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「 確かに、印象深い話だね。 」
先生はふーんと言わんばかりに呟く。
「 それからというもの私がどれだけヒズのことを調べたかもご存じですよね。 」
「 うん。知ってる。 」
「 それに、私をヒズミの絵から助けたのは貴方ですよね? 」
「 それは助けれたから。手の届く範囲だったから助けたんだよ。マユミの閉じ込められた絵はヒズミと私の合作だった。私の世界とヒズミの世界が混合していたから助けれただけ。 」
「 …そして今の梶本ヒズの能力は共に一つのモノを作り上げた人間のことを自分の世界に引き込むというもの…もし市松ちゃんに何か身の危険があったらどうするんですか…? 」
「 …それはマユミがどうかすることじゃないでしょ?幸仁がしたいならさせてあげればいいじゃん。だって幸仁は樫原ヒズミのことは何も知らない。梶本ヒズしか知らないんだから。それにマユミだって今の梶本ヒズが全く同じ能力を使うのか知らないでしょ? 」
「 …でも、 」
「 それは、幸仁の意思なの? 」
「 …それは… 」
「 幸仁のしたいことをさせてあげたらいいんじゃないの? 」
確かにそうだ。
私がどうこうする話じゃない。
「 ……そうですね。すみません。私の過保護が過ぎました。 」
「 うん。幸仁の人生だもん。マユミの人生じゃない。 」
私はこの先生を否定はしませんがどこかで苦手意識を持っていました。
命の恩人なのに。
でも、それでも。
先生はただただ、いつも納得のいく答えを導かせてくれる。
「 …ありがとうございました。 」
私は先生の部屋から出る。