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「 ジェミニ~ホントに明日には引っ越すのかよ?もう会えないの哀しい… 」
「 仕方ないよ。でもクーリュのことは忘れない 」
「 えぇ、なにそれ。嬉しすぎ~ 」
俺はそんなことどうでもいい。
お父様は俺に少しでも好意を示してくれた。
それが俺は嬉しいんだ。
次の日の朝。僕の寮にお父様が来るのを待ちわびた。
そしてチャイムが鳴った時、僕は嬉しくなって扉を直ぐに開けた。
「 お父様…! 」
「 …ジェミ。 」
お父様は目を逸らして言った。
「 お前はなにも変わってない。マフィアという言葉の意味は美しさ、優しさ、優雅さ、完璧さ、そして名誉ある男、勇気ある人、大胆な人のことを云う。お前にどれが当てはまる 」
「 …精進致します。 」
僕はぎゅっとトランクの取っ手を握り涙をこらえる。
「 わかったのならいい。ほら、行くぞ。 」
お父様は足早に寮を出た。
すると外にはお父様の仕事仲間のヨエルとミカとアロンが居た。
「 ん、ジェミニ。元気にしてたか? 」
「 あ、ヨエル…!うん!元気だったよ。 」
「 …久しぶり。 」
「 うん!久しぶり! 」
そして僕は言った。
「 アーニェを迎えに行かないとねお父様。それにエリシャもいないし… 」
「 アーニェを迎えに行くのは来週だ。 」
「 そうなんだ…アーニェ元気かな 」
「 ジェミニ、あのアーニェだぜ?あいつァ元気の具現化みてェな存在なんだぜ? 」
「 …心配しなくても。良いと思う。 」
「 …そうだね。 」
ヨエルとアロンとそう言い合うとミカの声が聞こえた。
「 そろそろ宿へ行きますよ。貴方のお父様はそろそろ空腹になる頃でしょう。 」