コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「まずいこれは…」
うーん…と顔をしかめながら、マジカルシークレット誘惑科、冬熊水梨はスマホを手に取った。
「えーっと…今日は具合が悪いから休みます…っと」
熱を測ってみれば…38度。あ、これやばいやつだ…
まあ、1日寝ていれば大丈夫だろう、と思い、もう一度布団に入る。
「配信もお休みだなこれは…うん。あれ…今日の仕事は殺人だったような…あ」
殺人…ということは、私の代わりに教官が…今度謝ろう。
「お母さんたちもいないし…おかゆでも作るかぁ…」
「はぁ…水梨ちゃん休みかぁ…」
「また配信ですか?」
「ううん。体調悪いんだって。熱があるっぽくて。心配だわ、あの子、一人暮らしだし。そうだ、凪野くんおうちにいってあげてよ」
「なんで俺が?」
「私これから任務なの。住所教えるからー」
「…」
どうしてこんなことに…
ピンポーン
「誰…ですか?って凪野くん…?」
「すみません、突然押しかけてしまい…彩さんに行けって言われたので」
「ごめんね。あ、部屋汚いけど、上がって」
「大丈夫です。寝ててください。失礼します…」
女の子の家に上がるなんて初めてなんですけど。
中に入ると、汚いよと言っていた割には、すごく綺麗だった。
あと、作りかけのおかゆ…
「具合悪いなら寝てた方がいいですよ。俺がおかゆ作ります」
「作れるの?」
失礼な。
「大丈夫です」
と、そんな感じで俺は結局一日中看病をしたのだった。
後日、彩さんからは「同僚の看病も仕事の一環」と言われた。本当にそうなのだろうか…?
あのときはまだ、気がついていなかった。