呆れた脳がため息をついて痛
拝啓、幽霊様。
わたしの目の前にいるあなたは幽霊
あなたの目の前にいるわたしは人間
太陽が眩しい。街中の音が騒がしい。世間の罵声が馬鹿馬鹿しくて気持ち悪い。
ニュースをつけても流れるのは、くだらない不倫騒動、熱愛報道ばかり。 それを見て非難して何が楽しいのかがよく分からない。
項垂れて影を踏んでスマホを投げ捨て、今日も過去の自分を憎んでなにかに八つ当たり。
ああ、また、ひとりきり。
そんなことを考えていると、フワッと、風が部屋を舞う。
吐き出しそうな焦燥感が繰り返されるわたしを置いてけぼりにするように、風が真横を通りすぎていく。
そんな風の行き先を見てみると、体が透き通ったあなたが現れてわたしを見て口端を上げた。
その表情と聞こえないあなたの声がわたしの脳を揺さぶり刺激する。
世界って残酷だ。わたしって滑稽だ。
透けるあなたの手を取り、乱された感情を荒く、粗く、只管に、嗚咽した。
「ーーーちゃん」
薄くて柔らかい唇が動く様子、愛らしく熱っぽい色艶を感じる目線、火照った頬に口端が緩む様子、君のすべてが愛苦しくて気持ちが悪い
息を荒らげながら縋るように近付き、あなたの顔を舐めるように見詰めて、可愛らしく、詰まらせた喉を突き破るように、愛を伝えた
「ーーーくん…すき、だいすき、」
まるで、素敵な夢を見ているよう 。
不思議と堕ちて逝く思考。なにも考えず無重力に、無責任になる体の感覚。
この瞬間だけは、まるで天国にいるように心地好くて、儚くて、とても奇麗だった。
「……は、…ぁ………」
きみの表情に見蕩れ、愛を再認識する。まるできみに溶けているみたいだ。
ああ、心臓が痛い居たい遺体イタイ、いたい。
⋯⋯そうだ、君とキスしよう。
そんなことが唐突に頭の内に思い浮かび、きみの頬を捕まえようと手を伸ばした。
そんなことをしたって、きっと届くことはなくってさ。それでも嬉しくて、それでも気持ちが良くて、わたしは瞼を閉じてすべてを投げ出した。
「…すき……っ、…」
きみに奪われてイくわたしの存在意義。きみがいないと生きてる意味が見い出せなくて、生活に支障をきたしている。困っちゃうよ。
…駄目人間?いいね、きみにならそんな風に称されてもいいよ。なんて。
死がふたりを別つとも、最期にはどうせ結ばれてしまうのだから。・・・Happyend
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やっぱり、夢を見るのは餓鬼くさくて馬鹿馬鹿しい(笑)
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