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今日は七夕〜。という事で、アヌいばで書いていきます。アヌビス視点
⚠地雷逃げて!アンチお断り
主=茨木童子
「茨木童子〜。今日は七夕だな」
「む!そうじゃな!何か願い事を書くか?」
「それいいな」
今日は7月7日。人間界で言うと、「七夕」という行事がある日らしい。「短冊」とやらに願いを書けば、叶うという伝説があるようだ。正直、信じてはいない。
が、茨木童子が楽しそうなので良いだろう。だが、「七夕」とやらに、感動?なのかは分からないが恋の逸話があるらしい。俺はよく分からないので、茨木童子に教えてもらおう。
「茨木童子、七夕とやらに恋の逸話があるらしいが、内容とかは分かるか?」
「うむ!分かるぞ!そうだ、短冊を書いてみるか?」
まぁ、1000年以上前の平安時代にはいた神だ。当たり前に知ってるとは思ったが、そこは惚れた弱みと言うやつか、「やっぱりよく知ってるな」と思ってしまう。
「どんな逸話だ? 」
「天帝が、よく働く織姫のために彦星という、牛飼いの結婚相手を見つけてあげたのじゃ。じゃが、仲が良すぎるあまり仕事をしなくなっていってな。
天帝は怒り、二人の間に天の川を流して引き離してしまう。そのせいで、織姫は仕事が手につかなくなってしまったのじゃ。それを哀れに思った天帝が、年に一度、7月7日に会うことを許可した。そして7月7日、天の川の間には橋が掛けられ、二人は再会できた、という話じゃ」
俺は、書き終わった短冊を見ながら、そんな話だったのか、と感心した。
「へー。…もし俺が彦星だとしたら、茨木童子は織姫か?俺と離れ離れになったら茨木童子はどうなるんだろうな。」
率直な疑問を投げかける。
「多分、織姫の様に、憔悴すると思うぞ。アヌビスは?」
俺か…俺は、茨木童子と天の川で離れ離れになった状態を考える。
「確か、彦星は牛飼いなんだろ?俺だったら、年に一度なんて絶対に無理だ。
…多分、俺はその牛達を天の川に突き落として、水をせき止めるんだろうな。そして、対岸にいるお前に会いに行く。
牛?知るもんか。お前に会うためなら、俺は何でもするよ。あぁ、もちろんそれだけじゃ済まさねぇ。牛のように、とは言わないが、印をつけたり、首輪を付けたりするんだろうな 」
言い終わったあとで、我ながら重い答えだな、と思った。
「そこまでするのか?余達神にとって、1年など早いものじゃろう」
茨木童子から投げかけられた質問に、俺は答える。
「もちろんだ。神にとって、1年など早いものだ。だが、その中で1日しか会えないんだぞ?それがどれだけ短いか、分からないとは言わないよな?お前がいない1年なんて、俺にとっては100年に等しいんだ。」
そう答えると、俺は茨木童子の首に噛み付く。
「さっき言っただろ?印、つけるって」
そう言うと、茨木童子は顔を真っ赤にしながらこう言った
「ならば、余もアヌビスに印をつけてやる!」
俺はぐい、と引き寄せられた。少し驚きながら身を任せると、首のあたりからちゅ、という控えめな音がして解放される。見ると、少し赤い印が小さくついていた。
可愛いな、と心の中で呟いたつもりだったが、声にも出ていたようだ。顔がみるみる赤くなっていく。
「可愛くなどない!」
仕返しのつもりなのに、と言う顔をしている。精一杯の仕返しがこの世のなにより愛らしく思え、横にチラリと目をやると、茨木童子の願い事が見えた。
「目だてますように」、という願いの横に小さく、
「アヌビスとずっといられますように」
と書いてあった。
「茨木童子、願い事見えてるぞ〜」
そう言うと、茨木童子は願い事をすぐに隠した。本当に可愛いやつだ。
俺は、茨木童子の願いを叶えるべく、茨木童子の上に覆いかぶさった