テラーノベル
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湯気を立てるカレーが食卓に並ぶと、部屋の空気がふわっと温かくなった。
「おー、いい匂い! いただきます!」
亮が真っ先にスプーンを手に取る。
「……どう?」
恐る恐る尋ねる咲に、亮は口いっぱいにほおばりながら親指を立てた。
「最高!」
安心して小さく笑った瞬間、悠真も口に運んだ。
「うん。ちゃんと美味しい。玉ねぎの切り方、俺より上手だったんじゃないか?」
「えっ……そ、そんなこと……」
褒められた途端、咲の胸はまた熱くなる。
何気ない日常の食卓なのに――。
横にいる悠真の存在が、それだけで特別に思えた。
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