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その後、佐久間と深澤と合流し、一緒に食堂で夜ご飯を食べる事になった。
深澤「んで、俺が寮長の深澤辰哉ね。よろしくね、康二。」
向井「はい!よろしくお願いします!」
佐久間「そんな緊張すんなって(笑)」
向井「緊張もするってー、佐久間くんてっきり後輩かと思っててんで!」
佐久間「にゃはは!よく言われる!(笑)」
なんて会話も弾み、暫くすると寮の話になった。
深澤「一応寮にも名前があってさ、俺らがいるこの寮は、通称”氷の寮”。西側にも寮があるんだけど、あっちは通称”炎の寮”ね。」
向井「…あれ?たしかもうひとつ寮があるんじゃ…」
深澤「ああ、たしかに数年前まであったよ。”光の寮”ってのが。でもその寮めちゃくちゃ治安悪くて退学者も多かったから、無くなっちゃったんだよね。建物だけ残ってる感じ。」
向井「そうやったんや…」
佐久間「あんま近付くなよ?噂では出るらしいからさ。」
怪しい笑みを浮かべながら語る佐久間にゾクッと背筋が凍った。
向井「あ!あと、気になることが…」
深澤「ん?どした?」
向井「3階の突き当たりにある頑丈そうなドア…あれって何の部屋なんですか?」
そう尋ねると、一瞬静寂に包まれた。
佐久間「あー!あれはね、えっとー…内緒!理事長にも康二には言うなって…」
深澤「佐久間!!」
静寂を何とかしようと佐久間が口を開いたが、深澤の一声でバツが悪そうに、しゅんとしてしまった。
深澤「ごめんな。たしかに理事長にそう言われたんだけど、正確には康二には必要の無い部屋なんだ。だったら教えてもいいじゃん、って思うかもしんないけど、これはこの学園のルールなの。」
向井「…わかりました。気になるけど、そういうことなら。」
深澤「いずれ分かるかもしれないけど、知りたいからって、絶対1人ではあの部屋に行くな。」
深澤の鋭い目付きに、身動きが取れなくなりそうだった。その部屋を知ることが、どれほど危険か康二は身をもって感じたのだ。