テラーノベル
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トラックが止まったのは廃墟に等しい旅館だった。
夏だからか、早めに太陽が登り始めている。
眠はトラックの荷台から飛び降り、老朽化したガラスドアを開けた。
鬼花は傘を抱え、その中へ吸い込まれるように入っていく。
そして近くのソファにちょこんと座った。
奥の受付らしき場所で、二人の少年が寝ている。
眠は、そんな二人を少し乱雑に起こす。
「起きて…飛鳥、瞬」
「お仕事…終わったよ?」
「ん…あれ、もう朝?」
「朝の5時。」
「分かった、清算するよ。」
そう言って伸びをしたのは浅浪 瞬。
彼もバイトの仲間であり、今日のシフトでは店番だったようだ。
「飛鳥も…」
「ん…ぉは…よ!」
「おはよう、朝だからそろそろ仕事終わるよ」
「やった…!」
可愛らしい格好をした方が一ノ瀬 飛鳥、この中では2番目くらいの大先輩だ。
だが、過去の因縁による「ピーターパン症候群」により、幼なげな話し方となっているのだ。
飛鳥はふわふわと受付の席から立ち上がり、入り口に向かった。
「おかえぃ…【リーダー】!」
「ただいま〜!み〜んなげんきだよ!」
【カイライ】は、飛鳥を抱きしめると、そのまま奥の休憩室へと戻っていた。
鬼花は、ソファに座ったまま動かない。
それもそのはず、鬼花は現在網膜剥離にかかっている。
《ゾーン》内以外では、視界の半分上は完全に真っ白だ。
そのため、簡単に動けばぶつかってしまう。
瞬は、リストの整理を終えてから、鬼花の元に来た。
「鬼花…本当に大丈夫?」
「アタシは平気だよ?ほら、今日はこんなにいっぱい…!」
瞬は鬼花を心配している。
瞬にとって、鬼花は姉に等しい。
だからこそ盲目になるかもしれない鬼花を大切に思っているのだ。
「これで、今日は8万円…!」
「20体でしょ?…じゃぁ10万だよ。」
「眠さんに迷惑かけたから、4:6」
「…分かったよ、でも無理しないように。」
「ん…。」
そう言って瞬は傘からクリスタルを受け取った。
そして、瞬は思い出したかのように言った。
「そうだ、応募来てた人みんな採用しておいたから、来るの3日後だって。」
「…はぁー…毎回毎回急すぎるって…」
「【オーナー】のばか…!」
「でも、友達…たくさん?」
「それとこれとは話は別…!」
眠は呆れ、鬼花は落ち込み、飛鳥は喜ぶ。
【オーナー】は昔から気まぐれで適当屋なのだ。
…だが、その分【オーナー】の指示は的確で安全なのである。
そのことはわかっているので、みんな強くは言えないのだ。
「でもさ…」
鬼花が話し出す。
「アタシ達、今まで一度も【オーナー】に…【ナナシ】さんに会ったことないですよね…?」
「…確かに。」
今まで、【オーナー】こと【ナナシ】に会った人物は誰もいない。
あったとしても、大体ビデオ通話や電話越しでしかない。
だが、給料やシフトの管理は【オーナー】だ。
「結局…僕たちはずっと、あの人の手の上なんだよ。」
「そう…だね。」
「ま、とりあえず3日後に備えよう、後輩にみっともない姿は見せれないし。」
「わかった、よーいする!」
「シフトも変えられてるから送っておくね。」
「失敗しないように…頑張らなきゃ」
「そうだね〜がんばろ〜!」
「「「「【リーダー】!?」」」」
「い、いつからそこに?」
「えっとぉ〜…ちょっとまえ!」
「な、なるほど…」
「新人ちゃんのためにもがんばろ〜ね!」
「じゃ!」
【リーダー】は颯爽と現れ、嵐のように過ぎ去っていった。
全員はもう慣れているとはいえ、流石に困惑は残るのだった。
「これ、【リーダー】が一番困惑されないですか?」
「「「それな」」」
果たして、後輩にかっこいい姿は見せれるのか。
先輩達の苦悩は続く…。
コメント
16件
なんか母親姉妹がやばいと聞きましたわ ネズミーランド症候群とまとめよう
いいですわね!でも、設定が合わないのではなくて? それと、光希さんとあすちゃんは環境が環境なので、初対面の可能性が高いですわね。姉妹だと気づくのかしら…
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seala @神格化しそう
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#魔法少女パロ