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新しい勤め先は、料亭【ミヤマ】。
私はここで、仲居として新しい一歩を踏み出した。
勤めて一ヵ月。失敗もしたけれど、女将さんは厳しいけれど面倒見がよく、ようやく今日から研修期間を開け、正社員として仕事をさせてもらえる。
「ほら、お客様がいらっしゃるわよ」
「はい。いらっしゃいませ」
深くお辞儀をして、お客様が入ってくるのを待つ。
相手は途中まで電話をしていたのか。話しながら暖簾をくぐった。
その声を聴いて、あれ、と思う。
「……ったく、急に呼び出すとはどういうことなんだか。もういい、着いたから切るぞ。……すまない、桶川の名で予約を……」
彼の声が止まる。私もゆっくりと顔を上げた。
ここに勤めていればいつかは会えるだろう。
そう思っていた彼が、驚きの表情と共にそこにいた。
私だってびっくりだ。
まさか、こんなに早く会えるなんて。
相変わらずの整った顔に、傷の後の残る眉毛。
私を上から下まで見て、「は?」と腑抜けたような声を出した。
「いらっ……しゃいませ」
「え? ここに勤めたのか? 聞いてないぞ?」
「今日から正式採用です。深山様、ご予約はございますか? お部屋にご案内いたします」
「ああ。桶川の名で……ああもう、あいつもグルか」
頭をかきむしる深山さんに、笑いたくなりながらも、部屋に案内する。
予約表を見れば、確かに桶川さんの名前で予約されている。しかし彼はまだ来ていない。私は着座を勧めてお茶を準備した。
「桶川さんがいらっしゃるまでお待ちくださいね。……言っておきますけど、私も知りませんでしたからね。多分、高井戸さんと桶川さんがグルだったんですよ。私、ここに勤めたこと、高井戸さんには話していたので」
「あとはうちのババアな」
嫌そうな顔で言うから、笑ってしまう。
「勇気ありますね、深山様。女将が聞いたら大変なことになりますよ?」
「君が言わなきゃいい」
「無理ですよ、私の雇い主は女将ですから」
「だったら」
ぐい、と手を引かれる。湯呑を倒しそうになって、慌てて手を離した。
一度はバランスを崩しそうになった湯呑は、茶托の中になんとか納まる。
鷹槻れん

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鷹槻れん

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#年の差
水無月 京
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#大人の恋
月詠 涼
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コメント
1件
「おお、正社員おめでとう!そしてまさかの深山さんとの再会早すぎでしょ笑 桶川さんと高井戸さんのグルっぷりに笑ったわ。あの「は?」って腑抜けた声、めっちゃ想像できる。湯呑のバランス崩しそうになるところとか、手を引かれてもまだちょっとドキドキする距離感なのが良いな〜。この後の桶川さん登場も楽しみ!」🔥