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月曜日の朝。教室のドアを開けた瞬間、いつもの日常がふわっと戻ってきた。
え「おはよ〜」
の「……おはよ」
のあさんが眠そうな目をこすりながら、私のほうを見た。
の「えとさん、ちゃんと起きれたのえらすぎ〜」
え「のあさんこそ、ギリギリだね」
の「うん、あと2分で遅刻だった」
え「安定すぎる…」
土曜日の文化祭、本番のステージ。
その後の打ち上げと、お泊まり会。
そして、パンケーキと、あの特別な朝。
全部がほんの数日前のことなのに、
こうしていつもの教室にいると、ちょっとだけ夢だったみたい。
う「じゃぱぱー、今日の小テスト範囲、教えて〜」
じゃ「なんだおまえ、自分で確認するって選択肢ないのか」
後ろの席では、うりがじゃぱぱのノートを無言で奪おうとしてて、
ひろが「はいはい、どっちも声出して読め〜」って教科書開いてた。
静かに始まる、ふつうの月曜日。
⸻
1時間目の授業中。
隣の席のゆあんくんが、こっそりメモを私のノートに滑り込ませてきた。
《テスト週間、来週からだね》
《うそでしょ、わすれてた》
《現実です》
思わず笑いそうになって、顔を伏せた。
その後、先生に当てられてうっかり間違えて、また笑いをこらえる羽目になった。
⸻
昼休み。
中庭のベンチで、のあさんとお弁当を広げていると、
じゃっぴがプリント片手に近づいてきた。
じゃ「来週の月曜から、試験週間だってさ〜。つまり、部活なし」
の「ってことは…みんなで一緒に勉強会できるチャンスってことじゃん?」
のあさんの目がキラリと光った。
じゃ「まさか、またうち来る気か?」
う「んー、今度はファミレスでもいいかも〜」
じゃ「え、ファミレス勉強ってほんとに集中できるの?」
う「雰囲気が大事なの!」
わいわい話していると、ゆあんくんが少し遅れてやってきた。
いつも通り、静かに座ってお弁当を広げる。
え「ねぇ、ゆあんくんも勉強会来るよね?」
ゆ「ん。えとさんが来るなら」
そのひとことに、スプーンを持ったままのあさんが止まった。
じゃ「えっ、何今の自然な流れ…」
の「今、えとさんって名前だけ特別感なかった…?」
ゆ「気のせいです」
私も、言葉を返すより早く、顔がちょっと熱くなってしまった。
⸻
放課後。
教室に残ってプリント整理してたら、後ろからじゃっぴの声。
じゃ「なあ、あれからさ、もうちょっとだけ、このメンバーで面白いことしたいよな」
え「え、何それ、急にどうしたの?」
じゃ「文化祭終わったからって、終わりって感じにしたくないっつーか。今がいちばん楽しい気がする」
え「……うん、わかるかも」
あの文化祭が特別だったのは、準備も、バタバタも、全部を一緒に乗り越えたから。
でも今は、それを越えた“続き”の時間が流れてる。
ゆっくりでいい。
でも、もっと知りたい。
みんなのことも、自分の気持ちも。
そして、ゆあんくんがたまにくれる視線の意味も、
もう少しちゃんと、向き合ってみたくなっていた。