🇯🇵ね…寝てる…?
私は少し、戸惑いの含んだ声を漏らす。
何故ならここは会社。
そんな会社のある部屋の一角で、ロシアさんが座って寝ていたからだ。
🇯🇵まあ確かに最近寝不足気味でしたもんね…
実際にここ暫く、ロシアさんは睡眠を取ろうにもあまり取れていなかった。
上から仕事を任されたり、周りから期限の近い資料を頼まれたりと、散々だったからだ。
私はもう慣れてしまったので数日寝なくても大丈夫だが、普段から規則正しい生活を送っていれば精神的にも体力的にもキツい話だ。
🇯🇵それにしても、気を遣ったんですかね
私はクルリと部屋を見渡す。
ロシアさんが寝ているこの部屋は会議室。
まあというのも、今は使っていない旧会議室だが。
憶測ではあるが、他の社員の方達の邪魔にならないように誰も使わないこの部屋で寝ているのではないだろうか?
そう思うと、胸がキュウ…となった。
私はフッと笑みを溢し、ロシアさんの頭を軽く撫でる。
🇯🇵…無理をしないでくださいね
口からポツリと溢れた言葉だが、あいにくこれは本心だ。
無理はしないで身体を大事にしてほしい。
私はそう願った。
🇯🇵あっ…そういえばアメリカさんに呼ばれていたんでしたっ
私はハッと我に返り、踵を返して慌てて部屋を後にした。
__また、一回り静かになった部屋。
そんな部屋に、『はぁ』という溜息が響いた。
🇷🇺…俺の心配よりも自分の事を心配してほしいぐらいだけどな
俺は身体をググッと伸ばし、立ち上がる。
日本がこの部屋に来た時から既に起きていたが、面倒だと思って起きなかった。
🇷🇺…まあ、日本の言う通り、無理をせずに程々にしながら仕事をするか
俺は足元に置いていた資料の束をかき集め、部屋を出た。
俺が部屋を出た事により、一層静かになった会議室。
そんな部屋に、窓から優しい風が吹いたのを、俺が気付くはずなどなかった。
『終』
コメント
6件
控えめに言って大好き
ホンッッットにだいすき 。
素晴らしい👏(・_・)スバラシイ