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湊斗、高校のサッカー部の同級生と飲んでいる。
湊斗と思い出話で盛り上がる、西田圭介(26)と長岡尚也(26)。
湊斗の向かいに座っている野本拓実(26)、泥酔してうつむいている。
湊斗、圭介と尚也に、
(湊斗)「·····あのさ、」
(圭介)「結婚すんの?」
(湊斗)「しないけどさ、いや、するかもだけどさ」
(尚也)「え!? 待って! やだ!」
(湊斗)「やだって何。いいから、聞いて」
(圭介)「青羽さんと結婚とかお前来世消しカスだわ」
(湊斗)「ちょっと何言ってんのかわかんないし。聞けし」
(尚也)「いいなぁー、絶対子どもカワイイじゃん。お前に似ろ」
(湊斗)「俺に似たってカワイイだろ。違う。聞いて。想。想のことなんだけどさ」
(圭介)「·····え、青羽さんからの想の話、だいじょぶ?」
(湊斗)「そもそも紬の話してないし·····想、今どこで何してるか、知らない?」
(尚也)「は? 湊斗が知らないなら誰も知らないっしょ」
(湊斗)「·····だよね」
紬、高校からの友人・横井真子(26)と食事。
(真子)「じゃあ部屋決めなかったんだ」
(紬)「うん·····」
(真子)「戸川くん慎重そうだもんなぁ、そういうの。ね」
ぼんやりしている紬。
真子、様子が気になって、
(真子)「·····紬?」
紬、気づかない。
(真子)「(紬の顔の前で手を叩いて)紬!」
(紬)「(気付いて)はい!」
(真子)「どうした」
(紬)「·····ツチノコ(と弱々しく呟く)」
(真子)「見つけたの? よかったねぇ」
(紬)「見かけたの」
(真子)「ツチノコ?」
(紬)「佐倉くん」
(真子)「·····ん? 佐倉くん? あの佐倉想くん?」
(紬)「あの佐倉想くん」
(真子)「上京してすぐ女つくって即効で紬を振った、あの佐倉想くん?」
(紬)「うわ、傷のえぐり方えぐい·····」
(真子)「へぇ、同じ世界線に存在してたんだ。懐かし。何、なんか話したの?」
(紬)「ううん。見かけただけ。人違いかも」
(真子)「佐倉くんレベルのビジュアルの人違い。へぇ。そのレプリカのほうでいいから付き合いたいわ」
(紬)「·····いや、うん。わかってるよ。私も確信あるよ。察してよ」
(真子)「連絡先·····知らないか」
(紬)「知らない知らない。湊斗も知らないって」
(真子)「じゃあ誰も知らないねー、戸川くんが知らないなら」
(紬)「·····だよね」
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