某8番出口パロです。
異変に関しては全く違います。ただループ形式が同じだけです(?)
メインは相変わらずの🐒さん。
軽い怪我表現有り
b!とm2o2混在状態
なんでも許せる方のみ先にお進み下さい
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起きたらこの世界にいた。前にえびすがプレイしていた“8番出口”と色々と似ている空間だった。
となると…同じなら異変を探してあれば引き返し、なければ進む…を繰り返すだけか…?
「あ、注意書きある」
【ここで起こることは全て異変です。いかなる事が起きようともそれは異変です。必ず引き返してください。たとえ目の前にご友人がいても…】
「なんか全然違う…とりあえず全部異変ってことだよなぁ…必ず引き返す…か…」
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例の曲がり角を曲がると真っ直ぐな通路に出た。そして、見知った顔が二人いた。
「……あれ、いぬたぬき?ぺんてぃ?」
『あ、えんちょー』
『えんちょうもここに迷い込んだの?』
「え?あぁ、うん」
『そっかー!僕たちも困ってたんだ!』
「そうなのか?」
『うん!』
「何に困ってたんだ?」
『え?』
『えんちょうがなかなか来ないから困ってたんだ』
「は?」
『だって』
『異変を見つけたら…』
“引き返さないとだもんね?”
そう言う2人は手にナイフを持っていた。
「!!」
『いつも僕たちにしてるんだ』
『今日くらいいいよね?えんちょう』
「……くっそ…」
引き返せば…いいだけだ…そう…引き返すだけ…
それなのに足が全く動かなかった。そして、振り下ろされるナイフを俺は眺めていた───
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「!……はぁ、…なん、だ…いま、の…」
夢にしては妙にリアリティだった。刺された感触も…夢とは思えない…それに……。
「い゛ッた…」
刺された場所が痛い。
夢じゃないのは確実みたいだ。
【0番】
「…進めてすらいないか…」
進まなきゃ始まらないから同じ道を通る、するとまたあの2人がいた。もしかして、クリアするまでこうなるのか…?ならここの攻略法はなんだ?近づいた途端動けなくなる…気づかれる前に引き返せば行けるってことか…?その前に同じかどうか確かめるか。痛いのは嫌だけどしょうがない…。
「…いぬたぬき、ぺんてぃ」
『あ、えんちょー』
『えんちょうもここに迷い込んだの?』
「…あぁ、まぁ…」
『そっかー!僕たちも困ってたんだ!』
「へぇ…なんで?」
『ん?だって…』
『君が来てくれないからだよ、ね!』
『そうそう!異変を見つけたら…“引き返さないとだもんね?”』
喋り方に違いはあれど同じモノだと言うことがわかった。また振り下ろされるナイフを見ていることしか出来なかった──
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「……いだっ…ひぃ〜…いたぁ…」
さっきと同じ場所を刺され、傷が広がったみたい。痛みが深刻化してきた…。でも考えがあってるならこれでこの“1”は抜けられる。
「…」
また同じ道を曲がりあの二人をこっちで視認したあと俺は引き返した。そして
【1番】
に進んだ。
「…なんかある」
次に進むと今度は何故か武器が床に刺さっていた。そしてその上にご丁寧に【これは異変ですが武器を取ってから引き返してください】と書いてあった。
「…斧もらっていくか…」
そこに刺さっていたのは剣と斧だった。俺は迷わず斧を手に取り、引き返した。
【2番】
しっかり2番になっていた。どういうこっちゃ。
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その後は心身共に異常をきたすような異変はなかった。そしてやっとの思いで
【6番】
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「…!…またいる…」
ここにきてまたあの二人がたっていた。そしてありえない速度で俺に武器を振りかぶってきた。避けれるわけがねぇだろ…。
目を瞑って斧をできるだけ前にして構えていた。ただいつまで経っても痛みはなかった。
「…?…え?」
誰かが守ってくれていたらしく、目を開けるとそこには…“鬼の俺”がいた。
「は?え?なんで…鬼の…俺が…」
俺の質問に答えるためか2人をあっという間に気絶させ俺に向き直ってくれた。
「…お前…なんで俺を助けたんだ?」
「お前が死んだら俺がそもそも生まれなくなるから」
「…そういうこと…」
「…ここは気をつけた方がいい。思っている以上に危険だ」
「…そうか」
「…いつでも俺は“俺”の力になってやるよ」
そう言って鬼は俺の体に消えた。どうやらいつでも鬼…神様代行の仕事をしている鬼の俺になれるらしい。ちょっと混乱するな…この言い方は。
そしてその後引き返した。
【7番】
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いつも通りの道を歩くと通路に弟が倒れていた。
「…えびす…!?」
俺は弟に迷わず駆け寄った。だって、肉親が倒れてるなんて…怖いだろ。
だけどここは…“異変があれば引き返す場所”だ。だから弟に駆け寄るなんて考えは甘いものだった。
「ぁぐ…ッ…」
俺は倒れていたはずの弟に刺されていた。痛い。
『…ここは異変の空間だよ、兄貴』
『引き返さないとダメだよ、兄ちゃん』
「ッ…」
こんなの…最悪だ…。
薄くなる意識を俺は何とか保ち、足を引き摺って通路を戻った。何故か弟は追いかけてこなかった。
【8番】
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「はぁ、はぁ…ッ…ぅ゛…ぁ…」
刺された場所が痛い。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…。
ここにいつまでもいる訳には行かない、でも…立てない…。歩けない…。痛い…。
手に持つ斧は柄が折れ、使い物にならなくなっていた。勝ち目すらも、無い…。このあと…戦わないなんて…あるわけが無い…。痛いよ…。
…えびす…いたい…いたいよ…おれ…。
……
…
「…兄ちゃん」
「ぅ、ぐ…ッ…、…?」
「ごめん…大丈夫だよ…お兄ちゃんなら出来るよ。だって強いし自慢の兄貴だから」
「…っぇ、びす…」
「だから、頑張って。可愛い弟のためだと思ってさ」
「…っ、…わかった…ありがと…えびす」
何故あそこで弟に助けを求めたのか分からない。でも求めたおかげなのか助けてくれた。感謝しかないな。傷は痛いけどもう行くしかない。俺はここから出ないと行けないから。
見慣れた通路を最近慣れてきた服で歩く。
そしていたのは剣を提げたいぬたぬきと負傷系ポーションを大量に持っているぺんてぃだった。
大丈夫…今なら負けない気がする。
俺は刀を鞘から出し、2人に向けた。偽物にはバイバイしないとな。
俺は先にぺんてぃ…いやニセモノのぺんぎんさんを倒すことにした。回復系を持っていた場合に備えてだ。
なるべく素早く動いて当たらないようにしつつこっちは着実に切り傷を与えていった。だんだんと弱らせて行くのが王道だし…。
「……またこんど」
そう言って俺はニセモノぺんぎんを倒した。ぺんてぃを誘ってまた遊びたいな。
休む間もなくしていぬた…いや…ニセモノのいぬさんが攻撃を仕掛けてきた。疲労もあり1部カスってしまったがこっちの方がリーチが長いため差ができてきた。
「…はぁ、…はぁ…」
普段外を出ない人間…鬼にこの運動はキツかった。そうそうに息が上がってきてしまった。あまり時間をかければ相手が勝ってしまう。ならどうするか。
1発で決めるだけ。
気合を込め、刀に力を集中させる。そうすると不思議なことな赤い光が刀にまとわりついた。どうやら炎らしい。
俺はその光ごと刀を目の前の相手に向けた──
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「……出れた…」
外に出た瞬間どっと疲れが溢れ、家に帰る間もなく俺はその場に倒れてしまった。
視界の端で顔見知りがこっちを見ていた気がした。
「ん…ぁ…?」
「おはよう、兄貴」
「…えびす……?なんで…、…」
「兄貴が倒れる瞬間をみてたんだよ。だから抱えて持って帰ってきた。」
「そうか…そうだったのか…さんきゅ」
「珍し」
「あぁ?」
「なんでもなーい!w」
「あー無意識だったわ…」
「いい事じゃんw」
「あー…もういいわ…」
「また寝るのかよ!?」
その声を聞きながら俺は眠りについた。
平凡な日々が一番だな…。
終
コメント
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ナイフを持って追いかけてくるお二人と言い、怪我している🐵さんと言い、このお話めっちゃ好きですっ…!✨️💞