ああ、これで良かったのだろうか。私は、燃やす事に喜びを感じてはいない。ただ、愛に溺れた復讐心であると。
その分、悲しみも大きかった。ミリス、チュン、その他の仲間も全て燃やしてしまった。
『後悔してる?』
またあの綺麗な声がした。後悔、その言葉は大きく私にのしかかった。
「あぁ……」
誰かを失った悲しみ、誰かを殺した罪悪感が残り続けた。
床に落ちた図書館の招待状を拾い、ペンで自身の名前を書いた。シャオ、と。
「広い所に出たな」
呼び掛けには誰も反応しない。いつもだったら…ミリスやチュンが言葉を掛けてくれるのだが。
ああ…そうか、もう居ないのか。
都市の星に認定された図書館は綺麗だった。都市の汚さとは大違いだな。
「歓迎致します。ゲストのお方」
一人立ち尽くしていると、目の前には館長と思われし者がいた。
此奴が…ロウェル達を奪った…!!!
「…ロウェルの本を返せ!!!」
「貴女は冷静な人だと聞いていたのですが…随分と焦っているご様子で」
「五月蝿い…今直ぐ…」
「ああ、後ろの扉から入れます。其処で本を得られます」
私はその後の言葉を真剣に聞く程の理性も、時間も無かった。
「はぁ…どうか、貴方の本が見つかりますように」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!