コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
照がいなくなって半年、
俺の心の中は、
空っぽのままだった。
〈深澤side〉
深 “おはよ、翔太。”
渡 “おはよー。”
深 “朝ごはん作ったよ。
てか、ごめんね、ずっと居候したままで。”
渡 “気にすんな。
いつまででもいていいから。”
深 “ほんとありがとね。
早く部屋見つけるから。”
本当に良い友達を持ったと思う。
照と別れてから今まで、
俺を支えてくれたのは翔太だった。
俺を楽しませてくれたり、
笑わせてくれたり。
この半年間はとても幸せだったけど、
俺は照の事を、忘れられないままだった。
別れてすぐ、照の連絡先や写真を消した。
もう二度と会わないと思っていたから。
でも、日に日に照の事を思うようになり、
会いたくなった。
振ったのは俺だって分かってる。
照に原因があったことも。
でもなぜか、隣が居ない違和感や寂しさに
気持ちが押しつぶされている。
仕事終わり、翔太の家へと帰る道。
残業が長引いて、時刻はもう23時だった。
一応、翔太に電話しておこう。
深 “もしもし翔太?今から帰るね。
先寝てて。”
渡 “俺まだ飯食ってないし、待ってるわ。
気をつけてなー。”
深 “食べてくれてて良かったのに。”
渡 “俺もバタバタしてたからさ。
とりあえず帰ってこいよー。”
こういう所が翔太の優しさだ。
翔太のためにも早く帰らないとな。
電車を降りて、反対側のホームを見ると、
照らしき人が歩いていた。
深 “照、、?”
階段を登っていく照を見て、
俺は咄嗟に照を追いかけていた。
深 “照、、どこなの、、、?”
駅の周りを見渡しても、
照は居なかった。
もう一度、会いたい。
話がしたい。
“お兄さーん。”
深 “…はい、?”
チャラそうな男2人に声を掛けられた。
“超タイプなんだけど、笑
これから俺らと遊ばね?”
深 “俺、男ですけど…。
それに、急いでるんで。”
“そんなんどーでもいいし。
俺らの相手してよ。”
深 “あなた達みたいな人は苦手なんです。”
“は、?
俺らが下手に出れば調子のりやがって。
早く来いよ。”
深 “離してください。”
腕を掴まれ、2人にどこかへ連れていかれそうになった。
深 “やめてください、、!!”
2対1で抵抗することもできず、
怖くなった俺は、
照の名前を呼んでいた。
深 “照、、、
助けて照!!”
その瞬間、
誰かが俺を引き寄せた。
深 “照、?”
渡 “悪ぃ、照じゃねーわ。 ”
深 “翔太、、なんで、”
渡 “これ以上こいつに触れたら警察呼ぶから。
さっさと消えろ。”
“チッ……なんだよ。”
男たちは去っていった。
渡 “ 帰ってくるの遅いと思ったら、
あんな奴に巻き込まれてたんだな。
大丈夫か?”
深 “大丈夫。ごめんね。”
渡 “全然いいけどさ。
なんでここにいたんだよ。
家帰るなら逆の信号だし。”
深 “照がいた気がして。
追いかけちゃったんだ。”
渡 “まだ、照のこと気にしてんのか?”
深 “……ちょっとね。
迷惑掛けてごめん。帰ろっか。”
そう言うと翔太は、
俺を抱きしめた。
深 “翔太、?”
渡 “もう忘れろよ。照のこと。
今回だって照が原因だし。”
深 “今回は俺が悪いんだよ。
俺だって忘れたいけど無理なんだよ。
俺には、照しかいないんだよ。”
渡 “俺がいるだろ。
俺はずっとお前のそばに居る。
ふっかが好きだ。”
深 “本気で言ってる、?”
渡 “本気だよ。
俺にしろよ、ふっか。”
翔太の目はまっすぐだった。
俺は、すぐには翔太の気持ちに応えられなかった。