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俺は今、酷く後悔している。あんな発言なんてしなければ良かったと。
遡るほど数刻前。今日はきんときの家でサシ飲み。サシ飲みと言っても、酒を飲むのは俺だけ。
まぁ、何せきんときの酒耐性はザコだから。
そんな彼のお供はコンビニで買ったちょっと高めのジュース。
フッ軽な俺らは前日に飲まないか?なんて連絡を取り合うのだ。
前日だから良さげな居酒屋とか探せる時間がある訳でもなく…。
まあ、そんなもんで、俺の最寄り駅から4個ほど離れたところにある彼の家がちょうど良さげなサシ飲みの会場となった。
リビングにあるローテーブルを挟んで向かい合って、胡座をかく。本日の酒の肴はコンビニで買ってきたおつまみときんときの話。
話とはつまり、付き合っていた恋人と別れたこと。
なので今日のサシ飲みは実質的にはきんときの失恋慰め会。
一通り話は聞いたものの、詳しく気になるし、慰めてやりたかったからってので今回、宅飲みすることにした。
彼の口が開いて次々に知らない話が口から零れていく。なんだかそれに嫉妬して、聞いているのも少し辛かった。
一通り話し終えて、その口が閉ざされた後、バトンタッチして俺の口が開く。
nk「今回は短いんだね…。もしかして3ヶ月も経ってない?」
いつもならもっと長いスパンで付き合っているのに、なんて不思議に思う。
というのは建前で、本当は嬉しさでいっぱいだった。学生時代からずっときんときに想いを寄せているのだが、タイミングを逃してしまってまだ伝えられてない。
”付き合ったよ”、そんな一言の報告でどれだけメンタルが抉れたものか。はたまた、”別れちゃった”、その一言でどれだけ救われるかも彼はまだ知らないのだ。
そんなんだから、今の俺は上機嫌。語尾が上擦って喜んでいることがバレないか不安でしかない。
そして酒の進むペースはいつにも増して早い。度数は低いチューハイなものの、もう酔いが回ってきそうだ。
kn「まぁね…。ノリで付き合ったから。」
そう言うときんときはあはは、とため息混じりの重たい苦笑いをこぼしてコップに入ったジュースを一気飲みする。からんころんとガラスに打ち付けられる氷の転がる音が心地いい。
どうやら告白したのは相手から。そしてきんときには叶わない恋のお相手がいるらしいく、気持ちを紛らわすため、その人を忘れるために付き合ったようだ。
nk「でも、特に短くない?」
kn「そう?」
nk「うん。なんかもっと長いイメージある。」
勝手な俺のイメージになるけど、もっと硬派で一途。遊びってよりも真面目に、真摯に相手と向き合う、そんな彼の像がそこにはあった。
そんな言葉たちで彼を構成していたから今回の話を聞いて、ものすごく衝撃を受けたのを覚えている。
それに、忘れられない人がいるっていうのも。というよりこれが1番大きい。
ああ、もう叶いっこないんだな。って実感してまた感傷に浸る。
nk「でもなんで振られたんだろうね?」
きんときと言えば、
なんやかんやいって思いやりがあって、優しくて。
それに、怒ったところとか見たことないし。
例え俺が迷惑かけたり、子供っぽい一面を見せたりしても大人な対応をしてくれる、そんなヤツ。
だからこそ、何故振られるのか、理由がまったく検討もつかなかった。
kn「うーん、やっぱり半端な状態で付き合ったからじゃない?」
kn「それに、他に思い当たる節がいくつかあるんだよね。」
また鉛のように重たい苦笑いをこぼして頬を人差し指でかく。あまり思い出したくないのか、その思い出たちを蓋をしておきたいかのような反応だ。
nk「へぇ…。じゃあ当ててみようか?」
きんときもこの話題にはあまり乗り気でないし、何より楽しい話では無いから、普段ならここで切り上げるはず、だけどアルコールが入ってしまった身体、陽気になってしまった俺の口は止まらなかった。
nk「刺激が足りなかったとか?」
良くありがちな別れる原因になりそうなヤツ。と言っても恋が実ったことなんてないから分からないけど。
あまりにもスキンシップがなかったとか、そもそも一緒に過ごす時間が楽しくなかったとか。
kn「というと…?」
nk「えっちが下手…みたいな?」
アルコールの回った頭で制御出来るわけでもなく、まあなんとも触れにくい、センシティブな話題を突然ぶっ込む。半分は好奇心、そしてもう半分は冗談でからかうために聞いた。
控えめに口角を吊り上げて笑いが綻ぶ俺に対し、きんときはぽかん、と魂が抜けたかのような呆気にとられていた。
kn「…Nakamu、ちょっと飲み過ぎなんじゃない?」
アルコールの回った頭で制御出来るわけでもなく、まあなんとも触れにくい、センシティブな話題を突然ぶっ込む。半分は好奇心、そしてもう半分は冗談めいて彼に問う。
nk「酔ってないし…。それでどうなの?」
本当は自分でも分かってるくらい、酷く酔っている。頬は紅潮して、滑舌も怪しくなってきているし。
kn「どうなのって言われてもね…。」
駄々をこねる子供と、その子供を目の前にし、困り果てる大人の構図が浮かび上がってくる。
言葉の歯切れが悪い様子からは困って、答えを口にするのを躊躇っていることが伝わってきた。
nk「絶対そうじゃん。」
冗談半分、ケラケラと笑いながらきんときを揶揄う。アルコールが体内を巡っているせいで陽気になって、テンションが上がってしまっている俺の反面、彼はというと…。
kn「…じゃあ、試してみる?」
少しの沈黙の後、その言葉を吐いた。初めは理解できなかったが、きんときの言葉を合図にぐるんと反転する視界。そして手首に圧迫感を感じる。
nk「あ…え?」
対面にあった彼の顔が今では真上に、影を落としてる。手首を押さえつけられる、逃がさないようにと。押し倒された、なんて理解するまで時間を要さなかった。
kn「手加減しないけど、大丈夫?」
煽り煽られあいの果て、三日月のように口角を吊り上げた彼の笑みが印象的だった。
彼に好意を寄せている俺にしては絶好のチャンスでしか無い。
nk「もちろん、そのつもりだし。」
良く漫画で出てきそうな、ありがちなセリフを吐いて誘惑してみる。更に欲情を誘おうと、顔のそばにある腕に頬を擦り寄せた。
目が合えば口角を吊り上げて、笑みを浮かべてみせる。三日月様のように高く吊り上げた口角が落ちる様子は無かった。
****
熱に浮かせられて、連れられたのは寝室。着いてから、間髪入れずにベッドに押し倒されて沈み込む。
真上には想い人がいて、更にその人の普段使うベッドの上に押し倒されている。こんな夢にまで見たこの状況は心臓が破裂しそうなほどの緊張でどうにかなりそう。
身体を強ばらせて緊張している俺を見かねたのか、きんときは頭を撫でて安心させようとする。こういうところが好きなんだよなぁ、なんてしみじみと実感して胸の奥底から熱が上がった。
nk「…きす、する?」
kn「うん。したい。」
その言葉に首を縦に振って頷けば、大きな暖かい手が紅潮した頬に触れる。もうこの際になれば、どちらの熱か分からない。
そして、唇が重なって影が落ちる。何度も角度を変えて、啄む優しい口付け。
そして、舌で閉ざされた唇を無理やりこじ開けて絡ませ合う。
こんなの、初めてで上手く呼吸出来ない。酸欠で頭がクラクラしそうになって、彼の肩を叩き、離してと主張する。
俺の様子に気がついたのか、離れる唇。二人の間は銀の糸で繋がる。それは時折てらてらと反射して光を零していた。
kn「…なかむ下手だね。」
nk「うるさいっ…」
息が上がっている俺に対して「ふふっ」と控えめに笑っているきんとき。図星を突かれたことが悔しくて、控えめに唇を尖らせて、ぷくり、と頬を膨らませて拗ねる。
ちゃんと恋愛が成就したことなんて、1度もないし、こんなことするのもきんときが初めて。
nk「ねぇ、早くちょうだい?」
挑発的に、彼の首に腕を巻き付けて誘惑してみる。酒が入っているのと、好きな人を目の前にしていることに、昂揚して恥ずかしさなど忘れていた。
その言葉でまた塞がる唇。今度はやや乱暴に。
無理矢理舌をねじ込み、上顎をなぞるそれ。
互いの唾液を交換して混ぜ合わせるこの行為、水音までもが聴覚を犯していた。
再度唇を離せばまた唾液が2人の架け橋に。アルコールの所為かもしれないが、顔は照って蕩けきっている。
kn「もう身体触ってもいい?」
いよいよ始まるんだ、と意識すればするほど恥ずかしさが高まっていく。それに耐えられなくなって視線を逸らす。頬を熟れたリンゴのように真っ赤にして、言葉の代わり控えめに頷いた。
心做しか緊張でカチコチに固まっていた身体が少しリラックスしてほぐれたみたいだ。
衣服を捲って肌と肌が触れ合う。大きなその暖かい手。触れたところがゾワゾワと鳥肌が立つ。
下腹部から腰のラインを沿って優しい手つきで撫でる。
kn「服脱がすからバンザイして」
そう言ってきんときは俺の身体を起こして服を脱がそうとする。真っ向からそう言われると、気恥ずかしく思えたので控えめに手を斜めに挙げた。
衣擦れの音と一緒に服が上へ上がっていく。それと共に肌が外気に触れる面積が増えて急な温度変化から鳥肌がたつ。
kn「ガチガチじゃん。緊張してるの?」
nk「違うしっ…してないから!」
きんときは俺の硬直した身体を見て少しでも緊張を解きほぐそうとしてくれている。まるで石像かのように動きが硬い。服を脱ぐので精一杯だった。
kn「それならいいんだけど…。下もいい?」
その言葉に首を縦に振る。そうすれば、ボタンを外されファスナーを下ろされ、ズボンが下へ下へ向かった。
nk「…あのさ、俺だけじゃ恥ずいんだけど。」
顔に熱気を纏わせながらそういえば、少し驚いた表情を見せたきんとき。そして着ているTシャツを1枚脱いだ。
鍛えている訳では無いのに引き締まっている薄っぺらい上半身が顕になる。ごく、っと生唾を飲んだ。
kn「ねぇ、触ってもいい?」
nk「…どこを?」
意地悪しようとわざと聞いてみたが、イマイチ効果はなかった。逆にそれを利用して仕返しを喰らう。
kn「こことか、ここ?」
胸の突起を掠めたり、下腹部を撫でたりする冷たい指先。体温で溶けようとしてじんわり熱を奪っていく。それなのに余計に熱が高くなった気がした。
nk「っ、ん…やだ」
突起を掠める冷たい指先から与えられる新たな感覚が怖くて、きんときの手首を掴んだ。
kn「ダメ?」
じっ、と目の奥を見つめて許しを乞うきんとき。そんな瞳で見つめられたらいいえと断ることも出来なくて
nk「……ダメじゃない」
と、首を控えめに横に振った。
胸の突起をわざと避けたりきわどい所を指でなぞったりと焦れったい動きをする。「触って」とオネダリしたら口角を少し上げて喜んでいた。
外気に触れ、散々焦らされたので胸の突起は痛いぐらいに立っていた。
nk「んっ…ぁあ♡」
ちゅ、っと突起を吸ったりぐっ、と強く押し込んだり。大きな快感の波が身体を攫っていった。
その間、逆の手でぺたぺたと横腹、下腹部を撫でる手つきがいやらしい。
kn「こっちもいい?」
そう言ってきんときは骨ばった指で下着のラインをなぞる。
それが恥ずかしくて、言葉が喉が詰まってしまったのでうんうん、と首を上下に動かした。
kn「腰浮かせて」
両手をベッドに沈みこませて浮かせ、下着を脱ぐ。
kn「気持ちよかったの?」
含み笑いを浮かべながら訊ねるきんとき。散々胸の突起をいじられたので、モノはもう既に半立ちで芯を固くしていた。
nk「っ!…うるさい」
穴があったら入りたいとはこのこと。顔に血潮が集中していくのが身に染みてわかる。熱を帯びた顔はヒーターみたいに熱を放っていた。
kn「触るね…。」
既に半立ちのモノにそっとふれて扱き始める。潤滑剤になるようにときんときは自身の唾液を垂らしていた。切っ先に垂れてくる生ぬるい唾液が刺激となって質量が増す。
nk「きんときっ!それ、すきっ♡ん”ッ♡♡」
ぐちゅぐちゅと水音を立てながら、早くしたり遅くしたりと扱くペースを変える。親指の腹でぐりぐり、と亀頭を撫でたり、人差し指と親指で輪っかを作ってカリを引っ掛けたりと、刺激を与えられてあっという間に果ててしまった。白濁液をきんときの手のひらの上に吐き出す。
nk「え!ちょっ…」
イッたばかりで呼吸が浅くなっているのにも関わらず、きんときに押し倒された。
kn「ごめんね。俺も限界だから…」
とだけ言い捨てて先程吐き出された白濁液を後孔に塗りたくる。そしてゴムをつけた人差し指をナカヘ侵入させてきた。
nk「っあ、まって…」
異物感がふつふつと湧いてくる。ナカも指を押し出そうと動くが、指は傷をつけないように配慮しつつ奥へ奥へ進んでいく。
kn「痛くない?」
掠れた声でうん、とひとつ返事をする。そうしたら、きんときは安堵感を身に纏っていた。
nk「っあ”、やだっ♡んん…なんかっ、へん」
ぴりっ、と電流が走るように快感が全身を駆け巡る。指の腹で押しているところが気持ちいい。ぐっぐっ、と強い刺激を与えられて、おかしくなってしまいそう。
kn「ココ、好きなの?」
先程よりも強い力でぐっ、ぐっ、と押してくる。
nk「や”、んんぁ♡♡それ、やめっ」
きんときの腕を掴んで止めるように言うが、制御不能でただ刺激を与えられる。先程まで与えられていた快感とはまた違って、背筋がゾクゾクとする。ナカもきんときの指を離さんばかりにぎゅうぎゅうに締め付けていた。
kn「ねぇ、指増やしてもいい?」
nk「え、…やっ、んんっ!?」
きんときの質問に返答する間もなく指を増やされる。今度はナカでばらばらに動いてトントン、とさっき気持ちが良かった場所を叩く。
nk「ひ”っ…なぁっ♡っ〜〜!」
足をピンっと伸ばして快感を逃がそうとしたが、逆効果で逆に快感を得やすくしてしまった。
急所である腹を仰け反って、ただ快楽に貪り着く。大きな快楽の波が引き寄せて攫ってく。2回目にしては色が濃い白濁液をまた腹の上に吐き出した。
はぁはぁ、と息を方で呼吸して落ち着かせていると、
kn「もういいよね?ごめん」
と言われこちゅっ、と下から新たな感覚を味わった。
nk「っ?!い”〜〜〜!!♡♡」
その感覚を理解する頃には理性など吹っ飛んでいた。ごちゅ、こちゅ、と一定のリズムを保つストローク。ずちゃずちゃと潤滑剤と白濁液が混じって水音を生じている。ぱちゅ、と肌同士がぶつかる音や律動の度に軋むベッドの音が生々しい。
nk「はっ、ん”〜〜っ!♡♡きんときっ、きんとき♡」
カメラのシャッターを切るかのように何度も彼の名前を呼んだ。首筋に腕をかけてしがみついて縋って喘ぐことしか出来ない。名前を呼べばきんときは微笑んで答えてくれた。どうやら彼にも余裕はないらしく、口数が減っている。
kn「…気持ちいい?」
nk「きもちいいっ♡♡もっとちょうだい?」
縋るように答えれば、ナカで質量と硬度が増していた。
nk「あ”、ぁあっ♡♡っん”…」
緩く浅いストロークがきんときが果てるためだけの動きに変わった。奥を無理矢理突いて抉る。切っ先が奥から離れんと言わんばかりに奥を虐めた。腰に手形が残るんじゃないか、と思うぐらい強く掴まれてぐっぐっ、と引き寄せられる。肌同士がぶつかる音も水音も先程より大きく派手になっていく。
nk「っ!?い”〜〜〜〜!♡♡」
視界が白黒にチカチカして反転する。はっ、はっ、と犬のように浅い故宮。生理的な涙で潤んだ目元にみっともなく足をぴんっ、とゴム平のように張っている。
腹を仰け反ってただ快楽に貪り着いた。大好きな人に抱かれている事実を噛み締めて。
そして盛大に腹にまた白濁液をぶちまけた。熱い欲望が互いの腹にドロっとまとわりつく。
kn「っ…ん、イクっ」
少し遅れてきんときもナカで果てた。びくびくと震えてゴム越しに白濁液を吐き出している。奥に熱い欲望をかけようとするばかりに腰をピッタリとくっつけていた。
nk「ねぇ、ずっと前から好きだったよ。」
何度も果ててだるさを見に纏った身体。その言葉を最後に意識を手放した。最後に見えたのは赤く紅潮して動揺しているきんときだった。