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中学の時もやってくれるなんてうれしすぎる!!ほんといつもありがとうございます!😭(ショタすきなんデス…)あと若井さん嫉妬しまくりなのさすがにかわいすぎて、、💕でもただもっくんが哲也くんと仲良くするとかあるかな??って勘繰っちゃって、全部お見通しだよ的な感じなのかなとか思ったりして今回も勝手ににやにやしながら読んじゃいました!笑笑最近更新スピード早くてうれしすぎますー!😭毎回お話の展開が天才すぎて、何を食べたらこんな風に書けるんだろ、、(?) って思いながら見させてもらってます!笑笑次回のお話も楽しみにしてます!💗
苦い思い出もあるけど、、青春すぎる😭😭😭💖 文で書いてるだけなのに、凄い想像できる🥹🥹次回も楽しみにしてます!!頑張ってください!
あの例のもとぱが出会った中学時代✨若井さんの嫉妬編いいですねぇ🤭🤭🌈
第22話 前編
あらすじ
物語は二人の過去へと潜っていく。
若井の欲望は一体、どこからやってきたのか
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大森と若井は、中学からの知り合いだった。
所謂、同級生だ。
しかし大森は “初めの頃は若井の事が嫌いだった” と良く言う。
実は、若井も初めは同じような感情を抱いていた。
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入学から一ヶ月程度が経った頃。
すっかり桜が散っても、大森と若井の間には壁があった。
お互いに、第一印象が良くなかったからだろうか。
席が前後だと言うのにプリントの受け渡し以外に関わりがない。
しかし、若井も無理に仲良くしようとは思わなかった。
そもそも、大森は人に興味が無さそうだった。
例えば、若井が何かの弾みで消しゴムを落として大森の足元に転がったとしよう。
大森は拾わなそうだった。
下手したら、気づかないかも知れない。
そう思っていたが、実際そうなった時は拾ってくれた。
しかも、ホコリを払ってから渡してくれた。
大森は案外、優しかった。
他にも、授業中にグループを組めと言われた時。
友人が休んでいたのか、行き場を失っていた生徒が居た。
それを、大森はその人が注目される前にグループに引き入れていた。
実は、若井はそれを見て少し驚いた。
なぜなら、その生徒は自分の状況を大袈裟に主張する人では無かった。
もじもじと分かりづらく困ってる所を、若井は助けようかと見ていた。
しかし、大森が先に助けたのだ。
どうやら大森は、意外と周りを観察してるらしい。
その事実は、印象を大きく変えた。
ただ、印象が変わろうが仲良くするきっかけは無かった。
そんなある日、大森が曲を作っているらしいと噂が流れてきた。
若井の友達はその噂を聞いて、わざわざ昼休みに曲を探した。
今、思えばそいつは大森の事を馬鹿にしようとしていたと思う。
というのも、大森は一部の男子生徒に嫌われていた。
大森はその頃から、大人びている所があったからだ。
何か嫌な事があっても、単純に嫌だと言わない。
なぜか、遠回りな言葉を選ぶ癖があった。
その態度が舐めてるとか、感じ悪いと言う男子が居たのだ。
若井の友人、哲也(てつや)もその一人だった。
なので、大森の曲を探し当てた哲也は薄ら笑いを浮かべていた。
「がちじゃん 」
哲也からしてみれば、やっと弱みを見つけたような気分だったんだろう。
それは、もう楽しそうに言った。
「え、聞く?」
「今じゃなくてもいいんじゃない」
若井は、ちょっとだけ釘を刺した。
いくらなんでも、本人がいる前で聴くのは可哀想だ。
哲也はその言葉を無視して、音楽を再生した。
しかも音量を最大にしてから、再生した。
若井は慌ててスマホを取ると、それを止めようとした。
しかし流れた曲は到底、馬鹿に出来るような完成度じゃなかった。
例え、音楽の音の字も分からなくても大森の凄さだけは分かった。
いじろうとしていた哲也は、用意していた言葉を投げる事が出来ずに固まった。
若井も、そのスマホから流れる音に心を取られた。
こんなものを同い年の人間が作ったという事実が信じられない。
これが、まさに青天の霹靂
この世には、天才と凡人がいる事を理解した瞬間だ。
若井はそのスマホを持ったまま、大森の席に駆け寄った。
大森の肩を叩くと、振り向く前に食い気味に聞いた。
「これ、本当に大森くんが作ってんの?」
振り返った大森は見た事もないほど、顔を顰めていた。
大森は何も言わずに、若井からスマホを奪うと音楽を止めた。
そして、小さく舌打ちをされた。
若井はこの時の事を、未だに後悔している。
興奮していて、何も考えていなかった。
大森が頭を搔くと、落ち着いたトーンで話した。
「 何、その質問」
そう言うと、机の上に落ちていた視線がパッと若井を射抜いた。
その瞬間、緊張からか大森の声がゆっくりと聞こえた。
「でも、信じなくていいよ
どうせ分かんないだろうし」
若井は、嫌われた事をすぐに理解した。
「ごめん…」
若井は誤解を解こうと、まず謝った。
それでも、表情を変えない大森に若井は自分の想いを素直に伝えた。
「この曲、すっごい好き」
そう言うと大森は狐につねられた様に、ぽかんとした顔をした。
さらに若井が “かっこいい” と付け足すと、大森は慌てたようにそっぽを向いた。
そして眼鏡の位置を何度も治しながら、小さな声で言った。
「あ、そう」
若井は恥ずかしくなると、もう一度謝った。
「ご飯食べてたのに、急にごめん…」
大森が、こくっと頷く。
若井はそろそろ立ち去った方が良いだろうと、言葉を続けた。
「え、と…じゃあ、ね」
若井は手を振ると、そそくさと自分のグループに逃げ帰った。
また、初めの一歩を間違えてしまった。
若井は自分のグループに戻った後、恥ずかしさで頭を掻きむしりたくなった。
絶対、嫌な奴だと思われた
そりゃそうだ
大森が作った曲を大音量で流しながら、向かって行って “本当に作ってんの?”
こんな状況、誰でも怒る。
嫌われただろうな
もう仲良くできないかも
そう思っても、あのメロディーが頭から離れなかった。
それからも若井は、 大森との距離を縮めようと足掻いた。
例えば、若井がプリントを後ろに回す時にニコッと笑いかけた。
残念だが大森は、いつも目を逸らした。
テストの点数を聞いても、知ってどうすんの?と突き放される。
それでも、若井は大森と仲良くなりたかった。
持ち前の諦めの悪さを武器に、何度も話しかけた。
だが大森は全然、心を開いてくれない。
若井は、やっぱり嫌われているんだと思った。
しかしある日、若井の心をかき乱すような出来事があった。
ある朝、登校すると若井の友人の哲也と大森が話していた。
「おはよ」
若井は、めずらしい組み合わせだと思いながらも哲也の元へ向かう。
出来れば、大森とも少し話せないかなと思った。
若井が哲也の側に寄ると、大森は若井を少しだけ見た。
「じゃ、またね」
大森は哲也に笑顔で言うと、自分の席に戻って行った。
「…めずらし」
若井は呟くように言った。
「大森くんって笑うんだ」
若井がそう言うと哲也が笑った。
「お前、元貴なんだと思ってんだよ」
「…もとき?」
哲也が大森を指さす。
「もとき」
若井はその時、やっと大森の名前を間違えていた事に気がついた。
「あ…そうなんだ」
だから、あんなに嫌われてたのか。
何度目か分からない後悔をした。
若井は自分の席に座って鞄を整理すると、意を決して後ろを振り返った。
「…大森、くん」
話しかけられた大森は顔を上げた。
くいっと眼鏡を治す仕草が、少し怖い。
「なに?」
若井はとてつもない気まずさを感じながらも言葉を紡ぐ。
「その、もときなんだよね…名前」
大森は何も言わず、若井を見続けた。
若井は緊張で、唇を舐めた。
「ごめん、間違えて」
「いいのに、気にしなくて」
大森があっさりと言った。
若井は、意外と怒ってないのかと安心した。
しかし、それも束の間。
追撃が来た。
「俺も気にしてない
仲良くもないのに名前で呼ばれても困る」
若井は、耐えられず苦笑いをした。
「そ、そうだよな」
それだけ言うと、前に向き直る。
やっぱり無理だ。
怖すぎる。
お前は仲良くもないんだから、名前なんて呼ぶな
つまり、そういう事だと思った。
ホームルームが終わると、若井は絵に書いたように落ち込んだ。
友達になる所か、名前呼びも許してもらえない。
どんだけ嫌われてるんだ、俺は
すると、哲也がこちらに歩いて来るのが見えた。
若井はてっきり自分に用があるのかと思って、心を作り直した。
友人に落ち込んだ姿は見せたくない。
しかし予想に反して、哲也は大森に話しかけた。
「元貴!!」
若井は度肝を抜かれた。
仲良くもないのに名前を呼んだ哲也は、大森に怒られると思ったからだ。
「なに?」
大森が答えた後も、 若井は大森の顔色を伺った。
「これさ」
そう言って哲也が大森にノートを見せた。
「っ、あはは!!」
大森がそのノートを見た瞬間、大爆笑をした。
さらに哲也の腕を掴むと、自分の方に引っ張った。
若井はその仕草を、目が飛び出そうな表情で見つめた。
何が起きてるのか、理解できなかった。
大森が、もう一度ノートを覗き込むように見る。
「くだらなー!!」
今度は、大森が机に突っ伏して笑う。
若井はそれを見た時、感じた事もない感情が溢れ出した。
なんだそれ
なんで哲也には名前で呼ばせるんだ
こいつがどんだけ元貴の悪口言ってたと思ってんだよ
若井は悔しさで、涙が込み上げると席を立った。
頭には、大森の人懐っこい笑み
哲也を引き寄せる時の仕草
その姿が焼き付いた。
そのせいで若井は教室から出ても、気持ちが落ち着かない。
むしろ、掻き立てられるような苦しさにトイレへと駆け込んだ。
その日、初めて学校で泣いた。
許せなかった。
あれだけ悪口を言ってた癖に、何も無かったように仲良く出来る哲也も
そんな奴を見抜けないで、仲良くする大森も
どっちにも呆れた。
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その後も、哲也と大森が一緒にいる所をよく見かけるようになった。
若井は、あの日から哲也が嫌いになった。
最近は一緒にいない。
しかし二人の姿は、やたらと目に付いた。
最近はご飯も一緒に食べるようになったらしい。
若井は憎たらしさで、どうにかなりそうだった。
大森が心を開いたような笑みを哲也に向ける度に、胸が焼けた。
哲也の腕を掴んだり、肩に寄りかかっているのを見た時には大森の事を心から軽蔑した。
若井は哲也がどんな酷い悪口を言っていたか、大森に告げ口してやろうと本気で思った。
しかし、実際には出来なかった。
そんな事をしたら、自分はもっと嫌われる。
それに、大森の傷ついた顔も見たくない。
釈然としない気持ちを抱えたまま、2年次に上がって大森とはクラスが分かれた。
残念だったが、同時にほっとした。
クラスが離れた事で、若井は大森への気持ちは落ち着くだろうと思っていたのだ。
しかし、実際は真逆だった。
2年次、新しい教室を見た時に若井は喪失感に襲われた。
大森が同じ教室に登校する事は、もうない。
昨日まで、どれだけ恵まれていたのか。
同じクラスと言うだけで、チャンスが多くあった事。
その事実が、若井の心を掻き乱した。
それからも、大森の存在はどんどんと大きくなっていた。
今、何をしてるんだろうと良く考えるようになった。
廊下で大森とすれ違うだけで、心が高なった。
昼休みに用事もないのに、用事作って大森のクラスに行くこともあった。
でも、それだけしか出来なかった。
いつも、見るだけ。
側に居て肩を並べられる
選ばれた友人が妬ましく、羨ましかった。