志希 視点
元気がない?
当然だよ。
だって今日は…
今日は、”らっだぁ”の命日なんだから。
rd「───」
どうして、そうなったかなんてわからない。
rd「──?」
そうなった理由を、ちゃんと本人から聞きたかったなぁ…
rd「志希!」
md「んぇ、どしたらだ…楽衣?」
rd「何回も呼んだのに返事なかったからさ」
ru「大丈夫?」
md「うん、そんな霊羽は大丈夫なの?」
ru「まぁ俺は大丈夫」
rd「…ごめん何の話?」
ru「楽衣はまだ大丈夫w」
rd「はぁ?どゆことw」
楽衣の話なんだけどね、とはまだ言い難い。
早く思い出して欲しい。
早くまた”らだおくん”って呼んで、”どりみー”って呼ばれたい。
…早く、また”青鬼ごっこ運営”として皆でゲームとかしたい。
そんなこと話したり思ったりしてるうちに教室に着いた。
kn「あ、楽衣達おはよ〜」
ky「霊羽と志希やん、おはよ」
rd「おはよー…ってか清斗!俺は!?」
ky「え?あー、ごめん気付いとらんかったわw」
rd「絶対わざとだろ!w」
「琉多も言ってよー!」
kn「え?ご愁傷さまw」
rd「琉多〜!」
そんな会話を霊羽と見守る。
md「レウさん?」
ru「ん、みっどぉどした?」
md「…本当に、らだおくんなのかな…」
心配になってくる。
去年から皆同じクラスだけど、1年経っても楽衣は何一つとして”らっだぁ運営”に関して話さないし、何一つとして言わない。
ここまでダメだと、もう楽衣はらだおくんじゃない気がしてくる。
ru「…大丈夫」
「楽衣は絶対らっだぁだと思うよ」
md「そっか…ありがとレウさん」
ky「そこ2人何話してるん?」
清斗がこっちに聞く。
md「ん?内緒〜」
ru「強いて言うなら…今日のこと?」
ky「今日なぁ〜…」
kn「なるほどね、何となくわかった」
rd「え、何なんの話?」
「俺なんもわかんないんだけど…」
この様子だから。
自分の命日じゃん、とか言える訳がない。
ru「しばらくしたら自分でわかるかもよ?w」
rd「なにそれw」
*「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴ったのと同時に、先生の声が教室に響く。
*「お前ら席に着け〜」
その声に従い皆各々の席に着く。
─放課後
楽衣 視点
なんだか頭痛がする気がする。
rd「っ……」
md「楽衣、帰ろ…」
「…大丈夫?具合悪いの?」
rd「え、あ……大丈夫だよ」
「…志希」
一瞬親友の名前を忘れるほど。
風邪ひいたかな…明日は学校休みかな
rd「じゃ、帰ろ」
md「?うん」
md「…ねぇ、やっぱ楽衣ふらついてない?ほんとに大丈夫なの?」
rd「大丈夫だって、w」
md「……ちょっとごめんね」
rd「わっ、」
急に前髪を上げられおでこを触られる。
md「やっぱ熱あるじゃん…!」
「ほら、急いでいくよ…!」
ばれた〜…
rd「いや、俺は大丈夫だってw」
md「もー、いいから行くよ」
「おんぶするから乗って」
rd「え〜…うん、わかった」
仕方なく志希の背中に乗ることにした。
…暖かい。
昔から俺のことを知っていて、分かりきっているような言動。
なんか、不思議だな〜…
md「大丈夫?揺れ強くない?」
rd「うん、大丈夫…」
md「よかった、もうちょいで着くから待っててね」
初めてこうなったはずなのに、なぜか初めてじゃないような気がする。
どういうことだろう。
rd「っ……」
懐かしく思う度頭痛がする。
全くわからない。何が起こっているのだろう。
md「楽衣、着いたよ」
rd「ありがと…」
「あとは自分で…」
md「だめ、ちょっと上がらせてもらうね」
「楽衣は部屋で寝てて」
rd「…うん、ありがとね、w」
なんか申し訳ないなぁ…w
志希 視点
とりあえず皆に連絡しないと…
md『らだおくんが熱出した』
すぐ皆から既読が付き、レウさんからメッセージが来る。
ru『え、大丈夫そう?』
md『高熱だと思う』
ky『ガチか、みどりくん今らっだぁの家おるん?』
md『いるよ』
kn『じゃあみどりくんに任せて大丈夫そう?』
md『うん、任せて』
スマホを閉じて近くの薬局に出かける。
ゼリーや薬など買いに行く為に。
楽衣 視点
くらくらする。
ベッドで横になり、瞼を閉じてみる。
知らない記憶が流れるように出てくる。
???「どりみーくそすぎ!!」
???「へへっ」
???「おいらっだぁ後ろ空いてるぞ」
???「はっちょっばっ」
???「wwww」
???「レウー!」
???「はお前こっち来んなっ」
???「あレウさんだー」
???「らっだぁ!」
???「www」
rd「……?」
誰だろう。
ただ、俺ら5人と声が似ていて、喋り方も似ていた。
それでも知らない人達だ、なんなのだろうか。
md「楽衣ー?」
rd「…志希?」
md「薬とゼリー買ってきたけど、今食べる?」
rd「うん、食べる…」
md「おっけー」
「自分で食べられる?」
rd「ぇ…」
今熱出てるしちゃんと食べれんのかな…
md「…まぁでも今までの経験上多分無理か」
「じゃ口開けて」
rd「ん、」
md「大丈夫?美味しい?」
rd「うん、ありがと…」
md「よかった」
md「じゃ、薬もゼリーも終わったし後は寝てな」
rd「うん、ありがと志希」
md「じゃあ俺帰るね」
rd「ッ…ま、って…」
md「ん?どした、楽衣」
rd「今日泊まってっていいから…ここにいて…」
正直自分でも何を言ってるかわからなかった。
でも部屋は一応隣が空いてるから…
md「…わかった」
rd「はは、ありがと、おやすみどりみ…」
志希 視点
rd「はは、ありがと、おやすみどりみー…」
md「っえ…?」
楽衣、今どりみーって…?
なんで…記憶、ないんじゃないの?
…でも
md「…おやすみ、らだおくん…」
𝐍𝐞𝐱𝐭𓂃◌𓈒𓐍
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