テラーノベル
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数週間後。
ドラマは無事にクランクアップを迎えた。
制作会社から正式な説明があり、大御所女優は降板。嫌がらせについても事実が認められ、適切な対応が取られた。
岩本も深澤も、この件について外で語ることはなかった。
二人にとって大切だったのは、誰かを責めることではなく、もう一度お互いを信じられるようになったことだった。
___________
「照、洗濯終わったよ。」
休日の昼下がり。
深澤が洗濯かごを抱えてリビングへやって来る。
「ありがとう。」
岩本は立ち上がると、洗濯物を一枚ずつ畳み始めた。
そしてシャツを手に取ると、慣れた手つきでポケットの中を確認する。
右。
左。
胸ポケット。
「……よし。」
その様子を見ていた深澤が、思わず吹き出した。
「まだ確認してるの?」
岩本は少し照れくさそうに笑う。
「確認する。」
「もう二度と、同じことでふっかを泣かせたくないから。」
その言葉に、深澤は優しく微笑んだ。
「じゃあ俺も。」
深澤も隣へ座り、一緒にポケットを確認し始める。
「異常なし。」
「こっちも異常なし。」
二人は顔を見合わせると、自然と笑い声が重なった。
あの日なら、こんな何気ない時間さえ失ってしまうかもしれないと怯えていた。
でも今は違う。
不安になったら話す。
困ったら頼る。
一人で抱え込まない。
二人でそう約束した。
___________
洗濯物を片付け終えると、深澤は腕を伸ばした。
「照。」
「ん?」
「おいで。」
岩本は何も言わず隣へ座る。
深澤はそっと肩へ寄りかかった。
「こうしてると落ち着く。」
「俺も。」
岩本は優しく深澤の手を握る。
左手首には、おそろいのブレスレットが静かに光っていた。
派手ではない。
けれど、二人には何より大切なお守りだった。
「これから先も。」
深澤が小さく呟く。
「また不安になること、あるかもしれない。」
岩本は静かに頷く。
「その時は。」
「ちゃんと話そう。」
「うん。」
「一人で決めない。」
「二人で解決する。」
窓から差し込む穏やかな陽射しが、リビングを優しく照らしていた。
深澤は岩本の肩にもたれたまま、小さく笑う。
「ただいま。」
岩本も穏やかに微笑み返した。
「おかえり。」
その何気ない言葉は、二人にとって何よりも幸せな約束になっていた。
kaede🍁
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#💛💜
みら

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コメント
3件

一気に読みました。 別々の仕事してたら深く聞けない事もあるよね。何かあった時に聞きたいでも怖いが先に来るよね。相談出来る静かに寄り添ってくれる それぞれに役割があるなと思いました。
みらさん、第8話読み終えたよ〜!✨ クランクアップ後の日常が本当に沁みる…😭💕 岩本がポケット確認するの、あの事件から続けてるんだね、その慎重さに愛を感じる…「おかえり」「ただいま」のやりとりが何よりの約束になってるの、最高にエモかったよ! おそろいのブレスレットもさりげなくて尊い… 連載中だけど、この温かい空気、ずっと大事にしてほしいな🌸