テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『俺の作戦』(潤也side)
「……やべ、直樹、ちょっと冷たくないか?」
風呂上がり、タオルで髪を雑に拭きながら、潤也は天井を仰ぐ。
あの日以来、直樹の態度が明らかに変わった。
返事は短いし、目もあんまり合わせてこない。
話しかけても「あ、そう」って感じで流される。
(まさか本気で信じてる? あの“シェアする”ってやつ)
本当はしない。てかまだ俺高校だし!!
別にしようとおもってないし、親が許すわけもない。
ただ――普段真面目に勉強してる直樹、どんな反応するのか地味に気になっただけ。
「直樹、俺のことちょっとは気にしてくれんかなー」
ぼやきながら、潤也はベッドに倒れ込んだ。
(つーか、あいつの反応、思ったより効きすぎじゃない?)
可愛い。ちょっと寂しがってる? もしかして嫉妬?
いやいや、勘違いだって。兄貴として見てるだけだよな。たぶん。
……なのに、心の奥で「もう少し反応見たいな」なんて思ってしまう自分がいて、嫌になる。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!