テラーノベル
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あれからあいつは来なくなった。
あいつのいない日々はひどくつまらないものだった。
何故だかあの時のような喪失感があった。冬弥様はもういないのに。
(…クソッ、)
「ケンカでもしましたか?」
「…望月」
「今日はペンダントを眺めてるんですね」
舌打ちが出そうになったのを堪えて返事をする。
「なんだよ」
「いえ、最近2色の子を見なくなったので」
「あいつならもう来ねぇよ」
「やはりケンカなさったんですね」
「…」
こいつといるとなんだか調子が狂う気がする。本音じゃない笑顔で接してくるからだろうか。
「まだ王子様に拘っているのですか?」
「冬弥様は大事な人だからな。…忘れられねぇよ」
「2色の子は大事ではないのですか?」
「…」
「そうですか…」
「なんか文句あんのかよ」
「いえ、いつまで王子様に囚われているんだろう、と。あの子は王子様とあなたの想いから生まれたのに勿体無いですね」
「は…?」
どういうことだよ、それ
「初音様からお聞きにならなかったのですか?」
「聞いたこともねぇよ」
「そう…その様子だと”誓い”も忘れてしまったようですね」
「”誓い”…?…………ッ!!!!」
___『オレは、冬弥様がどんな姿になっても愛すと誓いますよ』
なんでオレは忘れていたんだろう。
なんでオレは愛そうとしなかったんだろう。
「…ッすみません、冬弥様」
あいつは…、冬弥はこんなオレでも愛してくれていたのに。
「悪かったな、望月」
「御構い無く。白百合城ならここから北にあるところです」
「サンキュー」
なんでオレは気付かなかったんだろう。
いや、気付こうとしなかったんだろう。
冬弥と話してる時鼓動が早まっていたことを。
もう来ないって言われてすごく腹が立ったことを。
「なんだよ、とっくにあいつに惚れてんじゃねぇか」
コメント
1件
愛に自覚があっていいですね♡♡♡♡愛っていいですねやっぱり!!!