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第1話:タピオカと24時間(中盤・緊迫)
【PM 4:10 新宿・アルタ前広場】
勇気:「(顔色を変えて)……おい、零。これ爆薬じゃねえぞ。……ガソリンだ。 しかも、かなり新しいやつだ」
静見:「(指を止め、タブレットを鋭く見つめる)……ガソリン? 爆破予告のハッシュタグと一緒に、『浄化の雨が降る』という投稿が連投されている。エリオスの信奉者たちが、SNSの指示で一斉に動いている可能性があるな」
勇気:「雨じゃねえ、油だ……! クソっ、どこだ!? どっかのバカがライター一つ擦ったら、この広場は火の海だぞ!」
勇気は人混みの中へ突き進もうとするが、あまりの人の多さに足止めを食らう。若者たちはタピオカ号をバックに自撮りをしており、自分たちの足元にガソリンが撒かれていることなど露ほども思っていない。
静見:「待て、勇気! 無闇に叫べばパニックが起きる。そうなれば、逃げ惑う群衆の中で誰かが転び、その火花で……」
勇気:「じゃあどうすんだよ! 鼻がもう限界だって言ってんだ、すぐそこにクロがいる!」
その時、タピオカ号のスピーカーから、静かな、しかし通る声が響いた。静見がキッチンカーのマイクを握っていた。
静見:「(マイク越しに)……本日開店の『ぷるぷるタピオカ』です。現在、無料配布の整理券を配布中ですが……地面に液体をこぼした不届き者がいるようです。靴を汚したくない方は、今すぐ中央から離れてください。……ゆっくりと、静かに。」
勇気:「……零?」
静見の「嘘」と「事実」を混ぜたアナウンスに、若者たちが「えー、最悪」「靴汚れるの嫌なんだけど」と、ブツブツ言いながらも少しずつ広場の中央を開けていく。
その隙間ができた瞬間、勇気の目がギラリと光った。
人混みの中心で、震える手でポリタンクを抱え、もう片方の手にライターを握りしめているパーカー姿の青年がいた。
勇気:「……見つけた。考える前に、足が動いちゃってんだよ!」
勇気がアスファルトを蹴る。その速さはまさに野良犬。
だが、犯人の青年もそれに気づき、ライターの蓋を跳ね上げた。
犯人の青年:「……エリオス様が言ったんだ! 嘘まみれの世界は、一度燃やしてリセットしなきゃいけないんだよ!」