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2064年ドイツポーランド国境。
エンジンの音が鳴り響いた。
時同じくドイツベルリン
「マスコミの皆さん、準備の方よろしいでしょうか?」
マスコミの準備が終わると、メールの優しい顔はまるで紅蓮の炎のようになった。
「全世界に通達します。我がドイツは鉤十字を復活させるためポーランドへ宣戦布告致します。」
矢継ぎ早に記者たちは騒ぎ始めた。
「ドイツは約三十年前起こりましたウクライナ侵攻のようにはならないと宣言します。」
中にはロシア人の記者もいて、
「なにが宣言だ!ただドイツは独裁を復活させようとしているだけではないか!」
と叫び始めた。
「勘違いをしている方々、貴方がたが想像するのは第三帝国であり、私達は第二帝国の復活を祈願
しております。決してヒトラーのような独裁ではございません。」
メールは冷静に言い放った。
こんな言葉で沈むとは思わないが。
「第二帝国というが、結局は帝国!何かと文句をつけて、人を殺して、兵器にするつもりでしょう!」
記者はどんどん活気づいた。
「ここで靴を投げても構いません。ここでどんな暴言を吐いても構いません。
私が精神的に困っても軍の統帥権は皇帝陛下にあり、軍を率いるのは将軍でございます。」
メールは続けた。
「今私は帝国の代弁者のようなものです。貴方がたが何を言おうとも政府の決定を変えるなどできません。
できればそれは内政干渉でございます。私達はSS(ドイツ親衛隊)のような残虐者を許しません。」
ドイツ人の記者は喜び、ロシア人の記者は怒りを込め、その他の記者はある意味ネタになりそうで喜んだ。
前線では突撃ラッパがなるように、エンジンの音と共に進軍を開始した。
耳を切り裂くような銃声、花火のような音を鳴らして家々を破壊する擲弾筒、
空を曇らす戦車の砲撃、耳が聞こえなくなるほどの戦闘機の音。
それでも進軍は続く。
同年12月、ワルシャワは陥落。
当時ポーランドの首相であったオズ首相はこう言った。
「地獄なんてそんな生温い物ではないと言えます。ww2とは違い国民は故意的に殺されないだけ
まだマシと言えましょう。私は銃を持って軍の元帥として最後まで戦いを続けるつもりでした。
しかし、私の部下がこういったのです。
貴方が死んで勝ったとしてもそれは軍にとって国にとって、勝利とは言えません。
とね。私は悩みましたよ。
眼の前で死んでいった我が国民を放置して生き残っても何かあるのかと。
皆さんに知ってほしいのはひとつです。
人々は自分の都合しか考えません。いじめも差別も。もちろん私も。」