コメント
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最初の罵詈雑言で笑ったし第3部隊はブラックだしつきのは雨音に対する激重感情が素晴らしいですね 愛おしい百合
ここ が 凄い !! ゼッタイ ・ テイジトウコウ ・ デキナイ !!
_筆走 side
『まず、犯人は恐らく”僕”だ』
こんこん、とキャップの付いたままの油性ペンでホワイトボードを叩く。
まるでドラマでしか聞かないような衝撃の発言をすると、看医室に居る全員が各々の反応を見せてくれる。
そう、それだ。
それが見たかった。
月「…っはぁ”??」
雨「えぇ…、?」
足「えほんとに言ってんの?」
茜「変な人だね、」
黒「どうやって死にたい?」
羅「バカすぎるだろお前」
甲「…えっ、」
神「そういうことかい」
ラ「さっすがぁ!!」
『な〜〜んてね、ハッタリに決まってるだろう?』
少々の笑みを口元に残し、ホワイトボードを叩いて説明する。
『さぁて諸君、これから僕のショウタイムを始めとしよう』
羅「調子のんなー」
神「変なこと言うんじゃないよー」
ラ「いつものほうが良いと思いますよー」
『うるさいな』
第3部隊の者から大量のやじを飛ばされる。
別に格好くらい付けたって良いだろ。
『まず雨音クン、キミは紛うことなきクロだ』
雨「…なーんで?」
ホワイトボードにきゅっきゅ、と黒い文字で雨音めあ、と表記し、その上から大きくバツを付ける。
本日の彼女は、どうして気付かなかったのか?という程に不自然である。
当の本人はと言うと、ぎゅ、と強く片手を握りしめ、眉間にシワを寄せている。
全く本当に似合わない表情をしている。
『本当の”雨音めあ”がただの相手に傷を負うと思うかい?』
『それに、僕がハッタリをかけたときの反応がおかしすぎる』
『普段の彼女ならあんな反応はしないはずだ』
雨「、…」
推理した…、というよりは見聞きして分かることをつらつらと述べる。
そうすると、羅生クンや神崎クン、ラチアクンなどと言った、普段から僕の推理を聞き慣れている者たちがへぇ、と感嘆の声を上げる。
『そして次に、宮歌クン』
『今の反応を見るに、キミも恐らくクロだ』
月「、は?」
彼女の黄緑色の瞳がぐらりと揺れた。
また、黒いペンで宮歌月ノとなぐり書き、上から大きくバツを付ける。
宮歌クンはめあクンのことを非常に慕っているため、彼女の名誉が傷付けられるようなことがあった暁には、何もかもを壊して回っているはずだが、宮歌クンは一歩も動きやしない。
『本当の宮歌クンであれば、今この瞬間に、めあクンに飛びかかっている筈なんだよ』
『模倣が甘かったね』
月「…チッ」
羅「おい、これから地道に全員やってく気か?」
『まさか』
『そんな頭の悪いことするわけないだろう』
今から説明するのは数人だ。
『つまり、宮歌クン、めあクンの目撃情報と違う2人…、つまり黒瀬クンと足立クンだ』
『その2人は恐らくシロと見なしていいだろう』
『問題になるのは茜クンだが、言動から察するに彼もシロだ』
『…、羅生クン、神崎クン、ラチアクンは言動からしてシロだ』
『そしてここで問題になるのが甲鳥クン』
『…さてここで一つ、甲鳥クンに質問しようか』
甲「…、はい」
ホワイトボードに問題文を書く。
書き終わったあとに、とんとんとペン先で叩けば、甲鳥クンが眉をひそめる。
『しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛の治療に使用される薬品で最も名前が長いものを答えよ』
部屋に重たい空気と沈黙が流れ、ピリついた殺意が充満する。
甲「…えっと、」
ほら、これだ。
『はいおしまい』
『…正解は、”当帰四逆加呉茱萸生姜湯”』
『本当の甲鳥クンならば即答が可能なはずだよ』
『…だってキミは、このおよそ一ヶ月弱で1000を悠に超える薬品を覚えたのだから』
甲「…、」
そう言うと甲鳥クンが表情を歪める。
『諸君、ご清聴感謝するよ』
ホワイトボードを部屋の隅まで引っ張って行き、ショウタイムは閉幕とする。
インカムで処理班に連絡をし、宮歌クン、めあクン、甲鳥クンを連行して貰う。
彼女たちは、今から尋問でもされるのだろう。
まぁこの星月衆に喧嘩を売ったことが間違えだったな。
羅「おいそこの筆走」
「名推理は素晴らしかったが、仕事サボんなよ」
『…少しくらい休ませてくれ』
神「第3部隊に休みはないさ」
ラ「なんてったって少数精鋭ですからね!」
まだ仕事は始まったばかりのようだ。