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最終話 急 〜命の鼓動、最後の選択〜
「命は鼓動だけじゃない」
病院の屋上。朝焼けの空。
搬送を終えたドクターヘリが静かに着陸する。
中島蓮は、処置を終えた手で、空を見上げている。
【藤原大輔】(缶コーヒーを差し出しながら)
「今日は…よくやったな。」
【中島蓮】(微笑み)
「全部がギリギリでした。でも……繋がったんです。命も、自分自身も。」
そこへ佐藤悠真が現れる。もう以前のような孤高の背中じゃない。
少し疲れた顔で、それでも穏やかに微笑む。
【佐藤悠真】
「“正しい”じゃなくて、“信じた”選択をしたんだな。
それが、命を扱う人間にとって、いちばん重い選択だ。」
【中島蓮】(静かに)
「先生に言われた通りでした。
“命を諦めない心”だけが、俺の原点でした。」
遠くから、あのとき救った高校生と少女が、車椅子で搬送されてくる。
母親と手を取り、蓮に小さく頭を下げる。
【ナレーション(中島蓮)】
「救えない命がある。間に合わない現場もある。
だけど──僕らが向き合うのは、
“生きようとする意志”だ。
その鼓動が、止まるその瞬間まで。」
エンドカット:
中島、佐藤、藤原の3人が朝日を背に並ぶ。
ドクターヘリが、静かに次の現場へ向けて飛び立つ──
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