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『ねえ、聞こえる?』
「……誰だ?」
辺りを見渡すが誰もいない、だが、この世の者とは思えない程綺麗な声が聞こえた。
『あぁ…そんなに警戒する程でもないわ。私はただ、貴女と話がしたいだけよ』
「話…?」
何処から話しているのか分からなく、素性も分からないが、私はその声と少し話をしようと思った。
『貴女は今、復讐に燃えているのね』
「何故それを…」
心が見えるのか?この声は何なのだ…?
『それは良いとして、貴女の復讐を手伝うって話なんだけどね。ほら、今貴女はリウ協会一課の部長を辞めて、図書館に行き、愛する人の本を取り返そうとしているじゃない?』
何故此奴は私の考えを知っているのか、それを言ったとしても会話が伸びて時間が過ぎるだけだ。だから、私は大人しく話を続けた。
「そうだが…一体お前がどう手伝うんだ?」
『簡単よ。貴女に力を貸してあげるの。私の考えを気に入ってくれたらね』
「……」
このまま部長として事態を治めるか、地位を捨て、ただロウェルの本を得るか。
合理的な判断が出来ない程、私は焦っていた。
「私は…全てを燃やす龍となりたい。そして、蓮の花の様に咲き、散ってゆきたい」
『それで良いのね、素敵じゃない。じゃあ、目を閉じて…』
私は目を閉じた。
その瞬間、目の裏に燃え盛る炎が見えた。ああ、私は…
「シャオ部長!!しっかり…クソッ、このままじゃ全員燃やされる!!」
「まさか…ねじれか…!?こんな緊急事態に…誰か、今直ぐにハナに連絡を!!」
辺りが真っ赤な炎に包まれていた。だが、熱さを感じない。これも、あの声の者の力なのか。
「また一人燃やされたぞ!!此処は撤退しなくては…」
押し寄せる愛憎は留まる事を知らず、次々と元仲間を燃やしていくねじれの姿がいた。