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ヨーロッパ。
ここも平和が崩れ始めている。
チェコがスロヴァキアを併合したのだ。
国名をチェコスロヴァキアと変え、またソ連の時代のときに奪われた領土も返還を求めた。
ドイツは軍拡をし、イタリアはなんと極右政党が与党を握った。
イギリスは旧植民地であったカナダ・南アフリカ・インド・オーストラリア等と関係を強め、
フランスは経済が落ちぶれ革命の危機に陥った。
ユーラシアは火の入りを始めている。
国際連合も意味を成していない。アメリカは「国際連合の終結」を宣言した。
イギリスは同タイミングで「大英帝国連邦」を宣言。
加盟国は盟主をイギリスとし、カナダ・オーストラリア・インド・エジプト・南アフリカ
ニュージーランド・パキスタンが加盟した。
ドイツはこの大英帝国連邦に秘密の交渉をしている。
2052年、イギリス・ロンドン
「メール首相よくぞいらっしゃいました。」
紅茶をすすりながら、椅子にかけている老人がいる。
「そちらこそ、このような場を用意してくださりありがとうございますエリントン首相。」
空のような目をした若き女性は椅子に腰掛けた。
「それでは…」
「我がドイツは統一を目指しております」
エリントンの言葉を遮った。
「ほほほ、元気なことはよろしいことです。しかし、艦(ふね)と同じくしては駄目ですよ。」
メールは少し考え、
「あぁなるほど、そういうことでしたか。」
何か紐が解けたように理解した。
「我が国は自由を愛します。王による統治を求めます。紅茶を欲します。」
そして、一度息を吸うとまた続けた。
「宝物を片付けます。世界の文化を保護します。戦争を観戦します。」
メールはふふっと笑った。
「我が鉤十字は貴方を食べる気は御座いませんよ。」
「解っています、だから仰っているのです。しかし私はハーケンクロイツを揚げることは許しません。」
茶を注いだ。
「エリントン首相、私は「第二」を復活させます。」
書類を出した。
「我が第二帝国は、貴国に攻撃及び貴国からの攻撃を許さず、恒久なる平和を求める。
以下、この英独帝国秘密条約の内容とする。
・第二帝国への宣戦布告をしない。
・第二帝国は貴国へ宣戦布告をしない。
・貴国はヨーロッパの戦争に関与しない。
・第二帝国との貿易の際、関税をなくす。 」
「了解しました。貴国のビスマルク復活を願いましょう。」