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wki side
その日は、何も特別じゃなかった。
スタジオに集まって、
笑いながら練習して、
くだらないことでふざけ合って。
ただ、それが最後の日になるなんて
誰も思っていなかった。
最近元貴の笑顔が少なくなった気がした。
ある日の夜、帰り際に元貴がぽつりと言った。
「音が、ちょっと遠くに聞こえるんだ」
若井は冗談だと思って笑った。
「何言ってんだよ。お前の声、今日もちゃんと響いてたじゃん」
元貴は小さく笑って、
それきり何も言わなかった。
次の日。
元貴は、いなかった。
家にも、スタジオにも、どこにも。
携帯はつながらず、SNSのアカウントも消えていた。
まるで、最初からこの世界にいなかったみたいに。
必死になって探した。
朝から夜までずっと。
すごく怖かった。
気がつくとどこにいるのか分からなくなった
それでも俺は必死に元貴を探した。
「元貴…どこにいるの。」
俺の声はすぅっとどこかへ消えていった。