TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

一国のロゼが魔族のハーフなのに人に恋をしてしまう話

一覧ページ

「一国のロゼが魔族のハーフなのに人に恋をしてしまう話」のメインビジュアル

一国のロゼが魔族のハーフなのに人に恋をしてしまう話

5 - 最後には誰も傷つかない告白をしよう。

♥

119

2023年04月06日

シェアするシェアする
報告する

「ん……」

「!ロゼ、!」

僕は死んだはず。

なのに、どうして?

どうしてここに居る?

どうして王宮で、居られる?

神様は僕が悪魔だから、思うようにさせてくれない。

それにしても、なんでシュヴァリエが?

分からない、

「シュヴァリエ、どうして僕は、生きてるの?」

「オレが悪魔と契約した。」

そう言われ、急いで“在庫”を確認した。

……2人足りない。

一般市民は契約するために“在庫”を使う書類が発行される。

だが、それも含めて、『2人足りない』。

王宮に住まう者だとしても、書類は発行されないが、履歴を登録する“義務”がある。

なのに、僕の記憶では最後の使用者、‘トウヤ’の上には、“シュヴァリエ”の名が1つあるだけ。

それ以上でも以下でもない。

命1つで願い事1つ。

それがどんな奴の命であろうと。

だが、虫や動物などの命は適用されず、“人の命”だけが契約の「命」である。

昔興味があり、父さんに教えてくれた「悪魔の掟」。

それは悪魔の父さんから聞いたので、絶対に間違いは無いはずだ。

父さんは全ての悪魔を支配下に置いているとでも過言では無い、強力な悪魔だった。

だから尚更、間違いは無い。

じゃあ、何故『2人足りない』?

どんな悪魔であろうとも、「悪魔の掟」を破ることはそれ即ち[悪魔であることを絶つ]。

掟は、そういう物だと教えてもらった。

「……どうして、どうして2人足りない?願った物は『ロゼの生還』のはず!!」

「……他に、私用の願い事があっただけだ。」

牢獄は完全に僕の管理下に置かれている。

だが、他人の契約内容を聞くことは厳禁なので、音声は聞こえない。

なので、“本人”から聞くしかないのだ。

「……シュヴァリエ、牢獄から“あいつ”を持ってきて。」

「はい」

ロゼという立ち位置に居るので、王族以外は位が下なのだ。

……権力を乱用したことは、許して欲しい…


史上最悪で最低な罪人。

その名は、『マフユ』。

国民であるにも関わらず、王を殺した。

王だけでなく、その当時のロゼも、使用人も、王宮にいる者全て。

全ては『頼まれたからやった』としか言わず、表情は死んでいて、長い紫の髪を一つに括っている。

挙句、内戦を起こすまでに至った『マフユ』を止めたのは、「カナデ」。

死に至っても、『マフユ』を止めようとして、言葉を投げかけ続けた。

この物語は、代々受け継がれている。

その『マフユ』は、悪魔と契約する“生贄”に捧げられても、何をされても死なないという謎に包まれていた。

「……シュヴァリエ。僕と契約して」

これでも僕は悪魔の端くれ。

人と契約したり位は出来る。

でも、僕の場合は特殊だ。

『交換条件』。

僕は“月に踊らされる一族を捧げられる事で、交換条件として願いを叶えながらも、願いが叶うだろう”。その“月に踊らされる一族”は、僕は『朝比奈家』だと思っている。

『朝比奈家』が愚行を犯すのは、『夜』。

それも、『雲一つない満月の深夜1時』で、『春』。

『マフユ』がやったのも、『春の雲一つない満月の深夜1時』。

『朝比奈家』は『月に踊らされる一族』と言えるだろう。

『マフユ』も、家系の運命で、『月に踊らされる一族』で、あんな事を犯してしまったのだろう。

つまり。

『マフユ』を捧げられ、契約したら。

僕とシュヴァリエの願いが、叶う。

でも、その願いは“一致しないといけない”。

僕の願いは___________

到底、叶うはずも無いのだ。

だから、僕とシュヴァリエの願いは叶わない。

僕が未熟故、叶わない。

だとしても。

僕なりの『シュヴァリエへの告白』を。

かつてない、勝手な告白を。

叶わないなら別にシュヴァリエが傷付くことも無い。

もし。叶えばシュヴァリエも僕も……













こんな勝手なことをするのを、1夜限り許して欲しいな。












𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩♡930

loading

この作品はいかがでしたか?

119

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚