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今回もとても面白かったです!! 水面鏡に映ってるの誰だろ…
“252事件”
其の言葉に私は無意識に身体が強張った。嗚呼、そうだ。怖いんだ、あの時を思い出すから
「御前…………、本気か、?」
問い掛け、虚構を見詰める彼を見て冗談では無いことを思い知る
ポタリ、ポタリと落ちてゆく汗が景色を歪ませ煌めく
「どうせ何時かは殺されるんだ、いいぞ。乗ってやる」
「と言っても如何するんだ?どうせ御前の事だから策はあるんだろ?」
ドストエフスキーは夜露に黒曜石をギラめかせ、微笑んだ
「警察はマフィアの関係者だから、と真面に調査しようとしない
つまり警察に成ったとしても資料は無いという事です
しかしその代わり出来る事の幅が大幅に広がります
が元マフィアの僕らには到底無理でしょう
と、なると遺された真実に辿り着く鍵。其れは敵対組織です
日本の極道には女性と子供と老人、増してや堅気に手を出すのは御法度ですが奴等なら可能性はありますから」
「話は解ったでしょう?堅気に戻りたいと仰って居ましたがこうなると都合が悪いのです。ね?」
奴の言葉に私は大きい溜息を付いた
そしてニヤリと彼奴の様に悪戯に破顔った
「行くか。」
「ええ、手遅れに為る前に」
足元に広がる景色から2人が消えた後、其の跡を追う者が水面鏡に映り込んで
鯨鯢は、不気味に微笑んだ
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