テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
つうん@📚🐟💙
565
Chro 🖤🥀
9,389
#花吐き病
りっちゃ
245
#花吐き病
みたらし
739
花吐き病
夜になり眠ろうとした鈴木…
寝室に入りらベッドに横になった途端、急に吐き気が込み上げてきて、すぐさまトイレへ駆け込んだ
鈴木:うッ…ぉえ、…
しばらく吐いてようやく吐き気が治まった
便器に散らばった花々を見て
鈴木:…もう嫌だよ…。こんな、生活…。
〇〇:あれ?鈴木?
〇〇だ、僕の好きな人…でも本人には伝えてない…
廊下の向こうから足音が近づいてくる。トイレのドアは開いたままで、蛍光灯の白い光が便器に溜まった白銀《はくぎん》の百合《ゆり》を照らしていた
振り返って、〇〇の姿を見た瞬間、反射的に顔を背けた。口元を袖で拭いながら、声を絞り出す
鈴木:……なんでもない。大丈夫だから。
しゃがんだまま、散乱した花を隠すように便器の蓋を閉めた。でも手が震えているのは誤魔化しようがなかった
深夜一時。窓の外では虫の声だけが鳴り続けている。鈴木の肩は不自然に上下していて、まだ呼吸が整っていないのが見て取れた。閉じた蓋の隙間から、甘い花の香りが狭い空間に漂っている。
〇〇:?
〇〇が覗き込もうとする気配を感じ、慌てて立ち上がった。壁に手をついて体を支えながら、半歩だけ距離を取る
鈴木:ほんとに、なんでもないって。
ちょっと気持ち悪くなっただけ。
笑おうとした。けど、口角が引きつって、うまく笑えていなかった。目の縁がうっすら赤い。
トイレットペーパーを引っ張り出して口を拭くその手つきは、もう慣れきった動作だった。花吐き病の後処理を何十回、何百回と繰り返してきた人間の、諦めにも似た手際の良さ。洗面台の鏡に映った鈴木は、唇の端にほんの少しだけ花弁の欠片を残していた。
〇〇:…ねぇ…鈴木
鈴木が振り返った瞬間、グッと近づいて顎を掴む。唇についている、花弁の欠片を取る
突然の接近に目を見開いて固まった。顎を掴まれた指先の温度が、冷え切った顔にじわりと伝わる
鈴木:……っ、
花弁の欠片を、取ってもらった後も、しばらく動けなかった。至近距離にある〇〇の顔をぼんやり見つめて、ようやく我に返ったように視線を逸らす
鈴木が息を呑んだのは、きっと花の香りのせいだけではなかった。心臓の一拍、明らかに強く跳ねたのは本人も自覚していた。肺の奥がまた、きゅっと締まるような感覚。それを悟られまいと、鈴木は半歩後ろに下がって、首を擦った。
鈴木:……近い。
声がかすれていた。耳の先まで赤くなっているのににづかないふりをして、蛇口のレバーを下げ、水を出しっぱなしにした。
〇〇:もしかして…花吐き病?
水音に紛れさせるように、小さく息を吸った。背中を向けたまま、しばらくなにも 言わない
鈴木:……。
やがて、ぽつりと
鈴木:……うん。
それだけだった。否定も言い訳もなく、ただ短い答えが、トイレに反響して消えた。流しっぱなしの水がぽちゃぽちゃと間抜けな音を立てている。
タオルで手を拭きながら振り返る。顔色は元に戻っていたが、目だけはどこか泳いでいた。
鈴木:ごめんね、心配かけて。いつものことだから……気にしないで。
〇〇:だよね…薬飲んでる?
一瞬、動きが止まった。タオルを、畳む手がぎこちなくなる。
鈴木:……飲んでるよ。
嘘だった。病院で処方された花抑制剤は、三日前に最後の一錠を使い切っている。薬が切れていることを〇〇に知られたくなくて、わざとらしく棚の上に目をやったが、そこにあるはずの薬瓶はとっくに空だった。
気まずさを振り払うように、話題を変えようとする。
鈴木:〇〇はさ、こんな時間にどうしちゃったの。起こしちゃった?
〇〇:今は関係ない…ねぇ、ほんとに飲んでる?薬…わたしも元々花吐き病だったからわかるけど、ちゃんと薬飲めば治るよ。
「花吐き病だった」という言葉に、思わず〇〇を見つめた。
鈴木:……え、そうだったの。知らなかった。
はい…今回はここまでです!
どうでしたか?初投稿なんですけど…
あの、続編は出します!
よかったら♥押してってください!
お願いします!
コメント
1件
「花吐き病」設定、すごく切なくて惹き込まれました…!鈴木が必死に隠そうとする姿と、〇〇が「元花吐き病だった」って告白するシーン、めちゃくちゃ胸にきました。初投稿とは思えないクオリティで、続きが気になりすぎます!れいさんの作品、これからも楽しみにしてます🔥