彼らの事情聴取と僕達の自己紹介が終わり、僕らは屯所の中を案内された。だが、本来であれば初代局長の芹澤鴨《せりざわかも》が案内をするはずなのだが、彼は島原でお酒を飲みに行っているらしく、今日の夜には帰るということらしい。島原というのは、歌舞音曲を伴う場所であり、新選組の人達も足を運んでいる場所なのだと言う。かつて、江戸幕府公認の格式高い花街として栄えたそうであり、芸妓さんの最高位である「太夫」等が歌や舞を披露し、花街文化を育んだそう。簡単に言うと、大人が沢山来るBARみたいなところかな。僕、シャンパンとかワイン飲めないけど。因みにその近くには、島原大門という国の重要文化財があるみたいだよ。ってか、島原に行ってるとかここの局長さんは本当に大丈夫なの?💦
芹澤局長がいない代わりに、近藤さんと土方副長が案内をすることになり、総司も後に着いて来た。屯所のことをほぼほぼ話しちゃうと長くなっちゃうから簡単に話すね!
先ず、僕らには一人一部屋を与えてくれることと、勝手なことや余計な事はしないようにすること、監視をしている隊士に用がある場合は声を掛けること、服は彼らが用意をしてくれることを言った。服と言っても和服なのだけど、僕は身長が高いから服はこの時代で貯めたお金で採寸して貰わないといけなかった。ちょっと待って、働いて貯めればいいの?この時代と言ったら実質、面接方式なの?💦そこ迄は全く分からないからな。💦
その他にも、僕の目隠しは必ず付けておくようにと言われたことと、お風呂は入っても可能と言われた。どちらが先に入るかも自分達で決めるようにと言われた。僕は、目隠しはどうするのかが気になっていたが、その話を聞いた時は内心ホッとした。お風呂の場合は、女性である野薔薇と風香が先に入って男性陣の僕と恵、悠仁は後と決めた。荷物管理もちゃんと行うようにと心掛けた。
屯所での内容を理解した僕達は、自分達の決められた部屋に入ろうとしたその時だった。
総司「ねぇ悟君、風香ちゃん。」
僕達が近藤さんと土方副長からの屯所の案内を聞いている中、最初から最後迄ずっと着いてきていた総司に呼び止められた。呼び止められた僕と風香はきょとん顔をし、総司に返事をした。
五条・風香「ん〜?総司、どうしたの?・はい、総司さん、一体何でしょうか?」
僕と風香はお互いに返事をすると、彼は思い出すかのように僕達にこう言った。
総司「僕達って何処かで出会ったことある…よね?」
彼は僕達に聞いてきたにも関わらず、若干疑問で返してきた。もしかしてだけど、懐かしいようにも感じていたのってまさか…。嫌、風香も含んでいるからそんな訳ないよね。💦ただの僕の勘違いの可能性だってあるし。
そんな考えをした僕と風香は、彼に申し分がないように返事をした。
五条「ごめん、分からないや。人違いじゃないかな。」
風香「ごめんなさい、私も分からないです。」
この時、昔の記憶が朧げだったのかは全く分からないが、僕達は曖昧な返事をした。僕と風香の話を聞いた総司は、瞳を細めて今にも泣きそうな子供の顔をした。
総司「そっか。悟君、風香ちゃん、変なことを聞いてごめんね?💦」
五条・風香「大丈夫だよ。・いいえ、全然大丈夫ですよ。」
総司「じゃあ、また後でね。」
僕達は気にしてないよと彼に言うように、そのまま部屋に入ろうとした時、総司はそう言った。僕は最後に総司が言った「また後でね。」という発言が頭から離れなかった。それに、僕が部屋に入ろうとした瞬間、総司は泣いていたように見えたことも。
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続きが楽しみです!!