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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
鷹槻れん

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「わ、私っ、き、気付かなくてっ、ごめっ、なさいっ!」
何だかその瞬間をキャッチし損なってしまったことがすごくすごくもったいないと思ってしまって……。同時になんてはしたないことを考えているんだろう、と恥ずかしくなった。
それより何より、そのことに気付いて差し上げられなかったことが、修太郎さんを一人ぼっちにしてしまったみたいで申し訳なくて、
「あ、あの……修太郎さん」
いつのまにか着衣をきちんと整えていらっしゃる修太郎さんに、恐る恐る呼びかけずにはいられなかったのです。
修太郎さんはさっきからずっと私から微妙に目をそらしていらっしゃるけれど、私の声にほんの少し反応なさったのは分かった。
私は彼の腿にそっと触れると、
「私、ちゃんと修太郎さんを気持ちよく……できましたか?」
半ば必死になって、そう、お聞きした。
「日織、さん?」
私の真剣な声音に修太郎さんが弾かれたようにこちらをお向きになられる。
「私っ、修太郎さんが大好きなのですっ。だから……私にも修太郎さんのために何かさせていただきたいの、です……」
していただくばかりではなく。
先ほど修太郎さんは一人で達してしまったとおっしゃって、そのことをひどく悔いていらっしゃるように見える。けれど……私は逆に、とてもとても嬉しかったのです。
そのことを、どうしても修太郎さんにお伝えしたくなる。
お互いがお互いのことを想い合っているというならば、立場は対等のはずだから。
自分ばっかり、と修太郎さんがご自分を責められるのは、何かが違うと思ったから。だから。
「私は、修太郎さんが私の行動で気持ちよくなってくださって……それで、その……。た、……達して?……くださったのだとしたら……とても嬉しいです。修太郎さんがいつも私にそうしてくださるように、私も同じように修太郎さんに色々として差し上げたいと思っているのでっ。でも……私は何も知らないので……その……ほ、他の皆さんのようにうまくはできないと思います。……でも……精一杯頑張りますのでっ。なのでっ。そんな風に私に背中を向けないでください。そういうのは……なんていうか、とても……とても寂しいのですっ」
一生懸命想いの丈を修太郎さんにぶつけると、彼が息を呑まれたのが分かった。
私の瞳をしっかりと見つめていらっしゃると、今度はその視線をそらさずに、「ごめんなさい」とおっしゃった。
「……日織さんが僕のことをそんな風に思ってくださっているなんて、正直驚きました」
そこで言葉を区切って私をギュッと抱きしめると、耳元で続きの言葉をくださる。
「僕は、貴女に愛されていると自惚れてもよい、のでしょうか……? まだ信じられない気持ちでいっぱいですが、同時に……本当に……ものすごい果報者だとも」
痛いぐらいにギュッと抱きしめられて、私はその痛みでさえも、すごく幸せな気持ちに変換してしまう。
恐る恐る修太郎さんの背中に腕を回すと、私も彼を力いっぱいギュッと抱きしめ返した。
「思い切り自惚れてくださいっ! 私も……修太郎さんに愛していただけて、とても幸せです。どんなに嬉しいか、修太郎さんにお見せできないのがもどかしくて堪らないくらいなのですっ」
大切な人に好きだと素直に伝えられること。
その人から同じように気持ちを返していただけること。
それって何て得がたい幸福なんだろう、と思った。
私はこのかけがえのない愛を守るためなら、何だってできるとさえ思ってしまって……。
「私、修太郎さんとのこと、お父様やお母様、それから修太郎さんのご両親にもちゃんとご報告させていただきたいです」
もしも反対されたとしても、絶対に説得してみせる。
二人一緒ならできる、と思った。
「それで……そういうのを全てクリアしたら……あのお約束を……」
私がそこまで告げて修太郎さんを見つめると、彼は私の唇に優しくキスを落としてくださった。
それから唇を離して私をじっと見つめていらしてから、
「その時こそ……あなたに、キスのその先を――」
合言葉を告げるようにそう、おっしゃった。
コメント
2件
うん、本当、その時こそは!(灬ºωº灬)♡︎
**はる。だわ。** 第62話、読み終えたよ〜。日織さんの「私にも何かさせて」っていう真っすぐな気持ち、すごく響いた。修太郎さんが自分を責めるのを「違う」ってちゃんと否定して、対等に愛し合いたいっていう想いが伝わってきて胸が熱くなった。「自惚れてもいいですか」って訊く修太郎さんに「思い切り自惚れて!」って返すシーン、めっちゃ好き。二人の距離がちゃんと縮まってるのが分かって、こっちまで幸せな気分になったよ。続きすごく気になる!