、全員の名前。
誰もが黙ったまま、その中から一人を選んでいく。
けちゃ「……。」
だいきり「……。」
けちゃは画面を見つめたまま、なかなか指を動かせない。
けちゃ「だいき……。」
だいきり「はい。」
けちゃ「誰に入れる?」
だいきり「……それは、僕からは言えません。」
けちゃ「そっか……。」
だいきり「自分で考えて決めましょう。」
けちゃ「……うん。」
ぷりっつ「あっきぃ。」
あっきぃ「……ん?」
ぷりっつ「決めた?」
あっきぃ「……まだ。」
ぷりっつ「時間ないで。」
あっきぃ「分かってる。」
ぷりっつ「……。」
あっきぃは、もう一度だけ周囲を見る。
そして――
視線を止めた。
あっきぃ「……。」
ぷりっつ「?」
あっきぃ「……いや。」
あっきぃは何も言わなかった。
ころん「……。」
ゆた「ころんさん。」
ころん「ん?」
ゆた「大丈夫ですか?」
ころん「……うん。」
ゆた「投票、決めました?」
ころん「まだ。」
ゆた「……。」
ころん「僕を疑ってる人がいるなら、その人を選ぶっていうのも違う気がするし。」
ゆた「そうですね。」
ころん「……。」
ゆた「ころんさんは、どうしたいですか?」
ころん「自分が怪しいと思った人に入れる。」
ゆた「……はい。」
ころん「それだけでいいと思う。」
るぅと「てるとくん。」
てると「はい。」
るぅと「もう決めましたか?」
てると「……はい。」
るぅと「そうですか。」
メルト「僕も決めた。」
るぅと「僕もです。」
てると「……。」
るぅと「どうしました?」
てると「……いや。」
てると「この投票で、誰かがいなくなるんですよね。」
メルト「……はい。」
てると「まだ、実感がなくて。」
るぅと「……。」
るぅと「僕もです。」
ちぐさ「……。」
らお「ちぐ。」
ちぐさ「ん?」
らお「決めた?」
ちぐさ「……うん。」
らお「そっか。」
ちぐさ「らおは?」
らお「俺も決めた。」
ちぐさ「……。」
らお「大丈夫だから。」
ちぐさ「……うん。」
ちぐさは、小さく頷いた。
【00:00:05】
残り5秒。
【00:00:04】
【00:00:03】
【00:00:02】
【00:00:01】
【投票を締め切ります。】
全員「……。」
モニターが暗くなる。
数秒後。
一つずつ、投票結果が表示されていく。
【投票結果】
【ころん 7票】
ころん「……。」
【みかさ 7票】
みかさ「……俺?」
【てると 7票】
てると「……。」
そして――
【その他 14票】
中央ホールに、ざわめきが広がった。
けちゃ「……同じ?」
ロゼ「ころんくん、みかさ、てるとくんが同票ですね。」
ばぁう「7票ずつ……。」
心音「じゃあ、どうなる?」
ものくろ「ルールでは――」
ものくろ「最多得票が同数の場合、脱落者は出ません。」
全員「……!」
ころん「……。」
みかさ「……。」
てると「……。」
まぜ太「誰も、いなくならないってことか。」
ものくろ「はい。」
あっきぃ「……。」
ぷりっつ「よかった……。」
けちゃ「ほんとに……?」
だいきり「はい。」
けちゃ「誰も脱落しないんだ……。」
ころんは、ほっとしたように息を吐いた。
ゆた「ころんさん。」
ころん「……うん。」
ゆた「よかったですね。」
ころん「うん。」
ころん「……正直、ちょっと怖かった。」
ゆた「……。」
ころん「自分の名前が出てたから。」
ゆた「でも、まだ大丈夫です。」
ころん「……ありがとう。」
一方。
みかさは、少し俯いていた。
さとみ「みかさ。」
みかさ「……はい。」
さとみ「大丈夫か?」
みかさ「……はい。」
さとみ「無理してない?」
みかさ「……。」
みかさ「少し、怖かったです。」
さとみ「……そうだよな。」
みかさ「俺……。」
みかさ「本当に、何も分からなくて。」
さとみ「分からなくていい。」
みかさ「……え?」
さとみ「初日なんだから。」
さとみ「最初から全部分かる奴なんていない。」
みかさ「……。」
さとみ「少しずつ考えればいい。」
みかさ「……ありがとうございます。」
てるとは、るぅととメルトのところへ戻ってきた。
るぅと「てるとくん。」
てると「はい。」
るぅと「大丈夫ですか?」
てると「……はい。」
メルト「顔、ちょっと怖いよ。」
てると「……すみません。」
るぅと「謝らなくていいですよ。」
てると「……。」
メルト「誰も脱落しなかったんだから。」
てると「……はい。」
ジェル「しかし。」
ジェルがモニターを見る。
ジェル「7票が三人ってことは。」
ジェル「かなり票がバラけたな。」
ロゼ「そうですね。」
タケヤキ翔「俺も、まだ迷っとる。」
らいと「つまり、三人以外にもかなり票が入ってる。」
Lapis「……。」
らいと「どうした?」
Lapis「いや。」
Lapis「誰が誰に入れたのか、分からないのが怖いなって。」
しゆん「確かにな。」
ばぁう「誰が誰を疑ってるのか、まだ見えない。」
にしきは、モニターを見ながら静かに考えていた。
はりま「にしき。」
にしき「……何?」
はりま「どう思う?」
にしき「……。」
にしき「面白い結果だと思う。」
はりま「面白い?」
にしき「ころんくん、みかさくん、てるとくん。」
はりま「うん。」
にしき「三人とも7票。」
はりま「……。」
にしき「それなのに、誰が誰に入れたかは分からない。」
はりま「……。」
にしき「次の投票では、今回の結果を利用する人が出るかもしれません。」
はりま「なるほどな。」
心音「一ついいですか?」
ななもり。「うん。」
心音「今日、誰も脱落しなかった。」
心音「でも、人狼がいる以上。」
心音「夜には何か起こる可能性が高いんです。」
全員「……。」
心音「だから。」
心音「今のうちに、少しでも情報を整理したほうがいいと思います。」
おさでい「賛成です。」
ロゼ「俺もそう思う。」
ななもり。「じゃあ、最後に少しだけ。」
ななもり。「今日の話し合いで気になったことを、一人ずつ言っていこう。」
莉犬「俺は……。」
莉犬「ころちゃんが疑われていたことかな。」
ころん「……。」
莉犬「理由が発言の少なさだけだったから。」
莉犬「そこは、まだ納得しきれてない。」
ころん「……ありがとう。」
ぷりっつ「俺は、三人に票が集まったこと。」
ぷりっつ「師匠、みかさ、てるきゅん。」
ぷりっつ「この三人が何か共通してるんか、それともたまたまなんか。」
ぷりっつ「そこは気になります。」
ちぐさ「俺は……。」
ちぐさ「誰かを疑うより、まず話を聞きたいです。」
らお「俺も。」
ちぐさ「……。」
らお「まだ初日だしな。」
ちぐさ「うん。」
ジェル「俺は、まぜ太がころんを庇ったこと。」
まぜ太「……。」
ジェル「もちろん、それだけで怪しいとは思ってへん。」
まぜ太「分かってます。」
ジェル「ただ、覚えといたほうがええかなって。」
まぜ太「そうですね。」
ロゼ「俺は。」
ロゼ「匿名の報告です。」
全員がロゼを見る。
ロゼ「誰かが誰かを疑っている。」
ロゼ「でも、その人物が誰なのかは分からない。」
ロゼ「これは今後、大きな情報になると思います。」
ものくろ「僕は……。」
ものくろ「投票結果を、これからの判断材料にしたいです。」
おさでい「俺も同じです。」
心音「俺も。」
あっきぃ「……。」
ぷりっつ「あっきぃ?」
あっきぃ「……いや。」
あっきぃ「俺も、同じ。」
【00:00:00】
その瞬間。
モニターが切り替わった。
『昼の時間が終了しました。』
『本日の脱落者はーー』
【なし】
『これより、夜の時間へ移行します。』
全員「……。」
ななもり。「みんな。」
ななもり。「今日は、誰も脱落しなかった。」
ななもり。「でも――」
ななもり。「夜は別です。」
全員「……。」
ななもり。「気をつけて。」
一人。
また一人。
35人は、それぞれの部屋へ戻っていく。
廊下に足音が響く。
扉が閉まっていく。
カチャ。
カチャ。
カチャ。
やがて――
中央ホールには誰もいなくなった。
【夜】
静かな廊下。
誰もいない。
けれど。
この時間だけ、動き始める者たちがいる。
【人狼陣営】
暗い部屋。
複数の人影が集まっていた。
ちぐさ「……。」
ころん「……。」
はりま「……。」
てると「……。」
だいきり「……。」
みかさ「……。」
にしき「……。」
そして――
ジェル、しゆん、あっと、そあら。
11人。
誰も大きな声では話さない。
ジェル「……今日、誰も脱落せんかったな。」
にしき「はい。」
しゆん「まあ、そういう日もある。」
ころん「……。」
ちぐさ「……。」
てると「……。」
みかさ「……。」
はりま「……。」
だいきり「……。」
それぞれが、互いの顔を見る。
にしき「では。」
にしき「今夜、誰を狙うか。」
その言葉に――
空気が変わった。
一方。
別の部屋。
心音「……。」
心音は、一人で椅子に座っていた。
今日の出来事を思い返す。
ころん。
みかさ。
てると。
そして――
7票。
心音「……。」
心音「明日までに、少しでも情報が増えればいいけど。」
別の場所。
ロゼ「……。」
ロゼもまた、今日の話し合いを思い返していた。
ロゼ「誰が嘘をついている……?」
答えは出ない。
そして。
一人の部屋。
ちぐさ「……。」
ちぐさはベッドに座っていた。
今日、らおに言われた言葉を思い出す。
『大丈夫だから。』
ちぐさ「……。」
ちぐさは目を閉じる。
けれど――
眠ることはできなかった。
【夜 23:47】
35人の中で。
それぞれが、それぞれの秘密を抱えている。
そして――
誰も知らない場所で。
一つの選択が、行われようとしていた。
【???】
『今夜の襲撃対象を選択してください。』
画面に35人の名前が表示される。
一つの名前に、カーソルが重なる。
【選択しますか?】
【YES】
【NO】
カーソルが――
ゆっくりと動いた。
――第6話「決まらない一票」終わり。
コメント
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あの11人が人狼の方の味方!?たのしみです!!