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ーーー目が覚めた。布団の側に置いた時計を確認すると、予定よりも7分ほど早い。二度寝をするには不十分と判断して、アラームを止めてもぞもぞと布団から出る。カーテンの隙間から差し込む光を睨みながら、布団を畳んで台所に向かった。6畳一間の小さな部屋の割に、大家さんの意向なのか台所はやや大きく充実しているが、そんな立派な台所も唯一ある薬缶で湯を沸かす為だけの設備になっている。正直、申し訳ない。

今朝もいつものように、水を入れた薬缶を火にかけ、その間に冷蔵庫を開けた。中から昨晩の残りのコロッケを取り出し、皿にあけて電子レンジに入れる。スイッチを押して、洗面所に向かう。顔を洗おうと冷たい水に触れれば、昨日の仕事で負った傷に染みて思わず顔を顰めてしまった。

電子レンジの音が鳴ったことに気づき、手拭いで顔を拭いて部屋へ。中からコロッケを取り出し、湯呑みに先程沸かした湯を淹れる。寝巻きから仕事着にさっさと着替え、軽く髪を整えて薄く白粉も叩く。時計を確認すれば、予定の10分ほど前だ。

湿気たコロッケを口に入れ、お湯で流し込む。皿と湯呑みを流しに置き、部屋の隅の鞄を手にして扉へ。

「いってきます」

誰もいない部屋に告げた。さあ、今日も仕事だ。

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