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俺のバイトはクラブの用心棒みたいなやつ。
普段は入り口で入店チェックをして、なにかトラブルがあったら駆けつけて対処する。
今日も無線のイヤホンを着けながら入り口前に立っていた。
ん……?
さっそくトラブル発生か。
「きゃあー!!」
「いやあっ!!」
ホールの真ん中から女の悲鳴があがる。
見ると豚みたいに太ったドレッドヘアの男と、坊主刈りにしたゴツイのが女二人に絡んでる。
「いいだろ?一緒に来いよ」
「やだよ!離して!」
バチン!!
ドサッ!!
「言うこときかないと痛い思いするよ~」
「おい。止めろ」
坊主頭の肩を掴んだ。
「ああ~なんだあ?てめえ?誰に向かって言ってるのかわからねーなあ~」
「おまえだよ」
グイ!
耳を掴んで引き寄せた。
「あぎゃあ!!いててっ…!!」
「おい。聞こえるか?」
「て、てめえ!離せ!クソが!!」
グイッ!!
「あぎゃあ~!!」
耳を掴む手を軽く捻った。
「おい。聞こえてるのか?」
「は、はい、聞こえてます!」
「他の客に迷惑だ。今すぐ出ていって二度と来るな」
「な、なにい!?」
グイ!
「あだだだ…ひいっ!!」
「おまえなにか勘違いしてないか?自分の立場わかってるのか?」
「は、はい!わかりました!二度と来ません!!」
耳から手を離すと坊主頭は痛みでうずくまった。
「大丈夫ですか?」
殴られた女性の方へしゃがみこむ。
「ぬぐぐぐ……ガキがあ~調子に乗るんじゃねえ!!」
「人様のナンパを邪魔しやがってーー!!」
ドレッドと坊主頭が後ろで叫ぶ。
「危ない!!ナイフ!!」
女が後ろを指差して叫んだ。
「おらあ!!」
振り向きざまに後ろ回し蹴りをナイフ片手のドレッドに入れた。
「ぶぎゃあ!!」
ドレッドが坊主頭にぶつかり、二人そのまま床に倒れる。
「まだやるのか?」
「ああっ!!暴王!!こいつ暴王の千葉だ!!」
坊主頭が叫んだ。
「ほんとうだ!!」
ドレッドも相槌を打つ。
「うるせえよ。さっさと店から出て行け」
「は、はい…!!!」
「すんませんでした~」
媚びるような表情をしながら起き上がると、男二人は出て行った。