「春だなぁ~」
「春だねぇ~」
暑さを感じさせる陽射しに、爽やかな風。
緑の息吹を感じさせる木々の、優しいさざめき。
空太(くうた)と 宗次郎(そうじろう)は、学校の屋上から緑の多い街並みを見下ろしていた。
「頬、大丈夫なのか?」
「ん?」
「ほら、殴ったトコ」
「全然平気。口の中が切れて少しの間、痛かったけど」
「悪かった。ごめん。あっ、今のは殴ったことじゃなくて、傷つけたことな」
「殴ったことは否定しないんだ?」
「空太の気持ちも聞いてないし、 杏葉(あずは)だって変わってないし」
「……やっぱり、杏葉、まだ変わってないと思う?」
「オマエが頑張ってるのは知ってる。ことごとく玉砕してることも」
宗次郎はニヤリと笑う。
それとは対照的に、空太の心は落ちてしまう。
「杏葉には、届かないのかな」
ため息がこぼれた。
「空太にとって、杏葉はその程度の存在*****************************
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