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第19話
あらすじ
若井は大森に化かされるように、沼の底へと潜っていってしまう。
それでも若井は、大森の全てを受け入れようと足掻いていた。
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若井は大森がやろうとしている事を察した瞬間、下を両手で覆った。
「ちょ、と…元貴」
つい名前を呼ぶと、大森の口角が上がる。
目付きが、まるで狐のように鋭くなると喉を鳴らすように笑った。
「く、ふふ…」
若井は目を見開くと緊張のあまり、少し震えた。
このまま大森に食べられるかもしれない
そんな考えが頭をよぎる。
「…わかい」
大森が若井の名前をゆっくりと呼ぶ。
変な汗が若井の額から流れた。
「手、どかして?」
「どかしたら…なにすんの」
若井は下を隠している手を片方だけ動かして、大森の肩を掴んだ。
さらに、大森の身体を押し戻すように腕に力を込める。
大森は上目遣いで若井を見つめた。
長いまつ毛が、整った目元を際立せる。
「…舐めてあげる」
その言葉に若井の下腹部が、ぞわりとした。
羞恥心が霧の様に消えそうになるのを何とか防ぐ。
駄目だ、 抑えろ
若井は頭の中で唱えた。
さっきから、何故か大森が暴走気味だ。
自分だけでも冷静を保たないと行けない。
若井は少し上擦った声で大森を制した。
「本当、汚いから
シャワーとか…浴びてないし」
「うん」
大森が頷く。
若井は大森の言葉の続きを待った。
しかし大森はそれ以外は何も言わずに、若井を見つめ続けた。
若井も救いを求めるように、大森を見つめ返す。
沈黙が痛い
しかし、大森は救いの言葉を投げるつもりは無いようだ。
むしろ大森は、肩を押し返している若井の手を取った。
そして追い込むように、ぎゅっと握る。
柔らかい手のひらの感触に、葛藤が溶けて行く。
若井は、ついに沈黙に耐えかねて口を開いた。
「…だ、だから」
若井は大森の目を見れないまま話を続ける。
今、顔を見たらまずい事を口走りそうだ。
「元貴…嫌、でしょ?」
「ううん」
大森が再び即答する。
若井は頭の中で逃げ道を探すが、どれも塞がれているように感じる。
若井が氷のように固まっていると、大森が下を隠している手をふわりと掴んだ。
そのまま、手を横に退かされる。
しかし、それでも若井は抵抗も出来ずに大森の唇を見つめた。
大森の唇が動くと柔らかい声で言う。
「大丈夫、怖くないよ
優しくするから 」
大森はそう言うと、口を下を近づけた。
吐く息が届きそうになった時、若井は耐えきれず地面に座り込んだ。
「っ…」
驚いた大森が、後ろに身を引いた。
若井は大森の表情を見れないまま、低い声で言う。
「…やめよう」
若井の肩に触れていた大森の指が、ふっと離れた。
若井は、その手を掴むことも出来ないまま俯く。
二人の間に冷たい沈黙が流れるが、お互い何も言わないまま数秒が過ぎた。
ふいに、若井の頭に何が柔らかいものが、当たる。
「え、」
驚いて、それを手に取るとそれは 若井が着ていたシャツだった。
「…え?」
シャツを確認した後に、大森に目線を移す。
すると大森は、氷のように冷たく突き刺すような視線を若井に向けた。
若井は一瞬で心が縮んでいくのが分かった。
大森が口を開くと、呆れたように言い放つ。
「さっさと服 着て、帰ったら? 」
さらに、眉間にしわを寄せると吐き捨てるように言った。
「嘘つき」
若井は頭が真っ白になった。
今まで大森から、これ程の敵意を向けられた事が無かったからだ。
どうにか許してもらわないと
それだけが頭に浮かんだ。
「元貴…違うよ?
嫌ってわけじゃ」
若井は正しいのかも分からないまま、許しを乞うための言葉を吐いた。
大森が、若井の言葉を遮るように言う。
「若井、本当に僕のこと好き?」
「う、うん…すき」
若井は、こくこくと頷いた。
「なにが、どこが?」
若井は、息を飲むように口を閉じた。
思いつかなかったからではない。
むしろ、多くの選択肢が浮かんだ。
この中で一番正しい物を選んで応えたい。
そして出来れば、独りよがりに見えない物を
その二つの感情が、若井の返答を遅らせた。
大森は、そんな若井の様子を見て寂しそうに微笑んだ。
「無理して答えなくていいよ
嘘つかれるくらいなら、」
「違う」
今度は若井が言葉を遮った。
体裁を守っている場合じゃない
若井は心の底の想いを伝えようと覚悟した。
「…好きとか、そういうのじゃない」
若井は、ぽつぽつと話を続けた。
「たぶん…そういうの、もう超えちゃって」
話をしながら大森に、目線を投げる。
しかし、泣きそうになったので目を逸らした。
「元貴は、俺の全部で…」
大森に何かが伝わったのだろう。
再び、若井の前に腰を下ろした。
「だから、元貴が笑ってくれれば
それでいい…し
幸せだって思って欲しい 」
若井は、言い終わってから大森の表情を見た。
大森と目線が合うが、大森は何かを考えるように目線が下に流れた。
すっと息を吸うと、大森が若井を見つめる。
「その気持ちは…嬉しいけど
それって若井の幸せはどこにあるの?」
若井も大森に目線を合わせる。
「俺は…元貴が幸せって思うなら、幸せ」
大森が首を傾げると、眉間にしわを寄せて言う。
「そんなわけないじゃん」
「そんなわけあるんだよ」
若井がすぐに言葉を返すと、大森は何故か恨めしそうに若井を見た。
そして、ゆっくりと顔を振ると呟いた。
「うそだ」
若井からしてみれば事実だ。
嘘と言われても困惑してしまう。
若井の頭の中に反論の言葉がいくつか浮かんだ。
しかし、大森の謎の気迫に押されて言葉を飲み込む。
大森が若井に顔を近づける。
じっと観察をする強い視線に、若井の心が震えた。
その視線が一層強まると、大森が口を開く。
「じゃあ、僕の幸せのためなら何でもして」
若井は気がついたら、頷いていた。
脅しのような言葉を使われたのに、若井は微かに喜びを感じていた。
何故か、この言葉を待っていたような感覚になる。
「うん、分かった」
大森が右手の小指を若井の顔の前に持って行く。
「約束」
若井は口角を上げると、大森の小指に指を絡ませると再び頷いた。
一方、藤澤はその様子を少し離れたソファーから見ていた。
自分が口を挟んでも、湯ノ内が大森の弱みを握っている限りは意味がない。
だが流石に、この状況に対する苛立ちがコップから溢れそうだ。
しかし、ここで自分が苛立ちを放出をしてしまえば、さらに混乱を招くのは目に見えている。
藤澤は、苛立ちを抑えるために親指の爪を弾いた。
でもやっぱり、むかつく
藤澤の心に一番の苛立ちを与えているのは、湯ノ内の言葉ではなく若井の言葉だ。
“ 壊れてもいい
元貴が一緒に居てくれるなら何でもいい “
大森とミセスの話をしている時、正直にこう言った若井を見て
藤澤は、耐えられずに傷ついた表情をした。
わかってたけど
やっぱり、若井にとって俺はおまけなんだ
この時間は藤澤にとってはきつく辛いものだった。
二人はお互いに唯一無二で “守るべきたった一人”
まるで、その証明を見ている気分だ。
それで、いつも余るのが俺
そう思うと子供のように、いじけたい気持ちになる。
でも、藤澤は理解してる。
それでも、二人は藤澤を同じように扱おうと努力してくれている事。
だから、余計怒れない。
だって、しかない。
本当の気持ちは溢れちゃうものだから
何となくでも伝わって来るけど、自分は気づかない振りをするしかない。
なんか、人間関係って難しいな
藤澤がひっそりと涙ぐんでも、誰も気がつくことは無かった。
その頃、大森は結んだ小指を離すとにっこりと微笑んだ。
許して貰えたのかと安心して若井も笑い返す。
すると大森は、その笑顔のまま独り言のように呟いた。
「破ったら本当に針でも飲まそうかな」
若井が微かに身体を強ばらせると、くすっと大森が笑う。
「…流石にそこまでしないけど」
大森が若井の肩を掴むと、ぐっと後ろに押した。
若井は押されるまま、床に寝転んだ。
困惑しながらも、大森の表情を観察する。
対して大森は、何食わぬ顔で若井のお腹の上にすとんと座った。
「う、」
若井は、つい呻き声を上げる。
大森が、ぱっと顔をあげると気遣うように聞いてきた。
「あ、重い?」
「…ううん、大丈夫」
若井は目線を右に逸らした。
目に毒というのは、こういう事かもしれない。
大森が若井の上に足を開くように座ったので下半身がしっかりと見えた。
若井は一瞬だけ見てしまい、それが頭から離れない。
さらにお腹に当たる感覚が、それの生々しさを際立たせた。
若井は唇を噛み締めたが、言うことを聞かない下半身が少し浮き立つ。
「…ふふ、」
大森が息を漏らすように笑う。
「なんか当たってんだけど」
「…ごめん」
若井は、耐えられずに顔を両手で覆った。
いくら何でも反応が早すぎる。
せめて、後五分くらいは耐えて欲しかった。
あまりに耐久が少ないので、そういう経験が無いと誤解されないか不安だ。
「その…」
若井が羞恥心を薄くするために、口を開くと何かが若井の下を撫でた。
「っ、」
若井は飛び跳ねると、顔を覆っていた手を外して状況を確認した。
すると、大森が若井のお腹の上に手を置いて腰を浮かせている。
そして自分の股間を若井の下に擦り付けるように、ずるっと動かした。
「は、」
若井は、驚きで息を吐いた。
体温が一気に上がると、さらに下半身が立ち上がるのが分かる。
大森の瞳が若井を見つめると、じりっと光る。
「…気持ちい? 」
若井は素直に頷いた。
「う、ん」
大森が嬉しそうに微笑むと、腰が妖艶に動く。
若井はとうとう好奇心に耐えられず、目線を大森の腰辺りに落とした。
若井よりも小さく感じるそれが、整えられた毛で少し隠れている。
大森が腰を引くと、お互いの下が擦れ合う。
「…く、」
若井は、心が一杯になって天井を見つめた。
完全に許容出来るラインを超えている。
大森が与える、少し物足りない快感。
そして何よりも普段の態度からは想像も付かない程、色気のある姿。
若井は何かが弾けそうだった。
もっと触りたい、挿れたい
それ以外考えられなくなりそうだ。
その時、下に与えられる感触が少し変わった。
若井が息を荒くして見ると、大森の下半身も形を保ってきている。
それが擦れると物足りなかった場所が、こりこりと刺激された。
「っは、あ」
若井は耐えられず、大森の腕を掴んだ。
それでも物足りない
太ももが震えると、下腹部から不快感が湧き上がった。
「どうしたの?」
大森が身体を倒すと、耳元で囁いた。
若井は涙で潤んだ瞳を大森に向ける。
「…も、もっと」
大森の目が細くなる。
若井は、手のひらで転がされている事を自覚しながらも大森に縋った。
「もっと…触って」
「いいよ」
大森が、若井の下を潰すように腰をぐっと前に動かした。
若井も耐えられずに腰を動かすと喘ぐ。
「うぅ…ん」
さらに追い詰めるように、大森は下の先を指でぎゅっと潰した。
若井の身体が弾かれたように跳ねる。
「く、ぅ」
「若井」
大森の声がする。
若井は涙で滲む視界で、大森を見つめた。
「ちゃんと教えて、どこが気持ちい?」
大森の親指が、下の裏筋をくるっと撫でる。
若井は甘い吐息を吐いた。
「ぁ…」
「ここは?」
大森が間髪入れずに聞いてくる。
若井の思考が、とろりと溶けていく。
「き、きもちい…」
大森の指が、先端に移動する。
そして、先を爪で弾くように擦った。
「う゛!!」
若井が唸る。
「…これは?」
若井は息を震わせながら、必死で頷いた。
しかし大森は、ねっとりとした口調で聞いてくる。
「…なに?ちゃんと答えて」
そう言うと、下の先をぐりぐりと潰した。
若井は、耐えられず叫ぶように答える。
「あ…あ!きもちい!!」
大森の下が、一段と 立ち上がると若井の下を強く刺激した。
若井が、腰を浮かすと喘ぐ。
「ん゛、う」
大森は、若井が快感を逃がせないようにお互いの下を両手で包んだ。
その状態で、腰を動かす。
「これは?」
「ぁ゛あ!!」
若井は腰を跳ねさせながら、喘いだ。
「…ぅ、いきそう!!」
突然、若井が限界を宣告した。
「あ、そう」
大森はそういうと、若井の下の尿道を親指で抑えた。
「いいよ、いきな?」
若井が頭を激しく振ると、叫んだ。
「う、うう゛!!もとき!!」
「あっははは!!」
大森が耐えきれずに高笑いをした。
瞳は爛々と輝いていて 誰の目から見ても、若井が苦しむ姿に興奮しているのは明らかだ。
楽しそうな大森とは対照的に、若井は涙を流しながら懇願した。
「も、もとき…お願い」
大森が腰の速度をゆっくりと落とす。
しかし若井は物足りなさに、余計気が狂いそうになった。
大森が、甘い声で囁く。
「…なんで?
僕が幸せなら若井も幸せなんでしょ」
若井が首を振ると、喉から嗚咽が漏れる。
「う、うぅ…」
大森は若井の顔に手を伸ばすと、指で口角を上に押し上げた。
「ほら、笑って?」
大森がそう言うと、若井は泣きながらも何とか口角を上げた。
「あはは…」
それを見た大森も満足そうに微笑む。
「ねぇ、若井?」
大森の指が、若井を慈しむように頬をなでた。
「楽しい時に一緒にいるなんて誰でもできるでしょ
いいチームを目指すなら、苦しい時こそ相手を思いやれる忍耐力がないと」
大森の腰が再び、ゆっくりと動く。
「ね、そういうの
若井はちゃんと分かってるよね? 」
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まじでこの話が私の生き甲斐です、!毎話楽しみにしてます!
元貴くんが攻めだと元貴くんしか出せないドス黒さが味わえて最高です🤤充電1%で見れるかなーって思ってたら全部見れました笑 今急いでコメ中です笑 涼ちゃん目線はそうだなって思いながら切なくなりました😵💫3人幸せになって欲しいですね🙄💭
もっくんが上に立ってる感じと緊張感がとても良い、、、💕涼ちゃんの久々の登場も嬉しいし、続き楽しみにしてます!✨