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今日は金曜日。明日は休日で仕事も学校も休み。誰もが浮かれ上がるこの瞬間。そんな様子とは裏腹に俺の気持ちは沈んでいた。
sh「……はぁ……。」
仕事終わり、2人がけのソファーに深く腰かけて大きなため息をひとつこぼす。誰もいない部屋に大きなため息は溶け込むように消えた。
最近、俺にはひとつの悩み事がある。
それはきんときと生活リズムがまるっきり合わないことだ。
きんときの仕事の方が繁忙期に入り夜遅くまで仕事をし、家に帰ってきたらすぐに寝て出社ギリギリに起きて支度する。
家に帰ってくる時間は当然俺が寝ている時間で。帰りを待ったことがあるが、あまりにも遅くて寝落ちしてしまった。
その一方で俺は普段通りの生活リズム。朝は6時に起きて定時に退社。帰宅してからは家事をこなして次の日に備えて早めに寝る。
そんなもんだから、まともに会話を交わすのも、起きている時の彼の姿を見るのも、身体を重ねたのもずっと前。
ただ、寂しさが募っていく。寂しいと言ったら彼の仕事の邪魔になってしまうから言い出しようがない。
それに、繁忙期はもうすぐ抜け出せるとか言っていたし。もう暫くの我慢。と無理矢理
自分に言い聞かせた。
このまま座っていたら、あれこれ考え出してしまう。そのような予感がしたので、身体を動かそうと思い、鉛のように重たい体を無理やり動かして溜まっていた洗濯物や夕飯の支度をした。
※※※
真夜中、寒さでふと目が覚める。目元を手で擦り、薄らと目を開けるとどうやら、布団がずれていた。
隣を見てみると寒さのせいか、背を向けて布団にくるまって寝ているきんときがいた。
気が付かないうちに帰ってきていて、隣で寝ていた。きっと彼なりの配慮で、起こさないよう静かにしてくれていたのだろう。
布団を取り返そうとするが力強くて思ったように取り返せないでいると、彼は寝返りを打って仰向けの体勢に。
それまで掴んでいた布団を手放し、自由になった彼の右手。寒さを凌ぐためという建前で、彼の懐に忍び込む。起こさないように恐る恐る。
久しぶりに触れた人肌。懐かしさを感じる彼の高めの体温。身体に熱を帯びていくのが感じられる。
自由になった彼の右手と俺の左手を絡める。大きく厚みのある骨ばったその手。
頬擦りをしたり、互いの手を重ねて大きさ比べをしたり、彼の身体に触れる。
身体の奥の方で熱を帯びていくのを感じる。
彼で満たしたい。ただそれだけだった。
別に、そういう欲が全くなかった訳ではなく、多少なりともそれはあっただろう。
魔が差した、とでも言い訳しようか。既に脳は色欲で支配されていた。気がついたらもう布団を剥がして彼の上に跨っていた。
上から見る彼の寝顔。規則正しい寝息に安らかな寝顔。
普段とは違う景色で、支配しているような気分に陥った。ゾクゾクっ、と背筋に支配欲が走り、ゴクリと喉を鳴らす。
身を屈めて、彼の顔の横に手を着く。そして、頬や唇にキスを落とす。
スキンシップを自分からすることはあまりないので、恥じらいが足枷となって躊躇いを産んでしまうが、今は彼が寝ているので普段より躊躇無くすることができた。
半開きの唇を無理やりこじ開けて舌をねじ込む。すると口端から吐息がこぼれる。
彼の舌先と自身のを絡めれば互いの唾液が混ざり、粘着質な音が聴覚を犯す。背徳感が身を襲う。
彼の目は閉ざされたままであったが、時折吐息が漏れた。唇を離すとつう、と唾液が2人の唇を繋ぎ、てらてらと反射する。
親指の腹でその唾液を拭いとる。
口付けをしてもなお、未だに規則正しい寝息を立てて眠る彼の足元へ移動する。
足と足の間に入って身をかがめる。
寝間着のズボンと下着をまとめて下にずらす。硬度のない男根は見慣れないので、新鮮に思えた。柔らかい男根に手を伸ばし、顔を寄せる。視線を彼の顔の方に向けたが、未だに起きる気配はなく、静かに眠っている。
寝ている彼を襲うことへの背徳感を纏う。
が、そんなものは興奮へ形を変えていく。
今更怒られることなど気にしていない。ただ好奇心と興奮で脳が支配されていた。
硬さもなく濡れていないそこへ舌を伸ばす。
kn「……んっ…」
すると、彼は身体を一度ぴくりと震えさせ声を漏らしたが、瞳は閉じたままだった。
彼が起きるのではないかとすこし驚いて、手を離したが、起きる気配がなかったので、続行することにした。
亀頭から飲み込んで唾液を絡ませる。粘液で扱いていくうちに、段々と硬度と熱を持つソレ。口に含みきれないところは手で、それ以外は歯を立てないように慎重に。
裏筋に沿って舌を這わせたり、敏感な先端を舌先で刺激したり。すると、吐息が漏れ出す。
普段自分から進んで奉仕することなどあまりないので、拙くておぼつかない手つきの口淫で彼が感じていることに喜びを覚える。その喜びで胸が沸騰するように熱かった。
理性は既に熱で溶かされてただ、色欲と本能が脳を染める。そのせいで、受け入れることを知った胎の奥が疼いて仕方がない。
ベッドの横にあるサイドチェストの1番上の収納から使いかけのローションを取り出す。
蓋を開けて手のひらにドロっとしたそれが広がる。ローションを手指に絡ませて後孔に這わせて捩じ込む。
sh「っん、……あッ ♡」
今後の展開に期待して勝手に収縮する胎内。ぐちぐち、と粘着質な水音と共に指を飲み込んでいく。
繁忙期が終わりかけてること、明日が休日であることから久々に身体を重ねられることを少しばかり期待して、風呂場で解かしていた。
そのためナカは綺麗に洗ってあるし、すぐ繋がれる。なので挿入の際に肉壁が傷つかないように潤滑油としてそれを壁に塗りたくるようにナカで指をバラバラに動かす。
自分の指では届かない奥が熱を欲している。もう殆ど理性など残っていなかった。本能のままに動いていた。
彼の腹に手をついて跨る。膝に体重をかけて身体を起こす。
片手で彼の昂ったそれを動かないよう固定して自身の後孔に宛てがい、ゆっくりと腰を下ろしていく。
sh「…っ〜〜〜♡んっ…はぁッ♡」
久々の感覚に、指とは比べ物にならない質量。そして充実感をこの身で余すことなく享受する。
脚を横に開いて、両手を後ろ側へつける。そしてゆっくりと腰を下ろしていく。ある程度進んでいけば、あとは自重でのめり込んでいった。
胎内を裂いて奥へ進む質量のあるそれ。ふーっ、と息を吐いて呼吸を整える。切っ先が胎内の最奥まで繋がるよう、腰を下ろし肌と肌を合わせ、彼の体温を感じる。
ごくり、と喉を上下させ唾液を飲み込んだ彼の姿が視界の端に映る。脊椎に電流のような快楽が走って全身に伝播する。
sh「…っん、ふッ♡…あッ、んんっ♡」
挿入してから、ナカの形が彼のモノの形に沿うようになるまで待ってから、擦りあげるようにゆるゆると腰を上下させる。
しかし自分の気持ちいいトコロを上手く当てることが出来ず、どうすればいいか戸惑い、腰の上下動きを止める。
1度抜いて体制を立て直そうと彼の腹に手をついて腰を上げる。
kn「……もう終わり?」
声のする方に視線を移すと、寝ていたはずの彼が目を覚まし、口角を吊り上げながらそう呟いていた。
驚きと罪悪感で声が出せず、あっけらかんと気を取られていると、離れていく腰を離さんとばかりに強く掴まれ、いきなり奥深くまで再び挿入される。
sh「…え”、あっ?!…っ”〜〜〜♡♡」
下から肉壁を掻き分けて奥を突いて抉られる。先程までとは打って変わった硬度と熱を帯びたソレ。
突然の事で驚き、パチパチ弾けて、ショートする視界。パクパクと酸素を求める金魚みたいに、口を開け閉めするのを繰り返す。声にもならない、みっともない喘ぎ声を口から漏らす。
kn「あーあ、めちゃくちゃ蕩けてるじゃん(グチュッグチュン」
快楽に堕ちて思考を放棄した脳。ボーッとして成すがまま過剰な快楽を享受する。
彼の言うとおり、受け止めきれない量の愛情を貰いキャパオーバーになって蕩ける。そして、腕に力が入らなくなって、彼の胸の上に寝そべる。
すると、今までベッドのシーツが見えていた景色から天井が映る景色に変化し、攻守が切り替わる。
sh「…っ、あ”ッ♡きんときぃ…もっ、むり♡」
目元は涙でうるみ、口は空きっぱなしで唾液がこぼれる。汗や涙などの体液でぐしゃぐしゃの顔。紅潮した頬。そんな事など意識の範疇外。ただ、熱に思い浮かされる。
腰を浮かせて足を伸ばして、顔の横にある彼の腕に縋って果てる準備をする。
kn「うん。いいよ(パチュッパチュン」
早まる律動にはしたなく声を漏らす。何も考えられず、過剰な快楽を享受する。奥を執拗に抉ったり角度を変えて前立腺を掠めたりする切っ先。
sh「ん”ぁッ♡…ん、い”ッ〜〜〜!♡(ビクッビクンッ」
脳天を貫く一筋の快楽。背筋に沿って駆け走り、全身に電波していくその快楽に思考を奪われ、みっともなく口をあけて、言語化できない喘ぎ声と唾液を零した。
腹の上に白濁液がこぼれ落ちて果てる。
涙と体液で顔はぐしゃぐしゃ。涙で潤んだ視界で、彼の顔の輪郭も曖昧に。
目の焦点がはっきりしないで、息をあげ、顔は真っ赤で、意識はボーッとする。疲れ果ててしまい、もう眠ってしまいたかった。
kn「ん、上手にイけたね。」
優しく微笑んで、頭を撫でる彼。快楽に呑まれて疲れた俺の事を案じて律動を止めてくれた彼であったが、まだ満足出来ていないように思えた。
kn「……しゃーくん、ごめん」
突然謝ったかと思えば、また熱をナカにねじ込む。今度は本当に余裕がなさそうで、息遣いが荒く、普段よりも声が低くなっていた。
sh「…あ”、え?……ん”ん”ッ〜〜〜!!」
弱々しい力で彼の腕を掴んで、下からの律動に喘ぎ声をこぼす。先程と然程変わらない勢いで奥を突く。普段なら気遣って辞めてくれるところ、自分の欲のために、自分が達するためだけに腰を振るその姿に酷く欲情した。
kn「俺、まだイけてないからもう少し付き合って。」
いい事なのか、悪い事なのか明日は休日。まだまだ夜は長い。
後のことはよく覚えていないが、目が覚めたら後処理が済んであったこと、声が枯れていたこと、身体が鉛のように重たかったこと、身体中に彼の所有物だと言わんばかりの赤い鬱血が散りばめられていたことから酷く、骨の髄まで愛されていたことは身に持って実感した。
そして、酷くしすぎた。ときんときから何度も謝られ、身体が上手く動かせないことを理由に身の回りの世話をして貰った。ベッドの上から離れることはなかったが、こんな1日も悪くない。