-放課後-
千冬[場地さん!この男の人の名前は!]
場地[あ、それはわかるぜ!えっと……せいとく……ふとこ?]
私[!ぶほっ(笑))]
千冬[違いますよ!聖徳太子!しょうとくたいし!っすよ!]
場地[しょうとく?せいとくじゃねーの?]
千冬[……場地さん、小学生でも分かるっすよ……。後、志野さん、笑いすぎっす]
私[ご、ごめん(笑)なんか、面白くて……ふふ……せいとく(笑)ダメだ、笑う]
千冬[場地さん、留年と、追試もあるんっすから!夏休み遊べませんよ!]
場地[おう!気合い入れてやるわ!]
こうして、私と松野くん2人がかりで教えて……テストの結果は……ギリギリ赤点回避だった。本人は、2桁の点数で喜んでたけど……。
場地[お前らのおかげで追試と補習免れたぜ!サンキューな!]
私[あはは……。よかったね。]
千冬[超……疲れた。]
私[ふぁ……(あくび)あんまり寝れてないもんね……帰ったら寝よー]
マイキー[あれ?場地と千冬じゃん。テストはどっだったの?]
千冬[なんとか、免れましたよ!50点っす!]
マイキー[場地が50!?マジ!?]
ドラケン[まぁ……場地にしては頑張ったんじゃね?いつもの点数より。]
場地[こいつらのおかげでな。]
マイキー[へー。頭良いんだ?喧嘩も強かったしな。回し蹴り!あれ、カッコよかったぜ]
私[あはは……。普通ですけどね。……小さい時から柔道やってて、今は行ってないんでだいぶブランクありますけど……。]
ドラケン[マイキーも、蹴りは強い方だもんな。]
千冬[マイキーくんの特技っすもんね。]
マイキー[おしいよなぁー。男だったらチームに入れてんのに]
私[あはは……。]
ドラケン[女は入れねー、ルールだろ。あん時は悪かったな。俺らのことで巻きこんで]
私[あ、いえ💦気にしないでください。勘違いされて……勝手に連れ去られて、ナイフ突きつけられて……流石に怒りが爆発したというか……]
ドラケン[……改めて聞くと災難だったな]
私[あはは……。あ、でも回し蹴りが綺麗に決まったのは自分でも嬉しかったというか!]
マイキー[ぶほっ(笑)!やっぱりお前、面白いわ!]
私[へ?なんか変なこと言いました?]
ドラケン[まぁ……普通の女は言わねーわな。]
千冬[ある意味、すごいっすよ。ね、場地さん!]
場地[……。]
マイキー[どった?場地ー?]
場地[なんもねーよ。先に行くぞ]
千冬[あ!場地さん!待ってくださいよ!あ、志野さんもまた明日っす!]
私[へ?あ、うん。また明日?]
マイキー[めっずらしい……。]
ドラケン[だな。場地が拗ねてんの初めて見たわ。]
私[へ?拗ねてたんですか?何に?]
マイキー&ドラケン[……。]
マイキー[これは、なかなか手強そーだよな。ケンちん。]
ドラケン[だな。俺らも帰るか。たけみっちんとこ行くんだろ。]
マイキー[そうだった、んじゃ、またな。]
私[あ、はい……。また。]
一体、なんだったんだろうか?……拗ねることなんてあったかな??
-市営住宅-
千冬[場地さん、どうしたんっすか?さっきから不機嫌っすよ?ペヤング食います?]
場地[……なんか、イライラすんだよな。勉強のしすぎか?誰かその辺のやつぶん殴りたくなる。]
千冬[いや、流石にそれはダメっすよ……。]
-自宅-
私[ただいまー。]
母[おかえり、ちょうどよかった。悪いんだけどコンビニで、牛乳とパン買ってきてくれない?買い忘れちゃって。無理そうならお父さんに頼むけど……]
私[コンビニでしょ?いいよ。行ってくる。その前に着替えさせて、流石に制服はやばい]
母[ゆっくりでいいわよ。]
-自室-
私[ふー、疲れたぁー。えっと、これとこれでいっかな。]
-玄関前-
私[それじゃ、行ってきます。]
母[気をつけてね、痛かったら無理しないで帰ってきていいのよ。何かあったら電話してね。迎えに行くから]
私[大丈夫、夜ご飯作りかけなんでしょ。すぐに帰るから平気だよ。]
母[気をつけるのよー。]
私[はーい。]
-コンビニ前-
私[杖、つきながらだと時間かかるな……。ん?あれ?場地くん?]
場地[ん?ああ、お前か。こんな時間に何してんだ?女ひとりで危ねーだろ。]
私[お母さんに牛乳と食パン頼まれちゃって、夜ご飯作りかけで火を見てないといけないから変わりにね。場地くんは……ペヤング好きだね(笑)]
場地[これが1番うめぇんだよ。千冬と半分こして食ってんだよ。]
私[相変わらず仲良いね。あ、じゃあ私、買いに行くからまたね]
場地[おう……。]
-数分後-
店員[ありがとうございましたー。]
私[これでよしっと。帰ろ……あれ?まだいたの?帰ってたかと思った。]
場地[こんな夜中に女1人は危ねーだろ。怪我も治ってねーのに、無理すんなよ。家まで送る]
私[いや、すぐそこだし……大丈夫……]
場地[いいから、怪我も治ってねーのに、無茶すんじゃねーよ。行くぞ]
私[う、うん……。]
び、びっくりした……そんなこと言われるなんて……。意外と優しいんだよな……。あれ?なんか……ドキドキしてきた。
場地[……悪かったな。]
私[え?怪我のことなら……何回も言ったけど気にしな……]
場地[そうじゃねーよ。俺らのこと……いや、俺の事に巻きこんで怪我までさせちまって……女なのに……。]
私[……場地くん。…私は嬉しかったよ。助けにきてくれて。ちょっと怖かったしね。なんか、ヒーローみたいで!カッコよかった!]
場地[!……そ、そーかよ///]
私[うん、おかげで助かったし。だから、そんなに気にしないでよ。]
場地[お前は強い女だな。]
私[?何か言った?]
場地[なんもねーよ。着いたぜ]
私[!ほんとだ。ありがとう、送ってくれて、また明日!おやすみ!]
場地[お、おう……おやすみ。]
-帰り道-
場地[……さっきから、心臓がうっせぇ……なんか変なもんでも食ったか?]
一虎[みーちゃった♡]
場地[!一虎、お前いつから]
一虎[つい、さっき見かけてよ。珍しいじゃん、場地が女送るって。恋でもしてんの?]
場地[こい?なんだそれ?池の魚か?]
一虎[……お前、やっぱ馬鹿だな。]
場地[うっせぇ!]
-自宅-
母[おかえりー、って大丈夫…?顔真っ赤だけど。]
私[へ?……(鏡を見る)ほんとだ?]
母[風邪でもひいた?無理しないで寝てていいわよ?ご飯食べれそう?]
私[大丈夫……。はい、牛乳と食パン]
母[ちゃんと熱も計るのよー?]
私[分かってる……。]
-自室-
私[……びっくりした……。いや、あれは……ドキドキしても、仕方ない……というか。なんか顔あっついな。ほんとに熱かも。寝よ。]
-場地宅-
場地[ただいま……。]
場地母[おいコラ!圭介!こんな夜中にどこ……って、あんたどうした?]
場地[あ?なんだよ?]
場地母[何って……あんた顔真っ赤だけど……風邪でもひいたか?馬鹿なのに?]
場地[ひいてねぇよ!うっせぇな!]
場地母[親に向かってうっせぇじゃねーだろ!馬鹿圭介!]
場地[いきなり、蹴りいれてくんなよ!]
-翌朝-
母[あらまぁ……ほんとに風邪だわ。薬飲んでちゃんと寝るのよ?]
私[うん……。ありがとう。お母さん。]
母[じゃあ、お母さん用事で、出かけるけど……無理しちゃダメよ。すぐに帰ってくるから]
私[うん。行ってらっしゃい。]
ほんとに……風邪をひいてしまった……。知恵熱ってほんとに出るんだな……。
-学校-
先生[えー、今日の欠席は……志野だな。]
場地[は?なんで!あいつ、何かあったのか!]
先生[落ち着け、親御さんから連絡あってな。風邪をひいたらしい。お前は最近仲良かったようだしな。帰りにプリント届けてやってくれ。]
場地[……風邪……。]
-昼休み-
ガラッ
千冬[場地さぁーん!お昼一緒に……って、あれ?志野さんは?]
場地[風邪だってよ。]
千冬[そうなんっすね……。いつも一緒に居たから変な感じっすね。]
場地[帰りにプリント届けてこいってセンコーに言われた。……風邪って、何持ってきゃいいんだ?三ツ谷にでも聞くか。]
千冬[……(場地さんが珍しい……。え、まさか!)]
場地[千冬ぅ?どうしたぁ?]
千冬[場地さん!俺、応援してるっすよ!]
場地[あ?何が?]
千冬[風邪だったら、ゼリーとかスポーツ飲料とかがいいって聞きました。帰りに買って行きましょ!]
場地[だな。]
-コンビニ-
場地[ゼリーは、どれがいいんだ?]
千冬[桃とか、オレンジとかいいっすよ。後、スポーツ飲料ありましたよ!]
場地[サンキュー、よし、ある程度揃ったな。]
-志野宅前-
場地[よし、押すか……。]
千冬[場地さん、そのセリフ3回目っすよ。なんでそんな緊張してるんっすか?]
場地[俺だって分かんねーよ。女の家なんて始めてだし……。エマとはなんかちげぇっていうか……]
千冬[……(これはもう、恋なのでは?場地さんにも、ついに春が!)]
志野母[?あら、あなた達は……確か、志野のお友達かしら?]
場地[!うっす。……あの、プリント届けに来て……後、色々買ってきた……です。]
志野母[あらあら、ありがとう。よかったら上がっていって。あの子まだ寝てるだろうけど]
千冬[いや、俺たちはそんな……]
志野母[いいから、あの子も喜ぶわよ。]
場地[……じゃあ、お邪魔します……]
千冬[お邪魔します]
-自室前-
志野母[(コンコン)起きてるー?お粥とゼリー持ってきたわよー?後、お友達来てるわよ。]
私[ん……ありがとう……。お母さん……って、あれ?なんで2人がここに?]
志野母[プリント届けに来てくれたんだって、ゼリー持ってきてくれたから食べれたら食べなさい。じゃあね。]
私[うん……ありがとう。]
場地[……あーっと。体調よくねー時に悪かった……な。こ、これ、プリント、センコーに頼まれた……。]
私[ありがとう……。あ、うつるから……その、マスクしてるね。]
千冬[……(な、なんか……いたたまれない)]
私[松野くんもわざわざありがとうね。]
千冬[い、いや……俺は……場地さんの付き添いで来ただけだから……。えっと……と、トイレ借りますね!]
私[?あ、うん。どうぞ?階段降りて右にあるから……。]
千冬[ありがとうごいます!じゃ!]
場地[な、千冬!ま……逃げやがった……]
私[……えっと、わざわざありがとうね。……ゼリーもありがとう。]
場地[別に……。風邪にはゼリーがいいって千冬が言ってたから……。起きてて大丈夫なのか?]
私[うん、朝よりちょっと下がったし、大丈夫。ありがとう。あ、場地くんもマスクしてて、うつすといけないから。]
場地[おう……。]
私[お粥食べるから……いただきます……。あちっ]
場地[大丈夫かよ、ほら。あーんしてやるからこっち向け]
私[え!?い、いいよ。自分で……]
場地[見てらんねーんだよ、ほら、口開けろ]
私[~~///……あ、あーん。(ぱくっ)]
場地[美味いか?]
私[ん。……お、美味しい……です。]
-自室前-
千冬[(ドアからそっと除く)!(うぉぉぉ!!ば、場地さんが、あ、あーんを!少女漫画みてぇ✨)見てるこっちが恥ずかしくなってきた……]
志野母[ねぇ、あの二人って、付き合ってないの?(小声)]
千冬[!?び、びっくりした……(小声)]
志野母[驚かせてごめんなさいね、ちょっときになって。それで、どうなの?]
千冬[まだみたいですけど……でも、お似合いだと俺は思います]
志野母[ふふ、そうなのね。よかったら、学校でのあの子の話聞かせてくれない?部屋にも入りづらいだろうし。]
千冬[分かりました。ありがとうごいます]
-自室-
私[ご馳走様……。ゼリーありがとう。美味しかったです。]
場地[気にすんな。あんま無理すんなよ。]
私[うん、ありがとう。あ、ごめん。冷えピタ変えたいから、そこの変えのやつ取ってもらっ……]
場地[俺が貼ってやるから、寝てろ]
私[あ、ありがとう……///]
場地[まだ、あちぃな。大丈夫か?]
私[うん、ありがとう……。お見舞いきてくるて……嬉しい……(すぅすぅ)]
場地[……寝たか。……なんでこんな心臓うっせぇんだ?病気か?……こいつの事が気になってしゃーねぇし。……俺も風邪ひいたか?]
私[…………すぅすぅ……。場地くん。]
場地[あ?寝言か?]
私[………すき………(すぅすぅ)]
場地[……(ドキッ)んだ、これ///。心臓うっせぇ……。]
-回想-
一虎[珍しいじゃん。恋でもしたか?]
-現実-
場地[……恋って、ンだよ。……千冬に漫画でも借りるか。]
-夕方-
千冬[すみません、長い間お邪魔して]
志野母[大丈夫よ、あの子も嬉しそうにしてたし、これからも仲良くしてやってね。]
場地[うっす。……それじゃ。]
志野母[気をつけてね、またいらしてね]
-帰り道-
千冬[場地さん?顔真っ赤っすよ?]
場地[千冬ぅ…後で……その。恋愛漫画借してくんねーか?]
千冬[!場地さん!もしかして、恋してるっんすっか!]
場地[……よく、分かんねーんだよ。なんか、最近あいつ見てたら、ほっとけねぇつーか、心臓がうっせぇ……んだよ。]
千冬[場地さん……例えばですけど……、俺が志野さんと話しててイライラします?]
場地[いや、別に?]
千冬[マイキーくんは?]
場地[……ムカつく。]
千冬[場地さん、なんで俺はムカつかないのにマイキーくんはダメなんっすか?]
場地[マイキーが……アイツに興味もつのが気にくわねー……から。]
千冬[場地さん、俺、応援してますよ。それはちゃんと恋してます。]
場地[……漫画読んだら、分かるか?]
千冬[分かると思いますよ?]
場地[じゃあ、借りるわ。]
千冬[うっす。]
-続く-
コメント
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初めまして!見てると素敵です!ドキドキ💗する!