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tgbt/Domsubユニバース/モブ注意
subのtyとSwitchのgkのお話
「僕、Sudなんだよね」
2人しかいない静かな部屋に、突然取り扱いの難しいな話が飛び込んできた
最近はお互いに忙しく、お泊まり、ましてや遊びに行くことすら難しかった。だが、ようやく互いに都合の合う日ができようやく遊ぶ事が実現した今日この頃。場所は伏見宅になり、昼食を済ませゆっくりとソファに腰掛けていた時である。お互いにスマホ画面を見つめ、ごく普通にくつろいでいた時に事件は起きた。
……。いや、え?なんで今突然?別にそういう会話をしていた訳でもないし今までしてきたことも然程ない。驚きが先を行くばかりで理解が追いつかない。自分では気づかなかったが驚きすぎて声が出ていたのだろう。刀也さんは軽い微笑を挟んだ後
「何その顔」
『なんか変ですか?』
「そんなに驚いた顔初めて見た」
そんなに顔に出しただろうか、思わず顔に手を当てたがよく分からなかった。ていうか顔に出しても仕方がないと思う。だって普通に意図が読めない。高校生だから?ソウイウ話に興味が出てきたとか?だとしても相方にそれを言う意味は?
一旦落ち着こう。冷静になれ。
刀也さんが第二の性を話してくれた。それはもう唐突になんも文脈もなく。これからも活動を続けるにあたって自己申告をしたのだろうか?
何しろsubというのは弱点が多い。相手がDomなら尚更、Commandを使われれば抗うことも難しいだろうし、威圧感にあてられてしまえば何があるか分からない。でもそれを相方に言う意図は?ぇ、?まさか、?
『好きな子でも出来たんですか?』
真顔で見つめるその視線が答えをNoだと伝えてきた。だとしたら本当に答えが見えない。それが例え相方だとしても自ら言う理由にはならない気がする。現に俺も言ってないし。
「で、話を戻すんだけど」
「僕はsubでも欲求自体はあんまりないんだよね。褒めろ!かまえ!ってそれくらい。」
『成程…、確かに刀也さんらしいですけど、』
「そう、だからたまに保健室の先生に褒めてもらったりして満足してたんだけど」
『はぁ』
「その先生が学校の生徒と関係を持って問題になったらしく解雇されたんだよね」
『うわぁ、、なんとも生々しい…』
まぁでも実際そういうもの多いのだろう。養護教諭は生徒のそういう不満も軽いplayで解決するのも仕事だ。だけど、行き過ぎて関係を持つのは流石にOUT。
「僕も驚いたけどその結果、不安定なったんだよね」
先日の部活動中、顧問の怒号で一瞬体が固まったんだよね〜。と本人は軽く語っているがそれは結構、かなりやばい方なのでは?と俺の方が不安を抱いた。
きっと顧問の先生はDomだったのだろう。だが、それはCommandとして発せられたものでも、刀也さんに向けて放たれたものでも無いはずだ。それをそう受け取ってしまったのはあまりに危うい話。そんなんじゃ学校生活もまともに送れないのでは?
「それで僕から相談なんだけど、、」
「軽いplayを頼みたいんだよね、、宛先がまた決まるまで」
最後の言葉が少し引っかかるが、別にplay自体は嫌じゃない。相方だし。
『他に頼る宛先はなかったんですか?』
「家族は論外。友達も無理だし、、」
「薬で抑制することも考えたけど、副作用として人体へ影響が出るから部活動にも支障が出る」
「それに、ガクくんなら少し雑に扱っても罪悪感あんまりないし」
信頼してるしねと続けた彼はなんだが自慢げだった。
薬の件はその判断は正しいと思う。別に薬で抑制してる人は世の中珍しくないが、一時的な物に過ぎないし、心身共に悪影響だ。元々の欲を押さえつけるようなものだから欲求の薄い刀也さんでも無害とまではいかないだろう。
『そもそも俺刀也さんにSwitchだって話しましたっけ?』
「あ、そうなの?Domだと思ってた」
「なら僕がどれぐらいの加減でして欲しいかわかるね」
と続けるもんだからこの人は本当に肝が据わってるな。普段はDomでいるし、そう思われても仕方ないんだろうけど
『了解っす…、因みに今はどれくらいの症状なんですか?』
「さっき言ったくらい」
『ふーむ、』
応急処置程度が必要な感じか。刀也さんの話的にもplay自体は些細なもので十分そうだし、ここで大丈夫だろう。
『Safe wordはどうするんすか?』
「嫌い、で」
『了解っす』
手に持っていたスマホを近くのテーブルへ置き、
『刀也さん、〖Cone〗』
手招きをするように手を差し出し、Commandを口にすれば刀也さんは気分を害した様子もなく駆け寄ってきた。なんだか大人びている普段とは違い、年相応の仕草が垣間見えて少し嬉しい。
『〖よく出来ました〗!大丈夫そうっすね!』
ふん!ご機嫌な刀也さんは撫でろと言わんばかりに頭を主張してきたので、頭に手を乗せ穏やかに撫でれば幼児が微笑んだかのような明るい笑顔を向けてきた。
この笑顔が見れるなら此方にとっても有益な役を貰ったものだなと思った。
あ、そういえば。
『〖待ってて〗』
買ってあったアイスを冷蔵庫から取り出し、スプーンと共に彼の元へ差し出した。
『〖Okay 〗!これ、買っといたんでご褒美にどうぞ!』
期間限定という文字に釣られて買ったものだったけれど、ちょうどいいだろう。
見た感じだともう刀也さんは大丈夫そうだけど…。
『あのー、刀也さん…〖Speak〗』
「うん、大丈夫!」
『良かった…』
「これからもよろしくね」
アイスを頬張りながらそう言う彼に安堵した。何せこういう経験があまりに少ないからだ。
まぁ、この様子なら少しずつ与えていけばいいかな
そうして、刀也さんのサポートする生活が始まった。
「ふと気になったんだけど、Switchってどんな感じで欲求不満になるの?」
『そうですね…、自分はあんまり経験無いんで聞いた話になるんですけど、その時々で何方かの欲求が湧くみたいっすよ』
『それに合わせて相手がplayを変えるんだとか』
何しろこの世界にはSwitch自体が少ない
Switch同士が恋人なのが理想的とされているが、現実的に見ればそれは稀な事例だし、そうなると何方か一方の欲求を満たし、その一方は他で満たすしかないのだろう。その為、相手に不誠実だと受け取られることも少なくない。だから多くの場合Switchだと明かす者も少ないのだ。
実際、俺も隠した。別に刀也さんにそう思われるとは微塵も思っていないし、言う機会が無く言ってなかっただけかもしれない。
だけど、本当に、少しでも否定される可能性があったから俺はそれを恐れたのかもしれない。
元々俺は欲求自体が少ないのか特に不満を感じたことはなかった。
『それにしてもどうしたんですか?』
「だってガクくんいつも僕に合わせてるでしょ?」
「僕だってDomを喜ばせてあげれる程のsub性を持ち合わせていないことを自覚してるから、ガクくんは足りなかったりしないのかなって」
そんなこと考えていたのかこの人は。いつもはプロレス並の言い合いを配信で繰り広げることも少なくないのに。
「あれからガクくん、僕以外とplayしてないでしょ?」
『当たり前じゃないですか』
「……、」
刀也さんはじっと俺を見つめたまま首を傾げた。嗚呼、俺が遊び歩いていない事に疑問を抱いているのか。
『俺は刀也さんがやりたい様に過ごしていればそれでいいっすよ』
「えぇ、お人好しがすぎるよ笑」
「ガクくんはGoodboyですね」
『わ!せっかくならsubの時に言って欲しかった…』
「ほら!ガクくん本当はsubの欲溜まってんじゃないの?」
『別に溜まってる訳じゃないですけど…。』
「そうだなぁ…、ガクくんさっき僕が好きなようにしていいって言ったよね?」
『そうっすね?』
「じゃ、僕の好きなようにするね」
そうやって刀也さんは優しく微笑んだが、これから起こることを俺は予想できなかった。
僕がガクくんに頼んだら快く受けてくれたんだ。僕だってガクくんの欲を解消してあげたい。じゃなきゃ申し訳ないとも思う。
だから、どうにかしようと意気込んだはいいものの
「抑も、subからのCommandって意味あるの…?」
ふとそう疑問が浮かび思わず口に出した。当の本人はポカンとした顔を浮かべた後すぐに口を開いた。
『それ以前にsubがそうする利点がないんですよ。DomならCommandで従わせる事で欲を満たすけど、subはそうじゃないでしょ?DomがそうするようにCommandしてしまえば話は別ですけど、今度はそのDomに利点がない。無意味だからなのかそういう話も世には出回ってないですね』
だけど、とガクくんは続けた
『俺自身がSwitchだからなのか、Domだから、subだからという境界線がイマイチないんすよね』
『例えば刀也さん、両親や兄弟から褒められた時なんかに欲求が少し満たされた感じがしませんでした?』
「確かに…?」
『つまり、関係値が関係してるんじゃないかなって思ってて。だから刀也さんでも俺にならCommandが効くんじゃないかなと思ってます』
好奇心を秘めているのか笑顔でそう主張した。
僕が家族に抱いている信頼を、俺も僕に抱いてますよ!って主張しているのを本人は自覚していないんだろうか?
それってほぼ告白なんだよ?まぁ、本人にはそんなつもりはないんだろうけど。
「でも僕ガクくんのこと褒めた記憶あるけど」
『配信とかでは聞いたことあるけど、面と向かっては少ないんじゃないすかね?』
そうなんだ、自覚なかったな
「ガクくん」
手招きをすれば首を傾げて、素直に近づいてくる。
これまで活動を共にしてきたからだろうか、本当に、もはや無防備なまでに信頼を僕に寄せているらしい。
なんの疑いも持たないまま、僕の指の動きに従ってガクくんを僕の目の前に座らせる。
そして、普段なら触れることのない蓬髪に手を乗せた。
「んふふ、いい子ですね」
案外ふんわりとした髪の毛に、僕の指は簡単に沈んでった。なんだか大型犬みたいで、面白くて、わしゃわしゃと掻き回しながらとりあえず褒めた。暫くは無反応だったガクくんは見る見るうちに顔に赤みを増していった。
最初は気恥しさがあったのだろうが、だんだんと嬉しさに呑まれつつある事は表情を見れば伝わってきた。
『あろぉ、、刀也さん…?』
「?」
『そろそろ、あの、、』
「まだ」
『……、うぅ、』
subとしての利点はない。だけど、僕にとってはこの、慣れていない様子をじっくりと見つめて蕩かそうとするこの行為は有意義なもののように感じて
ガクくんの言っていた言葉の意味も。
そして自身がガクくんに抱く感情の名前も理解してしまった。
僕は現状スタジオに居た。スタジオというか事務所というか、、ろふまおの撮影がある為である。
しかし最近はどうも頭が回らない、ガクくんへの恋心を自覚したあの日からずっと空振りを続けている。今日だって予定よりずっと早くここに着いてしまったのだ、いい加減どうにかしないと収録にも支障をきたしてしまう。
頭の熱を少しでも冷やそうと、控え室から飛び出した僕はある場所へ足を運んだ。
自販機とベンチが一つある細い通路のような場所。近くに窓らしい物もなく殆ど人の通ることもない。独りになるなら此処が1番だろう。
「……、」
自販機で飲み物を買い、ベンチに腰かけ深い溜息を落とす。
この気持ちに気づいたのはつい最近のこと。今までは普通に相棒としてやれていたし、あのplayをしたのだって本当にガクくんなら大丈夫だろうという信頼から来たものだった。恋というのは厄介なものでその平然とできていたものができなるものなのだと思い知らされた。
きっとこの恋は叶うことはないのだろうな…。そう思えば思う程自らの首を締まっていることも理解していた。
『あれ、こんな所で何してるんですか?』
知らない声に肩をはねらせ視界を向ける。どうやら此処のスタッフさんのようだ。
「飲み物を買ったついでに休んでたんです」
『あぁ、そうだったんですね!』
『そういえば剣持さん』
「?」
『〖Look〗』
『〖Stay〗』
『〖Crawl〗』
「〜〜ッ!?」
『よかった…、ちゃんと効いたんですね?』
重なるCommandに思わず顔を歪める。
既に行っていた事を元に命令してくるあたり、随分と性格が悪い。
結構として、幾つかの命令に従ったと脳が誤認を起こしCareが無いことで不安定になりつつあった。
主権は渡していない。
はずなのに、こうも体が言うことを聞かないのだから相手はDomとしてある程度は強い部類なんだろうな。
でも可笑しいところが一つ。僕はsub性が弱い筈だ、相手のDom性が強いからといって僕がこうなるのは変だ。
拙いな、この調子だとSub dropに陥るのもそう遅くないだろう。
『お、、俺っ…!ずっと剣持さんのファンで、』
『ほんとっ、、あはっ、こんな機会が巡ってくるなんて夢見たいだ!』
「ッ…、誰か助け__!」
『〖Sh 〗』
『ダメですよ?剣持さんは悪い子ですね』
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
彼からの命令を聞く度毛が逆立ち吐き気がする。こんなの聞きたくない。今すぐ叫んでしまいたい。早く起き上がって、逃げ出したいのに……
少し前から、刀也さんの様子が可笑しい。変な事を急にし始めたり、また逆に少し避けるような行動すらしてくる。
本人は気づいていないんだろうけど、sub性が以前より強くなっていることも疑問だ。
考えても答えは出ず、何か気に障ることをしてしまったと仮定しとりあえず行動に移すことにした。
今日は事務所に少し予定があったついでに刀也さんにはお菓子を持っていくことにした。向こうはろふまおの収録があると言っていたので、控え室に少し顔を出しろふまおメンバーの分のお菓子も置いてくるとしよう。
控え室の戸を軽く叩き、失礼しますと声をかけ中に入る。
『あれガッくんじゃん珍しっ、どったの?』
「お邪魔します〜!事務所来たついでに刀也さんに顔出そうと思ったんすけど、居ない感じですかね?」
『もちさんすか?荷物はあるんすけどね、俺が来てからは見てないっすね』
「了解っす!これ、皆さんに差し入れ持ってきたんで良ければ…」
『えぇマジすか!?ご馳走様です!』
「んじゃ俺はこの辺で失礼しますね」
『おけっす!メンバーにも差し入れのこと言っとくすわ!』
「ありがとうございます!」
軽く手を振り戸を閉めた。刀也さんが居ないなんて珍しい。基本控え室にいるイメージだったがそんなことないのかな。切り替えないといけない所をどうも思考が邪魔をする。野生の勘?というやつだろうか嫌な予感がするのだ。
そう考えてるうちに耳はある情報を聞き取った。
何か揉め事だろうか?普段行かない方向から騒ぎの音を聞き取り、一応そこへ向かうことにした。
そこで目にした光景で、言葉を口にするより先にGlareが発せられていた。
完全に不意をつかれた男がよろめき、随分弱々しい声を漏らす。
「ぅあ”…、?!クソッ……」
相手が誰かを確認するとまるで逃げるように走り去っていった。逃げ場などお前には無いのに。
とりあえず刀也さんが先だ。床に転がっていた彼の元へ急いで駆け寄るときっと我慢してたんだろう目は涙をため、虚空を見つめている。
酷い状態だ、堕ちる寸前じゃないか。
できるだけ刺激しないよう、安心させるようにと心がけ刀也さんをぎゅっと抱きしめると、肩をビクッと跳ねらせ震えている。
『刀也さん、刀也さん聞こえる?大丈夫だよ、俺来ましたからね』
「ガク、、くん……?」
ゆっくりと視線を上にあげ不安そうに俺を見つめた彼の表情からはここであった事を物語っていた。
『〖Goodboy〗、来るの遅くなっちゃってすみません』
藤色の柔らかい髪に手を沈め、優しく撫でた。 漸く与えられたCareに、少しだけ呼吸は楽になったように見える。
「んぅ、、ふ、ガッくん、まら、……危な、ぃ、」
拙い言葉を紡ぎながら必死に訴えてきた、きっと俺の心配をしているんだろうけど今は_
『〖Look〗?大丈夫っすよ、周りの事なんて気にしなくていい。俺の見てて?』
「んぅ……?」
『そうGood』
でもまだ不安が消えないのか辺りを少し警戒してるように見える。本当にこの人はお人好しだ。あんな事をされて、自分の事でいっぱいなはずなのに他人を心配するなんて。
あの出来事を思い出させるような真似はしたくないが、安心させる為、わざとこのままマネージャーに報告することにした。スマホを手に取り、刀也さんの背中を擦りながら報告を済ませる。
幸い犯人の顔には見覚えがあったのでそれを素直に伝え、状況や刀也さんの状態等も詳しく報告した。そうすると、「上への報告は自分がやっておきます。後でまた詳しくお聞きする時間が必要になりますが、今は剣持さんの事を最優先にしてください」。なんて頼りになるマネージャーさんなんだろうかと関心したが直ぐに我に返り、胸元に顔を押し当てている彼の頭を撫で
『〖Look〗大丈夫すか刀也さ_』
「ぅ〜…?」
この人、今subspaceに入ってるんだ。完全に安心しきっているようで、体を委ねている。
『安心してください、もう寝て大丈夫っすから』
淡く紅に染まった頬を優しく撫でる。
「んふふっ……」
嬉しそうに微笑むとそのまま静かに眠りへと落ちていった。
さて、。このままここにいる訳には行かないのでとりあえず家まで送ってあげよう。
できるだけ揺れないよう抱き抱え、此処を後にした。
「此処って…」
心地よい温もりに包まれながら目が覚めた。この場所が何処か気づいたのは、飛び起きてスマホを確認した後のこと。
随分時間が経っていたようで、僕がどれくらい体力を消耗したかを自覚させられた。
そして沢山の通知が溜まっていた。それはろふまおのメンバーやスタッフ、マネージャーさんからのもので、どれも心配や収録は大丈夫だから休んで欲しいという内容のものだった。
何があったかを徐々に理解した。
「なんでガクくん家に?」
運んだのは紛れもなく彼なのだろうが、あの人なら僕の体を労わって自宅に送ると思ってたけど。
そうぼーと考えていた思考を、〖ガチャ〗というドアの開閉音が遮った。
『あれ、起きてたんすね?』
『体の方は大丈夫っすか?』
彼はいつも通りのようだ。よかった、。
「なんで僕ガクくん家に居るんですか?」
そう問うとバツが悪そうに視線を逸らした。
『なんでって、、刀也さんが頼んできたんすよ?』
「へぁ?」
『車で送ってる最中、俺の家が良いってごねたんですよ』
僕はそこでやっと気がついた、嗚呼、なんて醜態を晒してしまったのだろうか。
あの状況なら仕方がないかもしれない、襲われているところを助けに来てくれたヒーロー、言い換えてしまえば王子様のようだったじゃないか。そう、仕方ない。と自分に言い聞かせるしか無かった。
『と、刀也さん?嫌でした?』
「僕が言ったんでしょ?ならガクくんは悪くないし、、」
「むしろここまで面倒見てくれてありがとう、面倒事にも巻き込んじゃったし…」
『そこら辺は全然大丈夫っすよ!』
『刀也さんが無事なら俺はよかったっす!』
と、本人は言っているし気づいてないのかもしれないけれど少し顔色が悪いように見える。Commandを出し続けて、SubとDomのバランスが崩れたのだろうか?
なら今彼に必要なのは_
「ガクくん」
『なんですか?』
「〖Switch〗」
『えっ、刀也さん!?』
「ガクくん、今不安定でしょ?」
『いや、大丈夫っすよ』
このお人好しはそうやって笑顔で誤魔化した。
人の事ばかり気にして自分には目が行かないのか。僕にだって心配くらいさせてよ。
「いいじゃん、助けて貰ったから僕にもなにかさせてよ」
「それに、いざとなったらSubの主権はガクくんも持ってるでしょ?」
『__ですよ、。』
「?」
『そんなのとっくに渡しちゃってるんですよコッチは! 』
「え?」
『あ、』
「……、因みにいつ?」
『…………、少し前くらいだと思います、いつの間にか、えっと、なんか、全部、あげちゃってたみたいで、…、でも、取り返す為に説明して関係が変になるのも嫌だし、まぁ、知らなきゃないのと一緒だから問題ないかなぁと…、今発生してはいるんですケド…』
「……」
主権の全てをあげるということは、自分の心をそのまま明け渡す事と同じで。それは、、
ここに来てとんでもない愛の告白をされてしまった。恥じらいからおこした行動がこんな形になるとは思いもしなかった。
「ガッくん。Come」
『んぇ、刀也さ_』
「僕も、ガッくんの事、愛してるよ…」
完璧に言えた訳じゃない。ぎこちなかっただろうし、耳元で言ったとはいえ全て聞こえたかも分からない。頬が熱い、鼓動が早い。なんでガクくんは何も言わないの?
不安になって落としていた視界をガクくんへ向けると、普段耳のように跳ねている髪はペシャンと垂れていた。
多量の幸福感でSubspaceに入っている。僕のただ一つの愛の言葉で。それがどうも可愛らしく感じた。
「えへ、、〖Goodboy〗だね」
ふわふわとした彼の髪に手を埋め、わしゃわしゃと撫でる。犬みたい、いや、狐ってこんな感じなのかな……。
『あろぉ、、とぉやさ…、?』
『ん……、 』
少し不安そうに瞳を揺らし、僕の裾をぎゅっと握った。離れる事が怖いのだろうか、そっか、あんなことがあったばっかだしね。
「大丈夫、、僕は何処にも行かないよ…?」
「ねぇ、がっくん…」
「付き合お?僕と…」
『…!』
『一緒ですよ…?』
溶けた笑顔でヒヒッと笑うとそのまま、僕にキスをした。気が済むまで。
その時間が長くも、あっという間にも感じられて。僕はあれ以上の幸福感を味わった事はなかった。
次の日、目が覚めてから『幸せな夢かと思った』と言われてキレかけたのは、また別の話。
初めてこんな長編書きました。好評でしたら短くなるかもですが続き書きたいなぁという感じです。では、いい休みをお過ごし下さい。