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「………」
「………」
さん、にぃっ、いち…。
正午、まだ私たちには学校がある。
だけど。学校より何より。
我らオタクは…
「っしゃぁ!!!全購入完了!!!!」
「ないす〜!ま、うちは買わないけど。」
「買えよ!…今度のライブは連番しろよ。」
「勿論。その分、うちの推しの舞台も来るでしょ?」
「…しゃーなしね」
「準主演だよ!!ちょーいいんだよ!!
しゃーなしで来るようなもんじゃないよ!」
「下調べはしてきますー」
「お互い様ね!」
「それなー」
目に見えない速度で指を動かして、欲しかったグッツを手に入れる。私、恵理は生粋のオタクだ。所謂、中堅アイドルオタ。そこそこバライティも出てきて歌も2回ほどバズったグループ。私は結成2年目くらいでハマったので結構古参だと思ってる。今もだらだらとしゃべり続けてるのは親友の亜由美。通称アユ。中学からの知り合いで、高校までオタ友として仲良くしてくれてる。アユの推しは俳優で今は舞台をしてる。この前も初演見るために北海道まで飛んでたな。なんかもう懐かしい。アユの推し、悪役が多いで定評があって今回も例に紛れず悪役らしい。でも、面白そうな舞台だなー。あ、主演の子この前私の推しと同じ番組出てたアイドルだわ。見たことある。…てことは演技は期待しないほうがいいのかな?アイドルが俳優、は地雷の人も多いもんな。
「えーちゃん、アユちゃん、何してーんの?」
「樹ー!次のライブのこと話してたの!」
「樹も好きなバンドが五大ドームでしょ。
…お金かかるねぇ。バイト掛け持ち何個?」
「2個。カテキョとコンビニ。」
「あー稼げるね」
「いーなー!うち頭悪いから出来ないわ。」
会話に混ざってきたのは、これまた親友の樹。高校からだけど、バンド好きってので仲良くなった。頭が意外に良くて、大学は良いとこの推薦もいけるんじゃね、みたいな話を聞いたことがある。私たちはいつも教室の隅に三人でいる。オタクの居場所はないんですよね。分かってます。だけど、楽しいから別にいいよね。
「アユはちゃんとすれば出来るのになー」
「それが面倒くさいんじゃん。てか、それする時間あったらバイトするわ。」
「アユちゃんは推しに全ベットだねぇ」
「それは私ら全員に言えるでしょ」
「そーだよ!!樹もじゃん!
我らは推しに全ベットする生き物なの!!」
「そうなの?」
「…とりあえず!これからも元気にオタ活しましょーね!!おー!!」
「「おー!」」
…なんか変に締められた気がする。
ま、いっか。