大変長らくお待たせしました💧
※めちゃめちゃ長いです
一話,二話を見てから読んでください!
8月16日
それから私は家族に悟られないよう荷物の整理をした。
着替え,モバイルバッテリー,カメラ,日焼け止め,その他日用品。
そして,ナイフ。
時刻は18時。明日のこの時間にはどうなっているんだろう。
予想なんてつかない。
「咲!ご飯だから降りてきなさい」
「…今行く」
何気ない日常というものは儚く,脆いものだということを知った
「茶碗、片付けてね」
「お母さん,ありがとう」
「え〜?何急に笑頭でもうったの?」
何種類かの虫の声が混ざり合い,夏を感じさせる音を感じた。
「ん〜ん。なんでもない,」
8月17日
セーラー服に袖を通し,例の神社へ向かった。
幸いにも,まだ気温はいつもより低く,風が程よく吹いている
「あ、サク先輩」
3日しか経っていないというのに彼女のクマは悪化し,
膝や足には痛々しい傷がこちらを覗いている
「ごめん,待った?」
「いいえ、構いませんよ。自然の音を聞くのっていいですよね」
空を見上げる彼女は今にも消えてしまいそうなほど淋しげな目をしていた。
「これから電車に乗って,隣町へ行こう」
私の提案に彼女は頷く。
「どこか、行く宛はあるんですか?」
「いや?特には。」
「…」
「先輩のそういうところ,嫌いじゃないですよ笑、」
あ。多分これ苦笑いだわ
ガタンカタン
一時間ほど揺られながら隣町へと到着した。
行く宛のないセーラー服の少女たちは
フラフラと街を彷徨っていた。
時刻は12時を回っていた。
サンドイッチをコンビニで買い、町外れにある川に足をつけながら食べた。
周は木で囲まれており,神秘的な空間だった。
まるでこの世には私とつぼみしかいないみたい。
「ねぇ、水飛ばさないでよ笑」
「こっちのセリフね!」
水遊びをしたのなんていつぶりだろうか。
純粋に子供のようにはしゃぐ。彼女には無縁だったのだろう。
ならせめて今だけは,私といる間だけは、年相応に笑って欲しい
「元気やねえ。あら!つぼみちゃんやないの!」
1人の農家風のおばあさんが声をかけてきた。
この辺では見ない高校の制服を着た少女たちが町外れの川で遊んでいる。
不審に思ったのだろうかドキドキしていた
「あ!坂本のおばちゃん!」
「やっぱりつぼみちゃんやね、元気しとったか?」
どうやらこのおばあさんは坂本千代という人でつぼみの母方の祖母らしい。
昔はよく遊びにきたらしいが、夫婦関係が悪くなった時くらいから会っていないんだそう。
「色々と大変やったろうけど、よう頑張ったなぁ」
「うちでスイカでも食べていき!おっきいのとれたで!」
流れるままに坂本さんのお家へと向かった。
田舎町の一軒家で土地が広い。庭には畑もある。
家の縁側に座り足をぶらぶらさせながらスイカを食べる
いきなり計画が狂ったが、まあいいだろう。どうせ帰る場所などない
「このスイカ美味しいね!田舎の夏を感じられる笑」
「ねぇ、なんか飲む?少し先に自動販売機があるから買ってくるよ!」
「あ、うん。よろしく…」
すると、つぼみとすれ違いでおばあさんがやってくる
「あの、坂本さん。私たちのこと,どう思いますか?」
「んー。わからへんけど、なにかあったってことはわかるわ」
「私,つぼみと心中しにきたんです。」
声が震えた。けれど,坂本さんは私のことを真っ直ぐな眼で捉えた。
「そう。もう家には帰らないつもりなの?」
「はい」
「そうねぇ。うちでよければ寝泊まりくらいはしても大丈夫よ」
「けど2人の親は心配せんの?」
「それについてはまぁ、問題ないです。」
「けど、私はまだ、未来のある貴方たちに先に逝ってはほしくないわ」
「もう一度、よく考えてみるといいわ。」
ガラガラ
横開きの扉が音を立てて開く
「ん。サイダー買ってきたよ、ってなんの話してたの?」
「あらつぼみちゃん、おかえり。もう日が沈んできたわね。
さっさとお風呂を済ませておいで。
夕飯は任せてね、明日も長旅になるやないの?ね」
「ぁ、ではありがとうございます、」
時刻は23時。眠れなくて、縁側へ出て夜空を眺めた。
明日はどうやることやら。
もしも、私の親が捜索願を出していたら?、そんな考えがわたしの頭をよぎった
あり得ない話ではない。
もしそうならこの心中は失敗して終わり,私達は二度と会えなくなるだろう。
考えただけでも冷や汗が止まらない
それは絶対に嫌だ。そうして蕾が寝ている間にも私たちの行方を探られているのかもしれない
つぼみは今布団で寝息も立てずに眠っている
彼女の首は少し力を入れたら今にでも息を止めれそうなほど細かった。
私は鞄の奥底に眠っていたナイフを取りだし、つぼみに馬乗りになった
「ごめんつぼみ、」
勢いよくナイフを振り翳したその時
「だめ、」
つぼみは目を覚ましてじっとこちらを見ていた
「ッは、」
息ができない。私は今何をしようとした?
「大丈夫。サク、ほら吸って、吐いて」
嗚咽を漏らす私の背中をそっと彼女は撫でた。
「,落ち着いた?」
「うん、ごめん…ちょっと気が動転してて、」
「んーん、大丈夫。ちょっとだけ話そ、」
縁側に腰掛け、夜空を眺めるとそこには星空が広がっていた
夏特有の涼しい風がつぼみの髪を揺らす。
「、、」
「、、」
「サク、最初からここで死ぬつもりだったの?」
「ううん。ちょっと不安になっちゃったの
もし、私の親が探していたら、って」
「そっか。、私たちが見つかるのは時間の問題だと思うの、」
「私,つぼみとの時間を永遠にしたい」
「私も。」
「だから、明日、、し
「明日死のう。」
「そういいたいんでしょ?」
、、。
「私はサクがいれば、それでいい。この世に未練なんかない」
「ありがとう、」
これで、いいんだよね。
私達は布団にもどり、眠りについた。
8月18日
時刻は8時
「おはようございます」
「おはようさん、よう眠れた?」
「はい、おかげさまで」
「もう出るの?よかったらおにぎりでも持っていき、」
「、ありがとうございます。そして、お世話になりました」
「その様子やと2人にとって最善の答えが見つかったようやね。」
「いってらっしゃい」
「はい」
「サク〜まってよー!」
たくさん荷物を持ってきたつぼみは準備が大変そう。一体何がそんなに入っているんだ
今日はまた電車に乗り違う街へと移動する。一刻も早く地元から離れなければ。
私達は9時発の電車に乗り約2時間ほど揺られた。
田んぼや林しかなく、同じ景色がどこまでも続いているようだ。
この街に来たのはここで開催されるお祭りに来るためだった。
時刻は12時,
予定よりも早くついた私達は,神社の石段に座り、坂本さんからもらった
おにぎりを頬張った。
「ん、おいしい」
「手作りの料理、私好きなんだよね。
お母さんの料理って栄養バランスは整っていたけど、愛情が込められてないっていうかさ,笑」
「つぼみのお母さんって,想像つかないや。」
「そう?まあ知られたくもないけど、笑」
今のつぼみは私に気を遣わなくなり、とても自然体だ。私はそれがとても嬉しい。
高嶺の花は意外と手に届く位置にある。それを実感した。
知らない土地を探索しているとあっという間に16時になっていた。
つぼみといると本当に時間が過ぎるのが早い。
太陽が沈みかけており、つぼみの真っ白な肌はオレンジの日差しを反射していた。
「そろそろ屋台とか,空いてるかなぁ」
目を輝かせ1つに括った髪の毛が左右に揺れている
それがどことなく愛おしい。
「ねぇ!どこから周る?」
「んー、蕾が行きたいところからで!」
「えぇ〜、迷っちゃうなぁー!」
「ねぇ、迷子にならないよう手繋ごう?」
「ん、」
素直に手を出すつぼみに手を引っ張られ,人混みの中へと入っていく。
子供連れの親子、学生カップル、地元の人たち。
人々には私達はどう写っているのだろうか
「ねぇー!次どこ周るー!」
「つぼみ,そろそろ花火が上がる時間じゃない?」
「わ!もうこんな時間かぁ!
実は私,調べてきたんだ,笑
ここから離れたあの高台!」
「確かに人もいないみたいだし、移動しよっか」
「うん!」
ヒュー ドン!
「わぁー、綺麗…」
大きな瞳には花火が反射して写っている。
「ねぇ、つぼみ、」
ドン!
つぼみの唇と私の唇が重なり合う。
「、え」
驚いて目を見開いている
夏の暑さのせいか何処となく耳が赤くなっているような気がする
「私、蕾が好きでどうしようもないの,
花火じゃなくて,私だけを見て欲しいッ」
「うん、私はずっとサクしか見てないよ」
「もう、終わりにしよう」
「そうだね,楽しかったよ、2人だけの逃避行。」
結局惚れていたのはどちらだったのだろう。否、どっちもだろう
私達は互いに抱き合い、高台から飛び降りた______。
続いてのニュースです。
〇〇町の高台で上高校生二名が死体で発見されました。
亡くなられたのは 日向 蕾 さん (16)
景山 咲 さん (18)
持ち物の中に遺書と見られるものが発見されたため、警察は自殺と見て捜査を進めています
遺書
お母さん,お父さんへ。
これを読んでいる時には私はもうこの世にいないと思います。
身勝手な行動をお許しください。私は今とても幸せです。
私ばっかり,こんなに幸せでいいのかなって思うくらい。
それはね,好きな人ができたからなの。私はこの子のために命をかけました。
私達の墓にはスターチスの花をお供えしてください。
20××年 8月18日
高校生1)ねえ、しってる?ここの都市伝説
高校生2)えぇ、なにそれ、ちょっと怖いんだけど
1)いやいや、怖いやつじゃなくて!ここの高台について
1)ここで夏祭りの日に告白すると絶対に成功するらしいよ!
2)えぇー?ほんとにー?
1)あ、そうそう。それはスターチスの花をお供えすればの話だけど
2)へぇ、そうなんだ。
…じゃあさ、私たちの関係も認めてもらえるかな,女の子同士だけど
1) うん。きっと認めてもらえるよね、
あ、!ねぇ!もう屋台出てるはやくいこーよ!
2)ねぇ待ってよ笑
スターチスの花言葉
『変わらぬ心』『永久不変』『途絶えぬ記憶』
Statice End .
〜あとがき〜
4067字お疲れ様でした!
最後までご覧いただきほんとにありがとうございました!
こんなに長くなるつもりじゃなかったんですけどね,💧
そして、次回について!
次回からハート制にしようと思います!
理由は私投稿頻度を決めていないので,ハートの数で書こうと思います!
次回も楽しみにしてください!🙇🙌🏻
next→♡=1000.
コメント
5件
見るの遅くなった💦 いや、ほんとに神すぎね?好きだよ(?) (1)と(2)の未来も見たい(・∀・)ニヤニヤ