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izw×fkr
リク作品「出られない部屋」
izw視点
Slackに連絡がきた。
伊沢さん、ふくらさん、至急撮影部屋に来てください
アイコンが見慣れない。
でも、新入社員かもしれない。
特に深く疑いはせず、撮影部屋に向かう。
ドアを開ける。
その瞬間、意識が朦朧とする
目が覚めた時、俺は見知らぬ部屋にいた。
全面が白い。
隣を見るとふくらが転がっている。
『おい、ふくら、起きろ』
ふくらを揺する。
福「ん、ここどこ?」
『俺も分からねぇ』
『撮影部屋に入ろうとしたら意識が薄れていって………』
そのとき、モニターが光る。
“本音を言うまで出られない部屋”
お互いの本音を言うまで出られません
『なんだよ、これ…』
『おい、出せよ!』
壁に近づいてドアを探すが、見つからない。
福「多分これ、ガチなやつだよ。」
『はぁ、なんだよこれほんと。』
次第に部屋が暑くなってくる。
テレビの収録終わりでスーツを着ていた俺は、たまらず上着を脱ぎ、ネクタイを緩めた。
ふと、ふくらの方を見ると、顔が赤かった。
『大丈夫か、ふくら』
福「うん、大丈夫、」
そうは言うものの、顔が火照っているようだ。
顔を覗き込むと、露骨に顔を顰める。
『なんで………、』
福「そうやってさ、誰にでもそんなことしてるんでしょ? 」
『ぇ………?』
福「皆んなにそうやって。」
fkr視点
知らない部屋で目覚めた時、スーツを着ている伊沢が何処か遠く、眩しく見えた。
今は、もう手の届かない所に居る、そんな気がした。
伊沢がスーツの上着を脱ぎ始めた。
ネクタイを緩め、ボタンを外す。
チラリと見えるネックレスが色っぽくて。
今、顔が赤いのは。
部屋が暑いのか。
それとも、彼の所為なのか。
伊「大丈夫か、ふくら」
伊沢は、無意識だろうが、屈んで覗き込んでくる。
その拍子に、開いた襟の奥に、引き締まった身体が見えて、顔を顰める。
そうやって、無自覚に人を惹きつけて。
“誰にでもそんなことしてるんでしょ?”
“みんなにそうやって。”
#クイズノック
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貴方は残酷な人たらし。
伊「俺のこと意識してんの?」
伊沢が笑う。
昔と同じように、でも大人っぽくて。
そして、何処か儚くて、消えてしまいそうだった。
伊「俺だって、誰にでもこんなことしてる訳じゃないんだけど。」
気がつくと俺は伊沢に手を伸ばしていた。
伊「何?本音、言う気になった?」
伊沢が微笑む。
その笑顔を見ていると、誤魔化していたものまで全部見透かされてしまいそうだった。
それでも、言葉にするのが怖かった。
ずっと隠してきた。
隠していれば、今まで通りでいられると思っていた。
けれど。
この部屋から出るには、本音を言わなければならない。
それなら――。
『俺、伊沢が好き。』
伊「俺も。」
その一言と同時に、モニターの文字が消えた。
カチリ、とどこかで鍵の外れる音がする。
伊「ドア、開いたな」
「出ようぜ。」
伊沢が俺の手を掴んで指を絡める。
まるで最初から、決まっていたように。
本当に、貴方は狡い人だ。
izw視点
計画通り。
単純接触効果。
会う回数が多ければ多いほど、人は相手に親しみを感じやすくなるし、意識する。
だから、なるべく君の近くにいた。
話しかける回数を増やした。
隣に座ることも、わざと増やした。
少しずつ、君のパーソナルスペースにも入り込んだ。
最初に好きになったのは俺。
振り向いて貰う為に、心理学について学んだ。
全部、君に意識してもらうため。
そして――
ようやく、君は俺を選んだ。
ようやく、君は俺のものだ。
もう、離さない。
コメント
6件

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ好きです なにこれ勉強にもなるし尊いって一石二鳥じゃないですか 天才ですね愛してます()
ああ、なるほど。このエピソード、構成が面白いですね。ふくら視点での「無自覚な人たらし」と、ラストのizw視点での「計画通り」のギャップが効いてる。単純接触効果を学んで、わざと距離を縮めてたって…狡いけど、そこまで計算して好きになってもらおうとした執念、すごく伝わってきました。鍵が外れた後の、絡めた指が「最初から決まってたように」って描写も好きです。