テラーノベル
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君との最後のメッセージ。
まだ、会話は続くと思っていた。
きっと君も。
いや、違う。
君はもう、もうすぐこの人生が終わることが
分かっていたはずだ。
あとから分かった。
余命が1年から3か月に縮んだこと。
その3か月は宣告をされてから、のはず。
知ってる限りはそう。
メッセンジャーのアイコンの君は、
ずっと笑ってる。
まるで、遺影写真のように。
それをぼーっと見つめている、
自分部屋の花瓶には、一輪の向日葵。
あの日、君にあげようと思っていたもの。
メッセンジャーで、
とてつもなく平和な喧嘩をした時。
これが、君の最後のメッセージだった。
“君って名前じゃないんですけどーっ!
罰として、私のことを褒めなさいっ!”
“向日葵みたいだね、君は”
何故だろう。
このメッセージを送るとき
まだ生きてる、と思ってしまっていたのは。
思い込んでいた。
嘘吐きで、うるさくて、いっつも変なこと言って、
そんな君はずっと生きてるって、勝手に思っていた。
勝手に、いなくなる日を先延ばしにしていた。
君がいなくなる1日前、
病室で言った一言。
“向日葵ってさ、私が欲しいものとそっくりなんだよね。
真っ直ぐで、明るくて、ずっと何かを目で追ってる”
“へぇ、よくわかんないや”
“…え、聞かれてた”
“ばっちり聞こえてた”
僕には、言っていることがよくわからなかった。
でも遠回しに、
向日葵が欲しいといってるような感じもした。
結局渡せれなかったけど、
お墓に置いとくよ。
向日葵。
それなら天国で自慢できるでしょ
友達からもらったの!!…って。
話変わるけどさ、
遺書、もらった。
君のお母さんから。
…って言っても、まだ読めてないんだけどね。
早く読んでよ、って言ってるかな。
いってたら、逆に嬉しいかもしれない笑
と言ってるものの、
読んでない理由は自分もわからない。
悲しいのか、
君がいないのを認めたくないのか、
ただ単に泣くのが嫌なのか、
よくわかんない。
でも確実に、泣くだろうな。
だって下書き見たもん。
下書き読んで、
君の目の前で泣いて、
恥かいたもん。
…いや、君が無理やり見せたね。
んっ!見て!下書き!って押し付けたのなんか覚えてるよ。
君の押しに負けたんだ、多分。
自分情けなっ、
そろそろ別れくらい、
認めなきゃだよな。
…行こ。
お墓。
向日葵、そろそろ枯れそうだし。
枯れたらきっと君も悲しむだろうし。
あげるから笑ってよ?
天国のみんなに自慢してよ?笑
…何時かさ、
そっちに行ったとき、
またゲームとか、しようよ。
出来ないかな?
どうだろう。
まあ、待ってて。
来るまで。
…ね、笑
コメント
11件
「 向日葵に似てる 私が欲しいもの 」 っていうのが なんとなく 察せて 、 それを 伝えきれてないのが めっちゃ 切なくて ❕❕ 最高でした 参加ありがとうございます😭
「向日葵みたいに なりたい」って言う 思い なんとなくだけど 分かる気がする… 梨羽ちゃんやっぱ 感動系書くの上手いね!☆