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コンタミ視点
こんな事ならもっと運動しとけば良かった、と今更ながら思う。
基本後ろから味方をアシストする立場である自分がまさか接近戦をする羽目になるとは思ってもいなかった。
…常に仲間がいてくれる、という先入観が引き起こしたミスだ。
「 ふっッツ! 」
コ 「 く…ッッツ! 」
一撃一撃が重いのに、機敏だ。
反撃する事も叶わず、いなすので精一杯だ。
能力を使ってこの身体能力なのか…?
それとも、まだ能力を隠している…?
コ 「 埒が明かないな…ッ 」
このままじゃ先にこっちの体力の限界が来るだけだ。
あまり他所に能力を見せたくなかったんだけどな…
「 ッツ!? 」
「 ならこっちも! 」
相手の雰囲気が変わり、身体の周りにうっすらと光が見える。
恐らく能力か…?
コ 「 …ッッツ! 」
いなそうと手を伸ばしたが、本能的に危険を察知し、伸ばした手を戻した。
すると、案の定避けた際に掠った服が破けていた。
これをまともに食らったら不味そうだな…
だが、更に不味いことに、威力だけでなく相手のスピードも上がっている。
触手で迎撃しようとするも、避けられてしまう。
中々に不味い状況だ…
こうなったら負担は大きいが、触手の数を増やすしかない…っ
物心着いた頃から持っていた不思議な模様の布を付けているお陰で表情は悟られないだろうから焦っているのはバレないだろう。
だがしかし、キツいものはキツイ。
「 ならこっちも……ふっッツ! 」
相手の気配が変わり、薄緑の光を纏っている。
ヤバそうなのは確かだ…
「 喰らえッツ! 」
相手のスピードからして逃げても必ず当たるだろう。
ならここで取るべき選択は…
コ 「 守れ…っッツ! 」
10本全ての触手を自分と相手の間に置く。
これだけあれば流石に…
ゾワッ
これじゃダメだ
生物としての勘が、脳が、身体が、全力で警報を鳴らしている。
だからなんだって言うんだ…ッ!
これ以上出来ることなんて…
…!
らっだぁの涙の結晶…!
一か八かだが、殴られながらこれを食べれば再生して生き延びれるかもしれない!
コ 「 間に合えッツ! 」
飴玉のような結晶を噛み砕くと同時に、重い一撃が腹を抉る。
コ 「 ぐっ…ッッツ! 」
そのままの勢いで壁に叩きつけられる。
壁が崩れ、体がそのまま倒れていく。
痛い、意識が持っていかれそうだ…ッ
腹に穴が飽きそうだ、というか空いている。
それを瞬時に再生されていく感覚が気持ち悪い。
コ 「 クソっ… 」
まだ終わっていないんだ。
直ぐに復帰しないと行けないのに、手足に力が―――
バシャンッッツ!!
一瞬何が起こったのか分からなかった。
水だ……!
どうしよう、泳いだ事なんてないし…
しかも塩水…海水か?こんな所で目を開けたら痛いに決まってる!
それにどんどん沈んでいく、どんだけ深いんだ…?
呼吸は…!?
いや、今はそんな事考えてる場合じゃない。
目を開けろ…っ!
コ 「 見え…る…? 」
陸と大差ないんじゃないか、いやむしろもっとはっきり見えている…?
敵は…まだ来ていないな、息継ぎをしないと……
コ 「 苦しくない…?それに、自由に動ける、陸より身体が軽い… 」
水流で乱れた髪を除けようとして伸ばした手が、本来人間にあるはずも無い物に触れた。
コ 「 え、えら…? 」
今迄気づく事が出来なかったが、自分も大概、人間ではなかったらしい。
全く、彼の事言えないじゃないか…
ザッバァァァァアン!
水に落ちて数秒後、相手も飛び込んでくる。
凄い勢いで泳いで来る相手も、今は遅く見える。
とはいえ、相手を確実に仕留める火力が無い今、相手を倒すにはどうしたものか。
一か八かだが……
相手が此方目掛けて突っ込んでくる。
あえてそのまま待つ。
コ 「 う、ぐ… 」
相手に首を絞められ、底へと押し付けられる。
コ 「 ……なーんてねw 」
この状態じゃあ今更気づいても逃げれないはずだ。
触手10本全てを使い、相手を締め付ける。
首を絞めていた手が緩んだので抜け出し、意識の飛びそうな相手に目線を合わせる。
コ 「 雑魚だと思っていた相手が、自らを喰らう大魚だったと知って、どう思った? 」
相手は泡を吐き、意識を失った。
ぺいんとの知り合いらしいので、しょうがなく陸へと運ぶ。
全く、困ったものだ。
コ 「 この歳になって未だ自らの身体すら理解出来ていなかったとはね… 」