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第三十一章 境界がほどける夜
亮平💚「良い子だね……翔太、自分で脱いでご覧」
心臓が早鐘を打つ。
胸の上で握っていた拳を恐る恐る開いた。
一番上のボタンを外す。
亮平はずっと見てた。
優しく翔太の髪を梳きながら。
恥ずかしいはずなのに、視線は逸らせず、亮平の瞳の中に映る翔太を見つめる。
〝ユキ〟なのか〝ショウタ〟なのか
瞳の中の翔太は、何故か苦しそうだった。
責められてる訳でも、急かされてる訳でもないのに。
手が震えて、怖かった――
――怖い?
初めてだから当たり前だ。
優しく撫でる亮平の手は安心するのに、体はカタカタと震え、亮平を困らせた。
バツの悪そうに笑った亮平は〝無理に頑張らなくていいよ〟そう言って静止しようとした。
また、拒まれた――
翔太💙「……だいじょうぶ、だから」
亮平💚「分かった……ゆっくりでいいよ」
コクリと頷き、ふっと息を短く吐いた。
翔太は言われるがままに、シャツを脱いだ。
自分の意思でそうしてるはずなのに、違和感だけが、残った。
亮平💚「俺のも脱がせて」
翔太💙「えっ……おっ俺がするの?」
指が、止まる。
亮平💚「だめ?」
柔らかく、笑う。
断ってもいい、とでも言うみたいに。
翔太の胸に手を置いた亮平は、〝すごい緊張してる〟そう言って笑うと、そのまま翔太の手を取り、自身の頰に擦り寄せた。
亮平💚「綺麗な手だね」
亮平💚「できる?」
翔太💙「……うん」
両手で一つ一つ、亮平のシャツのボタンを外していく。
開いた襟の隙間から亮平の素肌が露わになり、思わず視線を逸らした。
逸らした先のドレッサーの鏡に映る、上裸で横たわる翔太。
鏡の中の自分が、他人みたいに見えた。
羞恥に耐えられなく、思わずシーツを掴んだ。
翔太💙「やっぱり……」
亮平💚「やめる?」
一拍。
亮平💚「それも間違いじゃない」
亮平💚「翔太が決めるんだよ」
怖いのに、抗えない。
逃げたいのに、行き場がない。
安心するのに、怖い。
誰の感情なのかも、分からないまま――
伸ばした腕。
途中までボタンを外すと、一気に肩からシャツが落ちた。
間違いなく、――自分の意思で。
肌と肌が触れ合う。
温かい亮平の頰が、翔太の頰と重なって首筋に顔を埋めた亮平は、軽く歯を立て吸い上げた。
翔太💙「ンッ」
触れられた瞬間、思考が、途切れた。
息が、詰まる。
さっきまでの“怖い”が、どこかに落ちていく。
触れられたところから、じわじわと、
なにかが、ほどけていく。
亮平の舌が上へと這い耳の中を舐め回す。再び胸の上で硬く握られた拳は、力が抜け、だらりとシーツの上へ下ろされた。
翔太💙「んあっ……はっ……」
股の間に割り入った亮平の膝が、わざとらしく翔太の秘部を擦り上げる。
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亮平は翔太が反応するたびに終始楽しそうだった。
力の入らなくなった腕はいつの間にか頭上で組み敷かれ、キスを交わすと、隙間から侵入した舌はねっとりと翔太の舌を捉えて離さなかった。
息も絶え絶えで、全ての思考を奪っていく。
その間もずっと亮平の膝は秘部に刺激を与え、否応無く体は反応した。
体に走る感覚に、抗えない。
――違うのに。
そう思うほど、なにかが、剥がれていく音がした。
その音が、やけに大きく響いた。
剥がれていく。
なにが――
分からないまま、亮平の指が、頬に触れる。
優しいはずのその手が、どうしてか、逃げ場を塞ぐ。
亮平💚「ちゃんと見て」
低く、落ちる声。
顎をすくわれ、視線が絡む。
逃げられない。
〝ユキ〟
――違う。
〝ショウタ〟
どっちだ。
どっちでいればいい。
考えようとした瞬間、唇が、重なる。
深く。
逃げ場を奪うみたいに、思考が、沈む。
亮平💚「いいよ」
耳元で、甘く落ちる。
亮平💚「ちゃんと、選べてる」
――選んだ?
俺が?何を?
分からない。
でも、体はもう、戻れないところまで来ていた。
シーツを掴んでいた指が、きゅっと強くなる。
逃げるためじゃない。
――離れないために。
無意識に、亮平の腕に、触れていた。
確かめるように、縋るみたいに。
その瞬間、亮平が、わずかに笑う。
亮平💚「ほら」
指が絡め取られる。
逃げ道を塞ぐみたいに。
亮平💚「やっぱり、離せない」
その言葉通りに、体が、答えてしまう。
――違うのに。
そう思うほど、境界が、ほどけていく。
亮平の手が、背をなぞる。
ゆっくりと、確かめるみたいに。
息が、乱れる。
腰に手が回されると、ゆっくりとズボンのファスナーが下ろされていく。思わず亮平の手を取り、首を左右に振った。
怖くて……声が出ない。
亮平💚「大丈夫」
低く、囁く。
翔太💙「ダメっ……」
首を傾げて色っぽく笑った亮平。
絞り出した翔太の声。
翔太💙「……やっぱり無理」
亮平💚「そうかな?」
鼻に手を当てクスッと笑ったその冷ややかな顔は、嘲笑を含んでいる様に見えた。
――選ばされてる。
そう気づいた時にはもう遅くて、露わになった秘部に顔を埋めた亮平は、花茎の先端に優しくキスをした。
亮平💚「ちゃんと、気持ちよくなるから」
その一言で、最後の何かが、崩れた。
そのまま、何も考えられなくなる。
次第に固くなる花茎の先端を、音を立てて舐め上げられ、腕を伸ばし抵抗すると亮平は上昇し、低く、冷ややかな声で耳元に囁いた。
亮平💚「選んだでしょ自分で……ちゃんとできるよね?」
翔太💙「違う……ちがうったら」
亮平💚「違わない」
亮平💚「ほらちゃんと見て、気持ちよさそうだねショウタ」
顎を取られ、鏡に映るショウタを見た。
赤く色づいた体。
頰は紅葉し与えられる快感に体が、反応している。
抗えないまま、受け入れ、崩れていくショウタの姿がそこにはあった。
翔太💙「ンンンンッ……ダメっ……あっ……」
触れられるたび、なにかが塗り替えられていく。
――やめたいはずなのに。
そう思うほど、体は、正直だった。
流れ溢れた愛液をジュルジュルと吸い上げるイヤラしい音が、部屋に木霊した。固く勃ち上がった花茎を、愛おしそうに根元まで咥えた亮平と、ベッドで揺蕩うショウタの姿。
亮平の名を呼びかけて、飲み込む。
代わりに、漏れたのは、
「……せんせ……」
掠れた声。
それだけで、亮平の動きが、わずかに止まる。
亮平💚「……いいね」
低く、笑う気配。
亮平💚「その呼び方」
耳元で、囁かれる。
逃げられない距離。
亮平💚「ちゃんと、分かってきた?」
答えられない。
でも、体が、答えてしまう。
びく、と小さく跳ねる。
亮平が、それを見逃さない。
亮平💚「ほら」
優しく、でも確実に、逃げ道を潰してくる。
亮平💚「もう戻れないよ」
その言葉が、すとん、と落ちる。
抵抗しようとした何かが、音もなく、消える。
亮平の指が、頬に触れる。
優しく、逃げ場を塞ぐように。
亮平💚「ね」
視線を、逸らさせない。
亮平💚「好き?」
問いかけは、あまりにも、軽くて。
逃げ道があるみたいに聞こえるのに、逃げられない。
翔太💙「……っ」
喉が、詰まる。
違うって言いたいのに、言葉が、出てこない。
亮平💚「ほら」
少しだけ、笑う気配。
亮平💚「簡単でしょ」
指先が、唇に触れる。
なぞるみたいに。
亮平💚「言ってごらん」
思考が、うまく回らない。
でも、このまま黙っていたら、離れていかれる気がして――
翔太💙「……すき」
掠れた声。
それだけで、空気が、変わる。
亮平の目が、細くなる。
亮平💚「いいね」
低く、満足そうに。
亮平💚「じゃあ――」
逃がさないように、額が触れる。
亮平💚「愛してる、は?」
さっきよりも、深い場所に触れてくる。
息が、詰まる。
――違う。
でも、何が違うのかも、分からない。
翔太💙「……わかんない」
小さく、落ちた声。
逃げでも、拒絶でもない。
ただ、本当に――分からない。
亮平は、一瞬だけ、動きを止める。
それから、ふっと、笑った。
亮平💚「そっか」
優しい声。
でも、そのまま終わらせない。
顎に触れて、視線を合わせる。
亮平💚「じゃあさ」
低く、落ちる。
亮平💚「今のこれ」
指先が、体をなぞる。
逃げ場を塞ぐみたいに。
亮平💚「ちゃんと、自分で選んでる?」
――ドクン。
心臓が、大きく鳴る。
逃げたいのに、離れたくない。
怖いのに、抗えない。
どっちも、本当で――
翔太💙「……えらん、でる」
震える声。
その瞬間、亮平が、笑った。
亮平💚「うん」
満足そうに。
亮平💚「いい子」
そのまま、引き寄せられる。
亮平💚「もう戻らなくていいね」
耳元で、甘く落ちる。
そして、ほんの少しだけ間を置いて――
亮平💚「一緒に、堕ちようか」
――ドクン。
心臓が、大きく跳ねる。
ひとりじゃない。
その言葉だけで、“怖さ”が、形を変える。
亮平の腕が、閉じ込めるみたいに絡む。
でも、拒めない。
亮平💚「大丈夫」
低く、囁く。
亮平💚「ひとりにはしない」
――ああ、
そうか、怖かったのは、ひとりになることだった。
翔太の指が、シーツから離れる。
代わりに、亮平の腕を縋るみたいに掴む。
亮平が、わずかに笑う。
亮平💚「ほら」
指が絡む。
亮平💚「やっぱり、離せない」
そのまま、距離が消える。
亮平💚「一緒なら、怖くないでしょ」
――ずるい。
そう思ったのに、否定できなかった。
そのまま、全てを預けるみたいに、力が抜けた。
再び花茎に触れた亮平。
亮平💚「そのまま、流れて……イキナ翔太」
翔太💙「ンンンンッ!……」
一気に上下に扱かれ快感が昇っていくのを感じる。
熱がそこに集まり、先端から溢れ出る愛液を吸い上げるように咥えた亮平の口内に白濁が放たれた。
目尻を下げ翔太の頭を撫でると〝上手にイケたね〟と額にキスをした。
亮平💚「じゃあ――」
少しだけ、息を整えてから。
亮平💚「今度は、翔太の番」
優しく、そう言って笑う。
拒める余白を残しているのに、その目は、逃がさない。
亮平💚「できるよね」
問いかけは、あくまで柔らかく。
でも――
もう断れないことを、知っているみたいに。
亮平💚「跪きなさい……いい子」
顎を掬われ、頰に優しく触れた手が、亮平の熱茎と誘われていく。
好きなら当たり前にできる事……?
考えるより先に押し入るように侵ってきた。
間違いなく自分の意思で開けられたのに、何故か押し挿られた感覚が抜けなかった。
うっとりと上から見下ろした亮平。
亮平💚「しょうた、可愛い」
翔太💙「気持ちいい?ちゃんと出来てる?」
亮平💚「んっ……上手にできてるよ。もういいから離して」
亮平💚「そのまま四つん這いになって」
不安そうに瞳を揺らした翔太は、半歩下がった。
亮平💚「いや?」
翔太💙「顔見えないの……怖い」
また――拒まれる?
不安からか亮平に近づくと腕を掴んだ。
亮平は、掴まれた腕を見下ろした。
そのまま、ふっと力を抜く。
亮平💚「……そっか」
小さく、息を吐く。
亮平💚「顔、見えないと怖いんだ」
責めるでもなく、ただ、確認するみたいに。
翔太の指が、離れない。
亮平は、その手をほどかずに、軽く撫でた。
亮平💚「無理しなくていいよ」
その言葉は、やけに優しくて。
――でも。
亮平💚「今日はここまでにしよっか」
あっさりと、引く。
その温度差に、翔太の呼吸が、わずかに乱れる。
離される――
それだけで、さっきまであった熱が、一気に、遠のく。
翔太の指が、無意識に、強くなる。
離したくないみたいに。
亮平は、少しだけ目を細めた。
亮平💚「……どうしたの?」
試すみたいに。
翔太💙「ダメ……」
離された、はずなのに。
体が、まだ熱を覚えている。
さっきまで触れられていた場所が、じんわりと残っていて――
消えない。
息が、うまく整わない。
シーツの上に落ちた指先が、行き場を失ったまま、動けない。
さっきまであったはずのものが、急に、なくなったみたいに。
胸の奥が、すう、と冷えていく。
「……せんせ」
呼んだつもりはなかった。でも、声が零れていた。
返事は、すぐに来る。
亮平💚「なに?」
いつも通りの、落ち着いた声。
変わらない。
何も、なかったみたいに。
その温度差に、胸の奥が、きゅっと締まる。
違う。
無意識に、亮平の腕を掴む。
離れたくない。
理由なんて、分からないのに。
亮平は、一瞬だけその手を見て、ふっと、笑った。
亮平💚「……どうしたの?」
優しい声。
でも、どこか、試すみたいに。
亮平の手が、そっと重なる。
包むみたいに。
亮平💚「……かわいいね」
その一言で、胸の奥が、じわっと満たされる。
――ああ。
これだ。
さっき、足りなかったもの。
言葉にならないまま、翔太は、ゆっくりと堕ちていく感覚があった。
「……せんせ」
声が、震える。
うまく、言葉にならない。
離されたくない。
指が、勝手に動く。亮平の腕を、強く掴む。
翔太💙「……いかないで」
かすれた声。それだけで、十分だった。
亮平の目が、すっと細くなる。
亮平💚「……そっか」
低く、落ちる声。
そのまま、指が顎にかかる。
逃がさないように。
亮平💚「じゃあ――」
ほんの少し、笑う。
亮平💚「ちゃんと繋がる?」
――ドクン。
心臓が、脈打つ。
意味なんて、ちゃんと分かってない。
でも――
翔太💙「……うん」
小さく、頷く。その瞬間、亮平の視線が、変わる。
亮平💚「もう戻れないよ」
確認じゃない。宣告みたいに。
亮平の腕を離せない……もうそれが答えだった。
指が、奥へと侵入する。
亮平💚「力抜いて?……上手だねすぐに気持ち良くなるから」
翔太💙「ンッ……待って」
亮平はずっと翔太の手を握って離さなかった。
強張っていた身体は、しだいに熱を帯び亮平の指を飲み込んでいった。グチョグチョと中を掻き回され、だらしなく空いた口からは雫が垂れた。
翔太💙「ンンンッ……はあっもう……ムリっ」
亮平💚「翔太気持ちイイ?」
翔太💙「気持ちぃ……だからもう」
亮平は額に軽くキスすると〝頑張ったね〟と言って頭を撫でた。うっとりと見つめる翔太に亮平は〝完落ちしちゃってる〟とクスッと笑った。
亮平💚「最後にもう一回頑張ろうね」
そう言って後孔に押し当てた熱茎。
翔太💙「きっ、キスして先生。手繋いで!」
亮平💚「繋がったら全部叶えてあげる。ちゃんと見てな」
翔太は、両手で枕をギュッと掴んだ。ゆっくりと侵入してきた熱茎が、ミチミチと後孔を押し広げて挿入ってくる。
痛みや恐怖から涙が溢れ出て止まらなかった。
翔太💙「せんせっ……やだぁ助けて」
亮平💚「あらあら大丈夫?俺を見てご覧」
不思議と亮平を見ると安心できた。
背中を抱き寄せ背中を摩ってくれた。唇が重なり、隙間なく密着すると快感が押し寄せ声が漏れる。
翔太💙「ンンンッ……あっ……はあっ………あん」
亮平💚「なんて可愛いの……もう少し頑張ってね」
翔太💙「せんせぇ……気持ちいい」
亮平は、翔太の手を取り結合部へと触れさせた。
亮平💚「繋がったね」
亮平💚「もう一人じゃないよ」
その言葉に、息がほどける。
――ああ、よかった。
そう思ったはずなのに。
その“安心”が、どこかおかしいことに、気づけなかった。
戻る場所が、もう、どこにも見つからなかった。
離れようとしても、もう、どこを離せばいいのか分からなかった。
翔太💙「ンンンッ……亮平先生……すき」
言った瞬間、
堪えきれないみたいに、腕が動いた。
逃がしたくない、みたいに。
確かめるみたいに。
ぐっと、亮平の背に回る。
離れたら、消えてしまう気がして。
翔太💙「……やだ……」
自分でも、何が“やだ”なのか分からないまま、
ただ、しがみつく。
指先に、力が入る。
絡め取るみたいに。
亮平の体温が、そこにあるって、確かめるみたいに。
離せなかった。
――離したくなかった。
離れたはずなのに、
指が、また、亮平を探していた。
触れた瞬間、
ほっとしてしまう自分が、怖かった。
――だから、
そのまま、もう一度、
深く、繋がっていった。
どこまでが自分で、どこからが亮平なのか、分からなくなる。
押し戻そうとしても、もう境目がない。
熱が、奥へと沈んでいく。
引き上げようとしても、もう、戻らない。
痺れるように甘く、
優しいはずの亮平の腕の中で
深くベッドに沈み込んでいった。
「亮平先生……ずっと一緒?」
「――翔太が望むなら」
それからのことは、よく覚えていない。
ただ、途切れ途切れの熱と、名前を呼ばれた気がして、それに応えた気がして――
気づけば、すべてが終わっていた。
コメント
5件
めっっっちゃいい!!!!! 職場が電波死んでて、夜まで読めないからヤダ😖

数日の予定が1週間投稿できなかった😭ごめんなさい😔今後もちょっと🐢🐢🐢投稿になると思います💦なるべく毎日投稿できるようにしたいと思っているんだけど